KAZASHI TREKKING CLUB

四国の山を中心に毎週楽しく歩いています。

今日も天気は不安定。午後から雨の予想!

2023年06月29日 | 香川の里山


今週も梅雨らしい天気予報。お陰で早明浦ダムの貯水量は心配ないけれど、お山の

計画がなかなか難しい。降水確率が高いので雨降りになっても安全に歩ける山を

チョイス。雨降りの時はルートの選択もそうだが、先ずは登山口で濡れずに雨具を

着込める屋根がある事。山頂近くでお昼ご飯になった時も出来たら屋根の下でお弁当を

食べたい。そんな条件でいくつかの山をチョイスして選んだのが雲辺寺

今回は東屋のある粟井ダムから四国のみち、へんろ道を歩いて登ることにした。











雨降りを睨んで東屋のある粟井ダムを選んだのに、空は雨が降る雰囲気はしない。

ただSCWの予想では昼からの天気が怪しい。奥様たちにはそう伝えて、雨具の

確認をしてスタートする。

登山口はダムから少し下がった四国のみちの掲示板のある場所から、階段を登って行く。







いきなりの急登に汗が一気に噴き出す。勾配は次第に緩やかになっていくが

それでも額を流れ落ちる汗は一向に止まらない。

昨日は朝から夜まで一日中、エアコンの効いた部屋で会議だったせいもあるのか、

身体も重く、奥様たちにどんどん離されていく。
















この道はもともとはへんろ道。その後四国のみちににもなっていて、道の随所に

丁石と四国のみちの道標が点在している。







鰻渕の説明板のある場所からは北に観音寺市越しに七宝山が望める。間に木を挟んで

東に黒戸山から天霧山、そして善通寺五岳の火上山まで見えた。

説明板の横には四国のみちの一升水と書かれた道標が立っていたが、こちらは何の

謂れなのかは説明がなかったので分からない。
















鰻渕の説明板からさらに登って行くと次にへんろ道の説明板。相変わらず身体が重たい。

熱中症にでもなったらいけないと思い、水分補給を小まめに取るがそれでも息が荒い。











一丁ごとに立てられた丁石が道の脇でお遍路さんを見守っている。割と緩やかだった

道がまた急になって来た。途中奥様たちが座り込んで写真を撮っている。

何の植物だろうか?













急登が終わると道の左手が杉林になった。道の脇にはドクダミが目につくようになった。










阿讃縦走路との分岐まで来るとほぼ稜線。あとは緩やかな道を歩いて行く。

次にロープウェイ駅からの道との分岐を過ぎると、巨大な電波塔が現れる。

敷地の中にはホタルブクロと黄色い花は何の花?

















車道を雲辺寺へと歩いて行くと、道の脇にアジサイが目につくようになった。そして

一本の木に纏わりついて上に伸びるヤマアジサイの様な花。











五百羅漢の特徴のある顔を眺めながら境内へ。途中からずっとお腹が痛くて

慌ててトイレに飛び込んだ。トイレから出て服装を整えようとしたら、汗で

ズボンがお漏らししてように濡れているのに気がついた。










大師堂でお参りを済ませて山頂公園へと向かう。途中に今日のお目当てのひとつの

アジサイロード。色とりどりのアジサイもきれいだが、この道沿いの青一色の

アジサイもなかなか見ごたえがある。








今日のもうひとつのお目当てはスキー場のスロープに咲くユリの花。YAMAPの

活動日記には色とりどりのユリの写真がアップされていたが、実際に咲いていたのは

スキー場のスロープの下だった。斜面一面に咲いているユリを想像していいただけに

テンションが下がって、一番近くに咲いていた一輪だけの花を写して終了。

それでもルリちゃんがせっかく来たのだからと、わざわざ斜面を降りて写真を

撮ってきてくれた。

















山頂公園からは北の眺望と西の眺望が広がっていた。三豊市の奥には志々島や広島が

モヤのかかった海水面から浮かんでいるように見えた。














ベンチに腰掛けお昼ご飯にするが、汗冷えで寒くなってきた。お弁当を用意して

いなかったあっちゃんは、UNPENJI COFFEEでわらび餅を買って小腹を満たす。

すると雨がポツリポツリと降って来た。汗冷えも収まらないし、写真を撮ったら

直ぐに下山にかかる。














公園からまた雲辺寺の境内へ。四国霊場の内もっとも高い場所にある雲辺寺。

『四国高野』と呼ばれて僧侶たちの修行の地となった雰囲気が今でも感じられる。

涅槃釈迦仏や五百羅漢像を眺めながら来た道へと戻って行く。











お弁当を持って来なかったあっちゃんは、どうやら下山後にうどん屋でお昼ごはんと

考えていた様で。『さあどんどん歩くわよ!』と言いながらスピードを上げている。














途中でギンリョウソウや蛇のうろこの様な木肌の写真を撮っていると直ぐに

置いてけぼりになる。『待ってください奥様たち!』










へんろ道でよく見かける『同行二人』の札に書かれた言葉に励まされながら、

こちらも何とかスピードアップする。すると頭の上でゴロゴロと大きな音が

たち始めた。そして粟井ダムへの舗装路に出る頃にはパラパラとし始めた。










舗装路からは出来るだけ濡れないように木の枝が覆いかぶさる道の脇を歩いて戻る。

結局うどん屋ではなく近くのカフェでもという事になったが、お店が定休日。

仕方がないので今日はこれで解散。










大野原ICから高速道路で帰る途中で、萩の湯で汗を流す。今日はサウナに入っても

もうほとんど汗が出てこなかった。サウナから出て露天のスペースで寝椅子に横に

なっていると、突然どしゃ降りの雨。サウナを出た後の火照った身体には気持ちの

良い雨だったが、これが下山途中で降られていたら・・・・。午後からは天気が崩れるとは

思っていたが、想像以上の雨だった。

来週もまだ梅雨空の一週間となりそうだ。雨降りでもいい山。タキユリでも見に行こうかな?



ちょこっと里山歩き・・・あららもう雨が降って来た!

2023年06月22日 | 香川の里山




奥様たちと予定が合わず今日は自主トレ日。天気もイマイチだし、朝一番に接骨院で

腰のメンテナンス。その後ゆっくり朝食を摂って、天気予報では夕方から雨模様なので、

さっくと歩いて雨に降られないうちに帰って来ようと出かけてきた。

森林公園の研修棟の駐車場に車を停めてスタート。駐車場の南にあるねこバス

大きな目玉が取れて、見る度にくたびれてきた感じがする。







そのねこバスの奥には真新しい東屋が出来ていた。東屋の横から山の中へと入って行く。

今日はのんびりと草花を写しながら歩いて行こう。







道は最初から意外と急登。急な場所には木の丸太で階段状に整備されている。周りの

木々には樹種の札が掛けられている。鬼のこん棒のようなハリギリ。







238mの標高点から派生する尾根まで上がってくると、東側の綾歌町から飯野山に

かけての景色が所々で見える




238mの標高点の辺りで広場になった場所にトイレがあった。その横にはまだ

熟す前の爽やかな色をしたヤマモモの実。







そこからは直ぐにアスファルトの遊歩道に出た。道の脇にはオカノトラノオが風に

なびいて揺れていた。すると頭の上からポツリポツリと雨が。





城山への登城口と書かれた道標の前のベンチに腰掛け、ザックカバーを取り出しつける。







登城口から登って行くとさっそく堀切と井戸跡。更に登ると土塁と曲輪。いずれも

敵に攻め込まれたときに優位に戦うためのもの








山頂は西長尾城の本丸。本丸らしい平らな山頂は当時は360度の眺望が広がって

いたのだろう。いまでも北東から北西にかけては(南側が木々に遮られている)は

丸亀平野から大麻山までが今日の薄曇りの中でも見渡せる。












小さいころに一緒に登った子供たち




山頂からは途中から南東に別の道を下って行く。途中に南側の登尾山から大川山

かけての阿讃山脈と尾瀬山が見えた。







城山を降りると尾根に沿って地道の林道と登山道が平行して続いている。最初は

樹林帯の中の登山道を、途中からは林道を歩いて行くと第三東屋についた。

前回友人と来た時はここでヤマガラと遊んだ記憶があるが、今日は休憩している

人もヤマガラもその姿が見当たらない。



親父のザックを背負って歩く息子



猫山の途中で一ヵ所だけ道の両側から草が茂った場所があったが、後はきれいな

歩きやすい道が続いている。猫山と鷹丸山との分岐の辺りで、また一段と雨が

強くなってきた。おまけにお腹がグルグルとなってきた。先ほどの第三東屋に

あった仮設のトイレが頭に浮かび『どうしようかな~』と迷ったが、こんな中途半端な

ところで引き返してもと思い直して、山頂手前のロープのある急登を登って行く。









こんな場所は子供たちは張り切る




雨脚は相変わらずだったが、急登を登っている内にお腹の調子はマシになった。

木々に囲まれた山頂は薄暗く、その代わり周りの木々の枝が雨粒を遮ってくれている。

三角点の後ろには大きなカゴノキ。あちこちにケルンが積まれていた。







北側が少し伐採されて唯一の景色、麓のレオマが見えた。






猫がいないねと息子




スタート時点では今日は大高見峰まで歩く予定だった。天気予報では夕方以降から

雨が降り始めるとの事だったので、雨雲も傘も持ってきていない。雨脚はまだ

弱まりそうもないので、ここで引き返すことにする。濡れた岩場に足を滑らせないように

注意深く山頂直下を下ると、後は快適な道。第三東屋の手前の分岐で琴ケ滝の道標に

従って右手に下って行く。




この道もほとんど荒れたヶ所もなくよく整備されて歩きやすい。途中で琴ケ滝に

寄り道。まだ雨が降り始めたばかりで滝を流れる水の量も少ない。







一旦アスファルトの遊歩道に出て、語らいの広場を通り駐車場へとたどり着く。

しばらく晴れの日が続いた後の雨に、途中で見かけた小さな草花も生き生きとしていた。



















大高見山まで行かずに引き返したので予定していた時間が早まった。コンビニで買った

おにぎりはそのままにして、西へと車を走らせ三嶋製麺所へ。平日にもかかわらず

県外の車やバイクが停まっていた。来週もなんだか雨の様子。早く梅雨が開けないかな~!


お久しぶりの大山、そして初めての三ノ沢ルート

2023年06月17日 | 四国外の山


『線で繋ぐ石鎚山から引地山』で弥山から二ノ森へ歩いた時に、西ノ冠山の辺りで

数輪咲いているイワカガミを見つけて三人で喜んだ。

それが6月の初旬にエントツ山さんとアカリプタさんがYAMAPにアップした

大山三ノ沢の活動日記には、尾根近くの斜面一面にコメツツジとイワカガミが

びっしりと咲いた写真が載っていた。『なんじゃ~これは??』と目が点に!。

さっそく奥様たちに『天空のお花畑』のお誘いをすると、もちろん即OK。

ただエントツ山さん達が出かけて以降の天気が、梅雨らしいといえば梅雨らしい

ぐずついた天気が続き、出かけるのに二の足を踏んでいたのと同時に、お花は

まだ大丈夫だろうか?と心配する日々が続いた。

今週は木曜日までそんな天気が続き、金曜日にやっと天気が回復した。

降雨の後の大山がガスがかかっていないかが気がかりだったが、仕事の都合も

あって今日しか出かけられないので、意を決して・・・・!





坂出で奥様たちと待ち合わせをして高速道路を一路蒜山ICを目指す。途中の

中国山地辺りでは曇り空からポツリポツリと雨が。蒜山SAでトイレを済ませたが、

やはり蒜山・大山は雲がかかって姿が見えない。車に乗り込む前に頭の上の雲を

じっと眺めると、雲は西から東へと流れている。この調子で雲が流れてしまう事を

願いながら高速を降りて、大山環状道路を走ってスタート地点となる文殊堂に着いた。




文殊堂の横の駐車場は平日にかかわらず満車状態。『みんな考えることは同じかな?』と

思いながら、文殊堂の後ろの少し路肩が広くなった場所に移動して車を停める。

まわりはやはり霧がかかって薄暗い。




その霧のせいもあってか、少し肌寒かったが、時間が経てば陽が照ってくるのを

願いながら、三ノ沢の右岸に造られた工事用の道を歩いて行く。

右手に砂防ダムを見ながら登って行くと、道の左側に工事現場の小屋と工事の人の

車が数台停まっていた。道の正面は立ち入り禁止の標識とロープが張られていたが、

なぜか立入禁止と書いた矢印の方向にはロープは張られていなかった。








その矢印通りに樹林帯の中へと進んで行く。しばらく歩くと砂防ダムの際にでた。

そこから砂防ダムの上手に降り、河原についた踏み跡を辿りながら今度は左岸へ。










左岸に渡ると自然林の中の道になる。気のせいか四国の山とは周りの木々も林床の

植生も少し違って見えた。足元に今日初めてのダイセンクワガタみ~っけ!







樹林帯を抜けると最上部の大きな突堤の足元に出た。ここでまた今度は右岸に渡り、

突堤のコンクリートにロープがかかった斜面を登って行く。











コンクリートの斜面を登り、タニウツギの咲く突堤の脇を抜けていくとまた

岩や石が堆積した広い沢に出る。ここから見上げると千畳敷カール涸沢カール

ような景色が見られるはずだったが、残念だが稜線をうす暗い雲が覆い隠していた。

この沢の最上部になるゴルジェの様な場所には、白い塊が見えた。大山の南壁にある

沢だが、まだ雪が残っているようだ。











沢の踏み跡を辿りながら一旦右手の中州の様な灌木帯の中へ入って行く。この頃には

汗のせいなのか霧のせいなのか、シャツがしっとりと濡れている。














灌木帯からまたゴロゴロ石の斜面に出る。ザレた斜面は踏み出すたびにズル・ズルと

足が後ろに滑って歩きづらい。ここでも踏み跡を辿りながら右の灌木帯へと登って行く。

前を行く岡山から来たという男女のペアは、このルートにも何度も来ているようで、

途中で色々と話をすると私たちと同じようで、やはりぐずついた天気が続いて

いたので、やっと今日の天気を待って出かけてきたそうだ。ここからが沢から

離れて尾根への取付きとなる。



















ザレ場から岩肌になると今日初めてのイワカガミ。先ほどの女性に『この辺りからが

群生地になるのかな?』と尋ねると、『もっと上の方よ』と教えてくれる。

ポツリポツリとマイズルソウも姿を現し次始めた。













すると今度は霧の雫と同じくらい小さなコメバツガザクラも目立ち始めた。

奥様たちもそんな可愛い天使たちの写真を撮るのに夢中だ。










更に今度はあちらこちらの岩肌にダイセンクワガタが群生していた。手前のイワカガミは

既に枯れていたけれど、ダイセンクワガタの群生を見られただけでも良かったねと。







霧は期待を裏切っていっこうに流れそうにもない。それどころか高度が上がるにつれて

益々濃くなっていっている。















険しい岩肌に咲く濡れたダイセンクワガタの群生に圧倒される。それに負けじと

高度が上がってくるとイワカガミもまだまだ咲いている。











最上部から尾根に近づくにつれイワカガミのピンクが目立ち始める。右を見ても

左を見てもピンク色の斜面。そして星屑の様な白いツガザクラがその周りを覆っている。















道の両脇に続くイワカガミの群生。尾根手前で少しだけ下ると独特な形と色をした

オダマキも咲いていた。この辺りから右に行くとキリン峠への道になる。








晴れていると目の前に槍ケ峰がデ~ンと構えているはずだが、そのシルエットが

辛うじてわかる程度だ。その槍ケ峰の足元を西にトラバースして巻いて行く。














槍ケ峰をトラバースすると初めて稜線に出た。槍ケ峰は岩を積み上げたような岩稜。

その尾根は足を踏み出しただけで崩れていきそうだ。ここから西に向かって稜線を

歩くと最初のピークが三ケ峰となる。相変わらずの霧のお陰で、両側が切れ落ちている

場所もさして高度感も恐怖心も湧かずに通過できた。











三ケ峰山頂では先ほどのペアが腰を降ろして休んでいた。お二人は剣ケ峰へは

行かずにここで引き返すという。『以前は平気だったけれど、最近は無理をしない』と

言っている。それを聞いたルリちゃんもここまでにすると言っている。もちろん

あっちゃんは行く気満々!

時間は11時ジャスト。12時までには帰ってくるとルリちゃんに約束をして、あっちゃんと

二人で先ずは天狗ケ峰へと一旦三ケ峰山頂から下って行く。ここまでも、そして

ここからも道の脇に小さな小さなマイズルソウがあちらこちらで咲いていた。








稜線の痩せ尾根は何度も歩いた事はあるが、ここの稜線は今にも崩れそうな

危うい場所が何ヵ所かあった。ただ想像していたよりは道が踏み固められていて

歩きやすかった。ただこれも霧がなく晴れ間の下ではもっと怖かったかもしれない。







天狗ケ峰は山名標もないので気づかずに通り過ぎてしまったようだ。剣ケ峰

近づいてくると、稜線の北側は草木が生え、南側は切れ落ちた道。草木があると

気分的に少しは楽になるが、気をつけないとその根っこに躓いたりする。











剣ケ峰山頂手前は稜線から北側を巻いて行く。そして樹林帯を抜けると『あら、山頂?』。

山頂では女性が独りで休んでいた。『こんにちは!』とあいさつをした後、コンクリートの

モニュメントで記念撮影をすると、その女性が『そちら側は遭難の碑になっているから

反対側で写した方がいいわよ!』と教えてくれた。確かに反対側には剣ケ峰の山名が

刻まれていた。山頂では霧が流れて一瞬だが青空も見えた。その女性も何度も大山には

登っているようで、色々と話を聞くことができた。そして大山最高峰に立つ事ができた。

ここから見えるはずの360度の眺望は残念だが今回は見ることが出来なかったが、

槍ケ峰から剣ケ峰へのルートも後何年かすれば崩落するかもしれず、そうなると

大山最高峰のこの場所に立つ事は二度とできなくなる。そう思うと感慨深かった。
















さあ山頂を踏んで満足した後はルリちゃんの待つ三ケ峰へと折り返していこう。

三ケ峰で話をした女性が『剣ケ峰への登りはいいけど、下りがザレて危ないから』と

言っていたが、今日はそのザレた場所も湿っていて、乾ききったザレ場よりも

思ったよりも歩きやすかった。









ただ一度動画を撮っていて足が滑って尻もちをついてしまって冷や汗がでた。

この痩せ尾根は今にも崩れそうだった



















あっちゃんは剣ケ峰で話をした女性に、花の名前を教えてもらいながら歩いて

来ている。途中では前から来るソロの女性とすれ違い、三ケ峰の山頂では別の

ソロの女性がルリちゃんと話し込んでいた。それにしても平日にソロの女性が

意外と多い。しかもその女性たちはこの山に何度も足を運んで、山にも花にも

詳しい。今日のような周りが何も見えない霧の中を歩いてみても、この大山が

多くの女性を魅了しているのが何となく分かった。

時間は12時。少し風が冷たいがこの三ケ峰でお昼ご飯にする。














帰りの下りは、登りに比べると霧が少し流れてイワカガミの群生が更に色濃く見えた。

途中まだ登ってきている何人かの人達とすれ違う。そのどの人も大きな一眼レフを

抱えて歩いている。やはりお花畑がお目当ての様だ。














麓の霧も流れて少しの間だが三ノ沢の全容が見渡せた。そして振り返ると槍ケ峰の

山容も初めて確認できた。剣ケ峰からの折り返しですれ違った女性が降りてきている。


















それにしても景色以上に花の写真をこれだけ撮ったのは久しぶりかもしれない。














三ノ沢の霧は刻々と流れて周りの景色を変えていく。三ノ沢の奥は二ノ沢だろうか。

同じように南壁に向かって白い線が延びている。そんな移り変わる景色を先ほどの

女性も何度も立ち止まってはカメラに収めている。














灌木の中の道もザレていて歩きづらい。注意深く下って行かないと簡単に足を滑らせる。

途中であっちゃんと二人で灌木の中から飛び出し、石屑でザレた沢を下って行く。

足を踏み出すと2~3mはズ・ズッと滑って行く。まるでスキーをしているような

感覚で下って行くのが楽しい。




















振り返ると朝方はガスがかかって全く見えなかった稜線が見渡せるようになった。

やはりこうしてみるとプチカールに見える。プチとはいえ四国には無いスケール感だ。
















往路とは反対に右岸から左岸に、そして最後は右岸へと歩いて行く。森では今年

初めて聞くカッコウの鳴く声が鳴り響いていた。

















奥様たちも途中で何度も立ち止まって、最後に草花を写しながらのんびりと歩いている。

三ケ峰からは1時間40分ほどで文殊堂に着いた。










帰り道、鍵掛峠展望台には大勢の人達が車を停めて、南壁の写真を撮ろうとしていた。

私たちも暫くの間待ったが結局雲が流れて大山の全容が見られることはなかったが、

その雰囲気だけでも感じることができた。さらに走った所の御机みつめの棚田でも

同じように雲がかかっていたが、それでも大山のスケール感には三人が虜になった。

来年は晴れた日にもう一度三ノ沢を登って天空のお花畑に出かけようと奥様たちと

話をする。その前に、7月にユートピア小屋のお花畑にも!











最後に貴重な花たち

コケイラン


クゲヌマラン


ノビネチドリ


ノビネチドリ

一日だけの梅雨の晴れ間に緩りと散策梶ケ森!

2023年06月08日 | 四国の山


六月を前にして四国地方が梅雨入りした今年。この時期はどうしても天気が不安定で

天気予報とにらめっこをする毎日だったが、週間天気予報では傘マークが並んでいた。

ただ先週はお休みしたので、二週続けてお休みするのは・・・・。それなら

少しくらいの雨降りでも歩けそうな山と言う事で、取りあえず梶ケ森を候補に

あげてみた。距離的にも歩行時間的にも短く、雨降りでも山荘横の避難小屋に

入れば、お昼ご飯の時も心配ない。

そう思いながら毎日天気予報を眺めていたら、水曜日だけ晴れマークが付いた。

さっそく奥様たちに案内して、今日は緩めに歩くことにした。


龍王の滝の駐車場では先行の車が二台停まっていた。車を降りるといつになく

沢を流れる水の音が大きく聞こえてきた。駐車場手前にあったトイレは新しくなり、

水洗のトイレになっていた。総合案内板もこんなにきれいだったかな?と思いながら

用を済ませて支度をする。







駐車場の脇にはツクバネウツギの花が満開。龍王の滝への道の脇にはガクウツギが花を咲かせていた。

杉林を抜け足元が露岩の道になると間もなくして龍王の滝に着いた。

ツクバネウツギ


ガクウツギ










予想通り滝を落ちてくる水は勢いがあり、大きな音をたて岩肌に当たって飛沫をあげていた。

僅か20mほどの落差だが、今の時間帯なら光の中から岩と岩の間から落ちる滝の水と、

樹齢数百年の杉の巨木と周りの原生林に囲まれて、神秘的な雰囲気を醸し出している。













滝壺の脇から上流へと登って行くと沢沿いの道になる。降雨の後で水量の増えた沢の

水は至るところで小滝が出来ている。龍王の滝の上部の大岩まで行き、落ち口が見られ

ないかとあっちゃんが覗き込むが岩肌に隠れて見えない。ルリちゃんは河原まで降りて

滝の上流を写真に撮ったりして、しばらくの間うろつく。










渡渉ヶ所に架かる鉄製の手前の橋は、土砂崩れで手摺が曲がり、網目の踏み板も

土砂と石で埋もれて原型をとどめていない。







その鉄製の橋を渡ると道は苔むした岩が転がる道になる。足元は苔の緑。そして周りは

朝の光が当たり輝く新緑。そんな緑の空間の中をゆっくりと登って行く。








滝の上部からは15分ほどで定福寺の奥の院に着いた。奥の院は仏岳山遍照院と呼ばれ

弘法大師が修行した加持ケ峰(梶ケ森)の七合目辺りになる。

ここから右に折れて真名井の滝へと歩いて行く。ここでも斜面に架かった橋が落石に

よってけっこう歪んでいた。










道はウツギだろうか?花びらで真っ白に埋め尽くされていた。道の脇にはフタリシズカ

があちらこちらで花をつけていた。そのフタリシズカの横で賑やかに写真を撮る

奥様たちフタリ。足場板のような橋を渡ると真名井の滝への急登になる。
















真名井の滝は岩の割れ目の間を細く曲がりくねって流れ落ちるような滝。落差は

先ほどの龍王の滝の半分くらいだが、流れ落ちる幅が狭いので、水の勢いは

こちらの方がある。滝壺に落ちた飛沫が涼しさを誘う。

















登山道はこの滝の手前から続いているが、滝の横からも崩れてはいるが、滝の上部まで

登って行ける。崩れた丸太の階段状の急登を登ると階段と鎖場になる。

先ほどからあっちゃんが『鎖場の岩は濡れてるわよね~』と言っているので、

『は・は~ん今日も鎖を登ろうとしてるな』と思って、『今日は絶対滑る~

登ったらいかんよ!』と釘を刺す。








階段は何段にも分れて真名井の滝の上部まで続いている。『変な事を考えんと~』と

ルリちゃんに言われながらも、鎖を横目に未練がましく登ってくるあっちゃん。








真名井の滝の上部から登りきるとシャクナゲの森の尾根に出る。東屋のある尾根の

シャクナゲは、残念ながらほぼ終わっていた。尾根を右手に歩いて行くと、足元には

背の低い笹が現れてくる。その樹林帯を抜けると一気に青空が広がった。









ニガナ





所々で振り返ると、梶ケ森山荘が見える。その奥には鉢ケ森







灌木の間の道を抜けると、天狗の鼻。絶壁の頂部に鎮座する石仏越しには梶ケ森山頂。

北には曲がりくねった吉野川と、国見山中津山が見える。











天狗の鼻で少し休憩した後、キャンプ場を抜けて山頂への最後の階段。振り返る度に

周りの景色が広がってくる。

















天狗の鼻からは20分ほどで山頂に着いた。電波塔の下の機械室のような建物から

モーターが回るような音が聞こえていたが、誰もいない山頂は静かに風がそよいでいた。

キバナツクバネウツギ










奥様たちは、日陰がないのを気にしているが、背に腹は代えられない。お日様の下で

ベンチに腰掛けお昼ご飯にする事に。西にはゆとりすとパークの風力発電。

東には京柱峠から小桧曽山に続く稜線と、その奥には牛の背と天狗塚が見える。











お弁当を食べ終わる頃に4人のグループが登って来た。軽く挨拶をした後、奥様たちに

山座同定の講義。北から東にかけて見える山々は自分たちも歩いてきた山ばかり。

それだけに稜線が繋がり山の名前が確認できると、いつになく二人は喜んでいた。








講義を終えた後は山荘へと下って行く。途中からは舗装路へと進み山荘まで来ると

十台近くの車が停まっていた。『あれ?水曜日は定休日のはず』と思ったら、山荘の

改修工事をしている工事の車両だった。



トゲアザミ







山荘の玄関から食堂を覗き込むと、中から男性が出てきて色々と話をしてくれた。

改修工事を終えたら7月にはオープン出来るとの事。次は定休日を設けずに営業

する予定だそうだ。以前は高知の相愛という会社が委託監理していたが、今回からは

神奈川の会社が管理する事になったそうだ。『オープンしたらまた是非お越しください』

と笑顔で話してくれた。





山荘の裏側から奥の院への登山道を下って行く。いつもならゴロゴロ八丁を下るのだが、

降雨の後、今日は安全を期して更に東側の道を歩いて行く。

クリンソウ










ゴロゴロ八丁を避けて安全にと思った道は、あまり歩かれていないのか、

谷筋はザレていて意外と危ないヶ所があった。






シロモジ






山荘への舗装路へ出る手前で左に曲がると奥の院への道。以前には奥の院近くまで

車が乗り入れできたのか、路面はコンクリートでできていたが、コンクリートは

割れて、落石で道は覆われ、既に荒れ放題の道になっていた。











奥の院からはいつもの様にトントンと小気味よいスピードで下りて行くが、後ろに

来ているはずのあっちゃんの姿が見えない。奥の院でバイケソウに気を取られて

私とルリちゃんを見失い、登山道とは違う方へ降りて迷ったそうだ。間違いに気づき

元に戻って下りて来たというあっちゃんをしばらく待ってまた一緒に下って行くと、

奥の院からは25分ほどで駐車場に着いた。

今日は6km弱、4時間ほどのここ最近にしては緩い山歩き。それでも奇跡的に

一日だけ晴れた日に丁度歩けて気分転換になった。しばらくの間は天気が

予想しづらく、今日のような軽めの山歩きになりそうだ。










帰り道、八畝の集落の道の脇にはアジサイが満開だった。そのあじさい越しに

見える怒田の集落は山肌を切り開いて、かなりの標高まで民家が続いていた。

険しく厳しい山の斜面で暮らす人々。その生活ぶりの大変さが偲ばれる。