KAZASHI TREKKING CLUB

四国の山を中心に毎週楽しく歩いています。

『線で繋ぐ石鎚山~剣山』が終わらぬうちに・・・・。

2022年10月05日 | 四国の山
スマホの天気予報の画面を見ながら『ハア~』とため息ひとつ。

『線で繋ぐ~』の三嶺のゴールデンルートを前に、どうもお空に嫌われているようだ。

水曜日の天気が悪いのなら、まだマシな火曜日なら予定を入れずに出かけられる。

そう思って予定を変更したのに、テンクラ、SCW共に三嶺付近の天気だけが悪い。

仕方がないので丸石小屋~三嶺はまたまた順延する事にして、さてさてどこにでかけよう。

祖谷周辺はダメだが、西の方は天気がもちそうだ。それなら

10月に入ったので石鎚山の紅葉は?と考えたが、週末の三連休にルリちゃんが、娘さんの

マリンちゃんと登る予定にしているという。『線で繋ぐ石鎚山~剣山』が終われば、次に

石鎚山から西の引地山まで線を延ばしてみようと考えていたので、まずは先行して二ノ森

まで歩ければと考えたのだが、ルリちゃんが週末に歩くのではダメだ。ん~ん~それじゃ~と

思いついたのが反対側の皿ケ嶺から東の陣ケ森。さっそくYAMAPで調べてみると、

上林トンネルから陣ケ森・前々司山・うなめごまで歩いている人がいた。うなめごから

更に先の井内峠まで歩けば次へと繋がって行く。さっそく奥様たちにその活動日記のURLを

送って、豊浜に7時に集合とメッセージを送ったのが前日の夜。するとあっちゃんから、

『了解です。水曜日豊浜7時ですね!』と返事が返ってきた。奥様たちはどこでどう勘違い

したのか、火曜日のつもりが水曜日にまた変更になったと思い込んでいた。慌てて『明日です

明日!』と送り返したら『ひえ~え~!』と。

当然奥様たちは準備にバタバタしたようだが、三人での山行だと前日のこんなバタバタな

やり取りでも、何とかなるのが手軽でいいところだ。

高速道路を川内ICで降りて県道23号線を西に、そして209号線を南に上林地区を

通って上林森林公園へと車を走らせると、途中で上林トンネル方面通行止めの看板。

『ありゃりゃ、やばいぞ~』と思いながら森林公園へ着くと、登山姿の男性一人と女性二人が

トイレの前にいたので『すみません、通行止めはどの辺りですか?』と男性に聞いてみる。

『最近そっちへ行っていないから判らんな~』との返事。『まあでもトンネルまで行っても

5分もかからんからダメだったら戻ってきたら』と教えてくれた。

『どこまで行かれるん?』と聞かれたので、『陣ケ森から井内峠までです。』と答えると、

『もうそんな馬力はないな~』と年配の男性が笑って話してくれた。

幸い通行止めは上林トンネルから南にさらに2.2km先だった。トンネルを越えて少し

下った道の脇の広場に車を停めて支度をする。

車を停めた場所からは正面に電波塔のある陣ケ森が『早くおいでよ!』と手招きしていた。











身支度を済ませてトンネルに向かって歩いて行くと、トンネルの脇から東に向かって林道が

続いていた。入り口にチェーンの張られた林道を道なりに歩いて行くが、ここ最近歩いた

林道が台風の影響で荒れていたのに比べて、とても綺麗?で歩きやすい。この道は電波塔

まで続いているので、日ごろから管理が行き届いているのだろう。トンネルの脇から5分

ほどで上林峠の小さな道標があった。その道標に従って道の脇の法面を登って行く。











登山口からは直ぐに尾根に出た。左に上林峠、右に陣ケ森の道標。ここで奥様たちが、

『そうそう、ここ通ったわ!』と行っている。『??』『え!陣ケ森は登った事があるん?』

と聞くと。何かで私が休んでいる時に二人で皿ケ嶺に来たついでに陣ケ森まで歩いたそうだ。







それでも二人はさらに先まで今日は歩けるので楽しみにしていると言ってくれた。陣ケ森に

続く尾根道はきれいに笹が刈り払われて気持ちよく歩いて行ける。







比較的緩やかな登坂。道の南側は人工林、北側が自然林の道が続いて行く。











すると右手にフェンスの中に大きな電波塔が見えた。電波塔を回り込むようにして進むと、

道は二手に分かれていて、そのまま真直ぐ進んで行くと陣ケ森山頂に着いた。分岐から

山頂までは笹が少し茂っていて、雨か朝露か笹に付いた露で直ぐにズボンが濡れていく。

山頂には四等三角点 陣ケ森 1206.8m







陣ケ森からは一旦下ってアップダウンが続いて行く。途中のスズタケは背丈をゆうに超える

高さで、これが刈られていなければ橡尾山どころではないねと、奥様たちと話しながら歩いて行く。











ここから西の皿ケ嶺は松山の方には最も親しまれている山だが、その皿ケ嶺から続くこの道は

所々にある道標や、草刈りなどは誰が整備してるのだろう?(後でわかったがエントツ山

さんのHPには、この道は“さくら山行会”のメンバーが毎年整備していると書かれていた)







今まで全く見えなかった北側の景色が、所々で木々の間から覗ける。

1162mの標高点を過ぎ、更に歩いて行くと1253mの場所に前々司山の山名標が立っていた。

地形図では山名は載っていないが、YAMAPでは山頂ポイントとして山名が載っている。

奥様たち、今日一つ目の山頂ポイントゲット。陣ケ森も初めてだった私は二つ目の山頂ポイント。

ただこの前々司山はその前後の高低差もなく、道の脇に山名標が建っているだけなので、

山頂といった雰囲気は全くしない。













道は前々司山から少し下ってまた登り返しになる。ブナの大木や自然林の中のとても雰囲気の

いい道が続いて行く。この辺りになると道は少し刈った後から年数が経っているのか、少し

笹が道に被っていたが、それでも全然歩きやすい。整備されている人の熱意を感じる。














霞んではいるが遠くに燧灘に浮かんでいる島々が見える。大きく構えた山容は東三方ケ森から

東の山々だろうか。麓に見えるのは井内の棚田が見える。









登り返しの途中で振り返ると皿ケ嶺が見えた。麓の川内から見ると平らに見える皿ケ嶺も、

こちら側から見るとそうでもないな~。ここでも分岐から少し南に歩くとうなめご。














途中の道標に書かれてあった遅越三角点うなめご。ネットで調べてみると善神ケ森

奥全神山とも呼ばれていてややこしい。ただ一応東温アルプスガイドではうなめごになっている。

三等三角点 遅越 1284.08m







このうなめごから井内峠まではコースタイムで50分になっている。時間は10時30分。

そろそろお昼ご飯の場所が気になり始めたあっちゃんが『お昼は井内峠で?』と聞いてきた。

ただ地形図を見るとここからは下り坂になっているのに、峠まで意外と時間がかかるな~と

思っていたら、案の定かなりの急坂が待ち構えていた。










途中の倒木には今が最盛期のキノコが、うごめきそこら中に張り付いている。













途中からは東に眺望が開けているが、遠くに雲がかかっているのが石鎚山だろうか?

峠の雰囲気でもない場所にお地蔵さんが座っていた。このお地蔵さん、随分前には野地峰

お地蔵さんと同じように首無し地蔵だったのが、誰かが首を据えてくれたという。











急坂から井内峠までの間はとても歩きやすい緩やかな下り坂。尾根には町境の杭が続いている。

11時10分井内峠に着いた。ここから東には白猪峠への道がさらに続いている。
















お約束通りにお昼ご飯にする事に。あっちゃんが写真を撮ろうとしたので『ちょっと待って、

お腹をひっこめるから!』と言って撮ってもらう。秋になって初めてカップラーメンを持って

きたが、今日はまだまだ暑かった。あっちゃんからは柿、ルリちゃんからは上高地のお土産を

頂いておいしく食べる。まだ詳しく調べていないので漠然とだが、ここから白猪峠~石墨山

黒森峠~青滝山~堂ケ森~二ノ森、そして石鎚山へと道は続いている。剣山までの線が繋がった

あとは、また楽しみが増えた。





井内峠で30分ほど休んだ後、歩いてきた道を引き返して行く。尾根道はほとんどが広葉樹。

もう少し季節が進んだら、彩の中の素敵なプロムナードになりそうだ。











太い倒木を跨ぐといよいようなめご手前の急登になる。ご飯を食べて直ぐの急登はまた一段と

キツイ!ストックの長さを短くして、まだ湿った地面に足を取られないように注意深く登って行く。











ルリちゃんも『ご飯を食べた後だから・・・・・』と言いながらもグイグイと登っていっている。

途中で『やっぱりあれが石鎚山かな~』などと言いながら写真を撮るもんだから、どんどん

離されていく。最後の方にはロープがかかった場所もある。流石にこの急坂では危なくて

あまり笹も刈られていない。ただこんな急登では笹を握りながら登って行くので、逆に笹が

刈られていない方が都合がいい。さくら山行会の人たちに『元気坂』と呼ばれている急登を

何とか登りきる。














急登を登りきった後はまたアップダウンが続いて行く。時折尾根の北側には井内川に沿った

集落が見降ろせる。収穫を前にした田んぼの色付きが綺麗だ。途中に木の幹にびっしりと

張り付いたキノコの大群。ゾロゾロと幹の上へと登っていっているようにも見えるが、ここまで

密集していると、少し気持ちが悪い。あっちゃん、今夜のおかずにと持って帰ろうとしてるのかな?













遠くにツインドーム重信と10年前に閉館となった屋内スキー場のアクロス重信も見える。




尾根の南側に見える峰々は久万高原町辺りの山になるのだろうが、山座の同定は全く出来ない。

うなめごから前々司山と奥様たちは快調に飛ばして行く。この辺りは尾根の両側ともに自然林

の中の道。木々の間から射しこむ木漏れ日が気持ちいい。














前々司山を過ぎさらに歩いて行くと今度は松山市内が遠くに見えた。奥様たちに『あのビルが

並んだ奥に見える小高い山が松山城です!』と説明してあげるが、さすがに視力抜群の

ルリちゃんでもお城の形までは確認できないようだ。




陣ケ森まで何回か小さなピークを乗り越えていく。そしてのっぽのスズタケの中の道。







今日は花はほとんど見かけなかったが、とにかくキノコがそこらじゅうで目につく。

そして今日最後の陣ケ森への登坂。







陣ケ森の巨大な電波塔の横を通り抜けて、上林峠へと下って行く。この辺りになると右側は

自然林、左側はスギやヒノキの人工林になる。この間で笹に青いスプレーが吹かれているのが

目についたが、いったい何のしるしなのかな?














前を歩く二人のスピードが半端ない。猛スピードで歩きながらも何やら朝ドラの話をしている。

すると先頭のルリちゃんが何かに足を引っかけて転んでしまった。転んで直ぐに起き上がり、

『イテテ!』と言って起き上がりながら、間を開けずに直ぐに朝ドラの話を始めた。その

姿を後ろで見て『凄いな~~』と感心しながら大笑いする。

電波塔から25分ほどで、尾根の分岐に着いた。そして尾根から林道へと下り、上林トンネル

南側の車を停めた広場へとたどり着く。













付け焼刃のようにして慌てて計画した今日のコースだったが、眺望はほとんどなかったが、

地元の人が東温アルプスと呼ぶように、自然林の中の良い道だった。あまり下調べもせず

決めたので、家に帰って調べてみると、東温アルプスはおいわさんが名付けたそうだ。

おいわさんは20年以上も前からHPを開設していて、四国の山の草分け的存在。皿ケ嶺には

足繫く通っている方だ。おいわさんのHP(クリック)

また松山のショップのコンパスの告知で9月10日にさくら山行会の呼びかけで、今日歩いた

コースの草刈りが行われたようだ。松山市内からは気軽に行けて、花も多く自然豊かな

皿ケ嶺周辺の山々。何度訪れても飽きることのない、そして大切にされている山だった。

帰り道、県道から見えた皿ケ嶺はやっぱりお皿のように平らな山容をしていた。そして

その横には電波塔のある陣ケ森にも別れを告げて後にする。





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