KAZASHI TREKKING CLUB

四国の山を中心に毎週楽しく歩いています。

『線で繋ぐ石鎚山~剣山』 綱附森北~天狗峠

2022年08月11日 | 四国の山
先週の綱附森。笹の勢いが一番ある時期に歩いたせいか、足元の見えない笹道に

体力を消耗して、距離や標高差の割には疲労度“大”だった。帰宅後FBに写真をアップ

したら、流れ星さんから『ダニは大丈夫でしたか?』とコメントを頂いた。そういえば

昨年も岩黒山の笹海をよじ登った時も、帰ってからダニは?と気が付いた。笹の中を

この時期に歩くのに、少し不用意だったと反省。ダニは大丈夫だったが、駐車場で

アブの集中砲火を浴びて、帰宅後数日間は刺されたほっぺたのかゆみが取れなかった。

登山のルートや時間ばかりに気が入って、他にも色々とあるリスクに対して準備を

怠らないようにしなければと思ったばかりなのに、今週も・・・・・・?。


今日は先週歩いた綱附森の北、1552mのピークと天狗峠を繋ぐ計画。距離にして

2.7kmを繋ぐために、西山登山口から天狗峠まで登り、地蔵の頭を通って、一旦

下って、また折り返して天狗峠へと登らなければならない。笹は綱附森ほどではない

ようだが、地蔵の頭からの下りと登りが、さてさてどうなるか・・・・?


自宅を出て、貞光国道438号線を南下。いつもは見ノ越に向かって車を走らせるが

途中から菅生の標識に沿って小島峠へと向かう。途中で時間通行止めのヶ所があったが

幸い今日は解除されていた。菅生の標識を右折してから約1時間強で西山林道天狗塚

登山口に到着した。西山林道もコンクリートの継ぎ目に雑草が生え、途中落石があったりで

スピードが出せず、いやしの温泉郷からも意外と時間がかかった。

登山口には先行して一台の車が停まっていた。車を降りて準備をしていると、あっちゃん

ルリちゃんが反対の三嶺タクシー側から走って来た。


三人で準備をしていると県外ナンバーの車が一台やってきた。支度が終わり8時過ぎに

登山口の鉄製の階段を登って行く。登山口からしばらくは杉林の中の九十九折れの道。










右に左に折れながら登っているとそれ程には感じないが、実際横を見てみると結構な斜度だ。

相変わらず奥様たちはいいペースで登って行く。YAMAPのコースタイムでは第一ピーク

までが1時間10分になっているが、私の今までの記録では45分位でしたと言っているのに

一向に信じてもらえず、スマホを度々確認する奥様たち。










第一ピークが近づいてくると尾根の幅が広くなり、足元も柔らかい土で歩きやすくなる。

とうせんぼの木が目の前に現れると、第一ピークはすぐそこだ。








予想通り第一ピークには登山口から40分ほどで着いた。

『あら、ほんとだわ!』とあっちゃん。ここで水分補給と行動食を口にする。











第一ピークから少し下ると広い鞍部になる。ここからは稜線まで登り一辺倒。しばらくは

また九十九折れの道が続いて行く。木の根や石交じりの急登を登って行くと、足元に背の

低いミヤマクマザサが現れる。








しばらくすると樹林帯を抜けミヤマクマザサの中の掘れた道になる。振り返ると祖谷山系の

稜線が見えるが、少し雲がかかって霞んでいる。














横を見ると牛の背にも雲がかかっている。南側から雲が流れてきているように見える。

これだと天狗塚にもガスがかかっているだろうな~?







笹原の中にコメツツジが現れると稜線は近い。










登山口から約2時間で稜線に出た。前回WOC登山部で秋に来た時に稜線は霧氷で、寒さに

凍えながら笹の陰で風が当たらないように昼食を摂った分岐の広場に着いた。

広場からひょいっとコメツツジの間を南に抜けると稜線の小さなケルンのある広場。

その稜線に立った途端に南から冷たい風が吹きあがって来た。たっぷりと汗をかいた

身体はすぐに汗が冷えて、奥様たちが『寒い、寒い!』と声を上げる。記念撮影に

三脚を取り出そうすると『寒いから~』と奥様たちに言われて仕舞いこむ。










じっとしていられないので、三人で写真を撮る間もなく天狗峠へと歩いて行く。

天狗峠でルリちゃんが薄い上着を一枚取り出す。天狗峠は以前はイザリ峠と呼ばれていたが

不適切だと言う事で、平成11年からの国土地理院の地図では天狗峠となっている。
















四国で最も高位置にある天狗峠は,生活道よりも煙草や焼酎の闇ル-トとして,地元の

人々の記憶に残っている。天狗峠に立つ道標の綱附森と書かれた南に向かって灌木の中を

登って行くと地蔵の頭と書かれた道標のあるピークに立った。













地蔵の頭からは尾根を左に回り込むようにして下って行くと、ロープの掛った場所に出た。

途中からは四本近くロープがかかっているが、足元がぬかるんでいて滑りやすく、腕の力で

何とかずり落ちないようにして下って行く。











何十メートルあるだろうか、けっこう長く感じるロープ場のさらに先には、反対から

登ってくる人が地蔵の頭によく間違える偽ピークが見える。このピークに今度は岩場が

あるようだ。雲が次から次と流れて周りの景色を変えていく。







最初のロープ場が終わると尾根はテンニンソウの群生地になる。その群生地の先に

短いが二つ目のロープ場があり、ここには岩陰に小さなお花畑があった。


























地蔵の頭を下りきり次のピークに向かって歩いて行く。ピークを越えるとYAMAPで

よく見かけた岩場があった。ただ思ったより短い距離で、奥様たちも難なく下りて来た。










岩場を降りると痩せ尾根の白骨樹の横を抜ける。足元は笹に埋まっているが、先週の

綱附森では一歩一歩足を持ち上げないと前に進めなかったが、このミヤマクマザサは

背も低く、摺り足で歩いて行けるので随分と楽だ。









尾根は次第に広くなってきて、ブナやモミやトチの木の天然林の中の素敵な道が続いて行く。

















天狗峠から1時間20分で、堂床への分岐に着いた。コースタイムより少々遅れ気味。







分岐から前回折り返した1552mのピークまでは1km弱。そして折り返し地点で

前回はお昼ご飯にしたので、『今日も折り返し地点でお昼にしましょう!』と提案する。

距離からして12時前には付くだろうから丁度いい時間だろう。分岐からも

歩きやすい道が続いて行く。大きなキノコや広いヌタ場だろうか、池の様な水たまり、

そして時折姿を現す天狗塚を見ながら歩いて行く。













登山口から3時間50分で前回の折り返し地点に着いた。見覚えのあるモミの木の白骨樹の

横のモミの木の木陰で腰を降ろしてお昼ご飯にする。











お昼を食べ終えてお花摘みにあっちゃんが出かけた。その後1552mのピークから

天狗塚と牛の背の稜線を眺めて戻ってくる途中で『痛い!』とあっちゃんが叫んだ。

どうやら何かに太腿を刺されたようだが、払おうとした手も刺されたという。

刺されてしばらくは痛みが続いて様だが、痛みはまだ多少我慢すればいいけれど、

心配なのはアナフィラキシー。こんな山の中でアレルギー症状がでてしまったらと

考えると・・・・。自身は一度アナフィラキシーが出て、呼吸が苦しくなり、病院で

点滴を打った経験がある。ただその時は山の中ではなかったので、直ぐに車で病院に

連れて行ってもらえたので難を逃れることができた。




ピークから戻って折り返して歩いて行く。すると前を歩くあっちゃんがモゾモゾしている。

立ち止まって刺された太腿の辺りを触って見ると、『ズボンの中に何かいる!』と叫んだ。

ルリちゃんと二人で何やらゴゾゴゾ始めたらズボンとタイツの間からアブが出てきた。

犯人はこいつだった。そしてさっきのお花摘みの時にズボンの中に入ったようだ。私が

後ろに向いている間にルリちゃんが虫刺されの薬を塗って少し落ち着いた。










堂床の分岐から少し歩くと、いよいよ地蔵の頭への登り返しになる。

標高が上がってくると往路ではガスで見えなかった綱附森も見えてくる。東には

カヤハゲの左右に剣山と次郎笈が少しだけ頭を出している。










往路でルリちゃんがどんどん下って行きながら、『これまた登らんといかんのよね~』と

心配していた通り、登り返しの急登は続いて行く。息切れが酷い。








ニセ地蔵の頭の岩場を越えると、本物の地蔵の頭が目の前に姿を現した。奥様たちは

『ほらあそこにロープがあるのが見えるわ!』と言っているが、私には全く見えない。














右手に鹿避けのネットを見ながらテンニンソウの斜面を登ると、最後のロープ場。

足元はまだぬかるんでいるので、腕の力で登るしかない。左手に天狗塚が見えるが

その手前の斜面を見ると、やはりかなりの斜度なのが判る。ただ急な斜面は下るより

登る方が意外と簡単だ。ロープ場は思ったより短時間で登りきることができた。














ロープ場を登りきると木の枝に木の札が掛けられていたが、字が消えかかって見えない。

するとその木の札の後ろの岩の陰に小さなお地蔵さんが佇んでいた。

奉納地蔵と刻まれた無年紀の地蔵尊はが京柱峠の方角に向いて立っている。一説では

この地蔵尊は一揆の首謀者の一人ある円之助を供養するために立てられたといわれている。








地蔵の頭から天狗峠へと下って行く。天狗峠では往路では気づかなかったが、このところ

三嶺周辺で問題になっている落書きがここにも書いてあった。











天狗峠から稜線を歩き天狗塚への分岐まで戻ってくる。往路は寒さであまり余裕がなかったが

気温も上がり風も止んだのでゆっくりして三人で写真を撮ってみる。




朝は少し曇っていたが、北側には矢筈山・落合峠そして寒峰へと続く稜線が見える。

今日は登る余裕がないが、あっちゃんがとても気に入ったという天狗塚も、牛の背と

一緒に『またおいでよ!』と言っている。そしてここから見る地蔵の頭は、南側から

見る山容とは全く違う形に見える。










さぁ~それでは登山口へと降りて行こう。ミヤマクマザサとコメツツジノ間を歩いて行くと、

祖谷系の山々が目の前に広がっている。麓には落合集落がいつもと違う高さから見える。














正面に矢筈山。左手に見える牛の背もこれが最後の見納め。










モミやツガ、ダケカンバが混在する尾根の道を九十九折れに降りて行く。下りで膝が

心配だったあっちゃんが、『今日は痛み止めが効いているのか、スピードが

落ちずに降りられる』と、結構いい感じで下っている。











稜線から下り始めて40分弱で第一ピークを通過。思った以上に二人が早いので、付いて

行こうとスピードを上げて、濡れた岩に足を乗せてしまい滑って尻もちを付いた。










結局第一ピークからも30分ほどで登山口へと帰って来た。今日は岩場があるのが

分っていたので、グリップの効かないシリオPF302ではなく、以前に履いていた

PF46に履き替えてみた。ソールはすり減ってはいるが302よりも随分マシだった

ような気がする。比較的柔らかいソールの302より、少し硬めの46の方が長時間に

なると、足の裏の疲れ方も違うような気がした。いずれにしても靴紐をほどき熱を

帯びた足が解放される瞬間が好きだ。

今日は立ち寄れなかったが、あっちゃんがその形にとても気に入ったという天狗塚。

コメツツジが赤く染まる頃に天狗塚と牛の背の笹原を散歩に訪れてみたいと思う。











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