KAZASHI TREKKING CLUB

四国の山を中心に毎週楽しく歩いています。

WOC・登山部 2018.11.28 七宝山

2018年11月30日 | 香川の里山
今日のWOC・登山部は当初、今『天空の鳥居』で話題の『高屋神社本宮』から

『七宝山』を縦走して、『真平山』の北側の『加嶺峠』へと降りる予定でいましたが、

日を追うごとに天気予報の降水確率はどんどん上がってきて

どこの予報も雨マークとなってしまいました。午後から予定のある人や、

夕方からの松山での講演会に出かけるメンバーもいたので、縦走は取りやめ、

お昼くらいには下山できるピストンで七宝山を歩くことにしました。


集合場所は詫間町の旧マルナカの『ピカソ詫間店』

時間前ですが続々とメンバーが集まる中、先輩・お嬢様・あみちゃんがまだ着きません。

気になってお嬢様にLINEをすると『コンビニにトイレ行く』と返ってきました。

それでも時間を過ぎたので気を揉んでいると、『あみちゃん、ウンコ長い!』と、

またLINEがきました。

コンビニを先に出た先輩とお嬢様があみちゃんを待っていたらしいのですが、

それはウンコではなく、レジの対応が遅くて時間がかかったようです。


今日はいつものかしまし娘とお久しぶりのトッシー(最年少28歳)、そして登山部初参加の

やっさんが参加の総勢10名での登山部となりました。

ピカソ詫間店から高屋神社の下宮でメンバーの車を停め、ここからまずは高屋神社本宮へと

登って行きます。ここであっちゃんが合流となります。


身支度を整えていると車の中に置きぱなしにしていたあるものが目に付きました。

『そうや!これを返さんといかんのや!』と思って中腰で手に取った瞬間、

ピキッ!・・・・。またやってしまいました。

せっかく治りかけていた腰が!

それはあみちゃんが私の車の中に置き忘れて帰った靴下でした。



その靴下を袋に入れてあみちゃんに『これ!忘れ物』と手渡し、

本当はあみちゃんのせいでまた腰が壊れた!と言いたかったのですが、

先輩の情報によると、あみちゃんは元暴走族だというので、下手なことを言うと

ヤキを入れられたらいかんので、本人にはにこやかに手渡しました。(笑)

(面と向かっては言えないので皆さんがいる前で後で恐る恐る報告しました)


高屋神社下宮を8時10分のスタート。道の両側に綺麗な紅葉の中、本宮へと続く参道を

いつものようにおしゃべりをしながら歩いて行きます。







車が走れるコンクリート道を登って行くと、急に道幅が狭まり登山道らしい道になってきました。

道には落ち葉がたっぷりと降り積もっています。










綴れ折れの地道を登ると途中に高屋神社中宮の鳥居があります。山頂にあった社を

一時期中腹に祭り、その後また山頂へと社を戻したので、今は鳥居だけが残る

『中宮』となっているようです。




『中宮』からも急登は続きます。途中、丁石や案内看板を見ながら登って行くと

次第に標高も上がってきて、南に観音寺の街並みが見渡せるようになりますが、

如何せん今日は曇り空でせっかくの景色もぼやけて見えます。













綴れ折れの道が終わると傾斜も緩くなり、道の両側には羊歯が広がっています。




羊歯の道が終わると道には露岩が現れ、山頂が近づいてきたのが判ります。

東に向いた道からまた北に振ると、高屋神社の石段となります。










綺麗な石材で出来た石段と違って、ごつごつとした自然石のままの歴史を感じる石段です。

その為あちこちで石がぐらつき踏み外しそうになります。全部で270段あると言われる石段を

この季節には珍しく汗を掻きながら登りきると、高屋神社本宮です。







先ずはマラソンランナーの先輩とあみちゃんが先頭で着き、後続が続きます。

あっちゃんとルリちゃんもゴール!

最後部は麺法師さんとお嬢様です。







神社の境内の東屋で今日は別行動のIRIBITOさんと待ち合わせです。

IRIBITOさんの到着を待つ間、珍しくスタートから1時間ほどで『おやつタイム』です。




東屋からは讃岐七富士の内の一つの『江甫山(つくもやま)』が霞んで見えます。




しばらくするとIRIBITOさんがギタリストのペータさんとカワチンさんと一緒に

駐車場から歩いて到着しました。早速コーヒータイムが始まりました。




今日はあっちゃんがコーヒーを淹れてくれています。

その横でお嬢様が『あ~や、こうや!』とまるで姑のように口を挟んでいます。







おやつを食べながらおおよそ1時間近くの休憩でした。

最後に全員で鳥居の前で記念撮影です。ペータさんとカワチンさんともここでお別れです。










IRIBITOさんとお別れして神社の横を通り七宝山へと向かいます。

最初はこんな坂道車が登って来れるんやろか?と思うくらいの急な坂を下って行きます。




途中で展望台の標識に従って道から脇にそれると、岩場から仁尾の海が見下ろせますが、

今日のこの曇り空では薄っすらとしか見渡せません。いつものように高いところ大好きの

あっちゃんが先端に立って下を見下ろしています。(でも、あっちゃんは高いところは大丈夫なのに、

不思議とジェットコースターは怖くて乗れないそうです。逆に高い所が苦手なお嬢様は

ジェットコースターが大好きだと言います。判らんもんです?)










コンクリート道から舗装路を尾根伝いに歩いて行きます。

道の両側はそれはそれは見事な錦秋です!

遠くに出かけなくても里山でも秋を存分に堪能できます。














途中であみちゃんに恐る恐るギックリ腰なったんはアミちゃんの靴下を取ろうとしてと伝えると、

あみちゃん  :  『物を取るときは真直ぐに膝を曲げながら腰を降ろして』とゼスチャーをしながら

          普段の仕事柄、アドバイスをしてくれています。

私      :  『ん~、こんな腰ではあみちゃんの仕事は絶対に無理や!』

          『それとこれくらいの筋肉がないと!』とふっくらとしたアミちゃんに言うとその横で

先輩     :  『筋肉と脂肪やろ!』と。せっかく遠慮して筋肉やって言ったのに先輩!


途中で不動の滝方面と七宝山方面との三差路から左に曲がって山道に入って行きます。

小さなピークで少し道が判りにくくなっていたので、しばらく後続を待つことのしたのですが

いくら待っても登ってきません。仕方がないので一人元の分岐まで戻ってみても

姿が見えません。ここでお嬢様に電話を入れると『どんどん下っている!』と

返事が返ってきました。『道を間違っているので戻って来て!』と伝えた後、

心配したやっさんも降りてきて様子を見に行ってくれると、しばらくして

四人の姿が見えました。




メンバーが揃ったところで縦走の開始です。小ピークからすこし歩くと『一等三角点 高野山』です。

道標には『上之山』と書かれていますが、ここで麺法師さんが恒例のバンザイ!

その横でなぜか、先生に叱られ廊下に立たされて、しょんぼりしているみたいに見えるあみちゃん。







ここからは小さなアップダウンを繰り返しながら歩いて行きます。

ひとまず七宝トンネルの上の445mのピークまで。

この縦走路は適度なアップダウンで自然林の中を快適に歩いて行けます。

それぞれがおしゃべりしながら歩いて行きます。










445mのピークも少し広場になっています。







そこからさらに北に進むとトラロープの張られた急な下り坂。

『え~ここを帰りには登るん?』と後ろから声が聞こえてきます。




道は木々の間を縫うように続いています。

落ち葉の上を歩くとサクサクと小気味のいい音が聞こえてきます。













今日は『志保山』の手前の433mのパラグライダー場を

最終の折り返し地点としました。予想通りいつもは眼下に見える景色が霞んでいます。

記念にトッシーがジャンプした写真を撮ったのですが、アングルが悪く空を飛んでいるようには

撮れずに、ただのジャンプした写真になりました。










さぁ~一息入れた後は、また高屋神社まで戻りましょう。




途中からは尾根道を外して車道を歩いて行きます。

ここからの道も度々立ち止まるくらいの紅葉ロード。










高屋神社の歩きにくい石段を降りると後は下るだけ。










最後の綴れ折れの急坂もラストスパートです。





スピードアップのお陰で、何とかお昼過ぎに雨に降られることもなく駐車場まで戻ることができました。











駐車場で取りあえず解散です。かしまし娘と松山組はこの後、詫間町の山岡でお昼。

先輩とお嬢様が美味しそうに生ビールを飲む横で、運転手のあみちゃんが恨めしそうにしています。

(よくよく見ると生大じゃないですか!)

私はと言えば、歩いていた時はなんでもなかったのに、山から下りた途端にギックリ腰が・・・・悪化!

そのままメンバーと分かれて接骨院に直行となりました。




来週はWOCで初めての四万十川カヌーツアーが開催されます。

それまでこのガラスの腰を何とかしないとと・・・・気ばかり焦ります。

弘法大師が七つの宝を埋めたと云われる『七宝山』の秋を満喫できた一日でした。

WOC.登山部 2018.11.21 小豆島山岳霊場

2018年11月22日 | 香川の里山
今日のWOCは登山部・植物部・自転車部・自主トレにそれぞれ分かれての活動になりました。

植物部は高知の別府峡、自転車部はしまなみ海道、自主トレは飯野山、

そして登山部?はここの所恒例の秋の小豆島を歩きました。昨年の秋も小豆島の里山や

霊場巡りを数回に分けて出かけたので、今年も小豆島の秋を楽しもうと

麺法師さんが企画してくれました。

参加者はルリちゃんお嬢様と私。一応登山部ですから

霊場の中でも山岳霊場と呼ばれる山間部にある札所を廻ります。

案内では島での車の運転はじゃんけんで決めるとのことです。


朝起きて支度をしている途中で、中腰でくしゃみをすると、

ピキッ!と・・・・・やばいやばい

もう少しでギックリ」腰になりかけました。それでも一歩手前のプチギックリになりました。

腰に爆弾を抱えながら高松駅に着き、メンバーと待ち合わせてコンビニで買い物を。

運転手はじゃんけんで決めることになっていたのですが、運転してハンドルを握っていた方が

楽なので、私が今日は運転をすることを伝えると、さっそくお嬢様が

ビールを買って店を出てきました。

(こやつ朝から・・・・ビール?・・・・人の気も知らんと! (; ・`д・´) )



8時過ぎのフェリーに乗り込み、船内で今日のスケジュールの打ち合わせをしました。

お嬢様は嬉しそうな顔をしてぐびぐびと飲んでます。

麺法師さんはまず山岳霊場でまだ行っていない霊場へ行きたいと。

お嬢様は島の素麺と醤油でほぼ観光です。

私と言えば更にミーハーな、今小豆島で旬のオリーブ公園で、魔女の宅急便の

写真を撮りたいと、言う事でそれぞれの希望の場所をピックアップして廻ることになりました。

空は薄曇り。甲板では冷たい風が吹いていました。







港に着き土庄でレンタカーを借りてスタートです。

まずは麺法師さんの希望した、まだ未訪問の山岳霊場へ向かいます。最初は『44番 湯船山蓮華寺』

この霊場は『中山の千枚田』の最上部にあり、境内にあるさぬきの名水のひとつの『湯船の名水』から

湧き出る水で棚田を潤していると言われている霊場です。

中山地区の集落の中を車を走らせ、少し路肩の広くなった

場所に路上駐車をして、里道を歩いて行きます。










本堂の脇には樹高22mのクスノキの大木と、今は枯死した大杉が並んでいました。

太く逞しい枝を大きく広げた生命力のみなぎるクスノキの横で、樹齢400年ともいわれる大杉が

枝葉を付けることもなく立ち枯れている姿は、何とも言えずもの悲しさを感じずにはいられません。







本堂でお参りを済ませて車を停めた集落までのんびりと歩きます。麓には稲刈りの終わった

棚田が広がっています。集落の横に珍しい色をした彼岸花。赤や白の花は普段見かけますが

初めて目にする色の彼岸花です。










集落からさらに上に車を走らせ次は『47番 栂尾山(とがのおさん)』へ。案内板に従って

行くと集落の道から左に急な坂を下って霊場前の広場に車を停めました。

栂尾山は山岳霊場らしい洞窟の中がお堂になった霊場でした。










本堂の前には見晴らし台が作られていて、『肥土山集落』が見下ろせ、山と山の間からは

遠く瀬戸内の海まで見渡せます。




栂尾山から広場までのウバメカシのトンネルの下を戻っていると、後ろから

『次の毘沙門堂はまだ向こうじゃない?』とルリちゃんとお嬢様が騒いでいます。




どうやら先ほどの栂尾山に案内の標識があったようです。

また道を戻って本堂から先に進むと手摺の設けられた

急な下り坂が続いています。急坂を下り切った場所に『47番 毘沙門堂』の立派な本堂が

静かな谷あいの中に佇んでいました。




ここでは簡単にお参りを済ませて、先ほどの急な坂を登って行きます。なかなかの傾斜の登りに

少し汗を掻き始め上着を一枚脱いで登って行きます。




これで『湯船山・栂尾山・毘沙門堂』の参拝が終わり、

麺法師さんが山岳霊場14霊場を全て廻ったことになります。

栂尾山の駐車場から一旦中山の集落まで降り、

直ぐ近くにあった『43番 湯船山浄土寺』にも参拝してみます。




本堂の横には寺院では珍しい茅葺の屋根の書院があります。

土塀越しには里の秋の風景が広がっていました。










ひとまず霊場巡りを終えて、次は麺法師さんお勧めの『小豆島大観音』へ行ってみます。

土庄から県道26号を北に走ると否が応でも目に飛び込んでくる、巨大な観音像です。




一階のホールから最上階の展望台までの間はエレベーターと螺旋階段であがれるようになっていて

その螺旋階段にも隙間なく『胎内仏』が設置されていました。

その胎内仏には寄贈した人の名前が刻まれています。

ここでメンバー全員で

『この胎内仏を寄贈するのにいったいいくらするんやろね~』

『全部で何体あるんやろね~』

と下世話な話をしながら神聖な観音像の中を廻って行きます。




最上階の展望台からは丸窓の先に、麓の風景や瀬戸内の風景が広がっていました。




参拝を終えて麺法師さんが受付の女性に、先ほどの疑問点を聞いてくれました。

『胎内仏は12,000体あるんやって!』

『寄贈するのに1体110,000円かかるんやって!』と質問を終えた麺法師さんが教えてくれました。

観音像から駐車場に戻る途中で、12,000体×110,000円の暗算が誰もできません。



大観音を後にして次はお嬢様ご所望の『生素麺のなかぶ庵』へと車を走らせます。

以前に食べてとても美味しかったと絶賛するお嬢様のお言葉に従って、

草壁から福田へ向かう途中の安田で

狭い路地の中を入って行きます。『なかぶ庵』では硝子越しに作業場の様子を見ながら

麺法師さんと私はをルリちゃんとお嬢様はを注文。

『KAZASHIさんは、私より小食やのに大注文して大丈夫?』とお嬢様が言っていますが、

喉越しのいい素麺はいくらでもお腹の中に納まって行きます。










柔らかい乾麺の素麺と比べると、少しコシ?のある独特の食感の生素麺でした。

家族の機嫌取りの為にお土産も購入。さすがに大でお腹は満腹して次は直ぐ近くにある

『ヤマロク醤油』へと向かいます。



ヤマロク醤油では背丈の倍以上はありそうな大きな三十二石(6000リットル)大杉のもろみ樽を

今でも使って製造している数少ない醤油屋です。蔵に入る前には衣服の埃を綺麗に落としてから

中に案内してくれました。国の『登録有形文化財』のもろみ蔵に入ると

薄暗い蔵の中から独特のもろみの匂いが鼻をつきます。







樽を使い始めて150年以上経つ言われ、蔵の中の土壁や柱や梁そして大樽にも

びっしりと様々な菌が漂着し、この蔵の歴史の長さを感じます。








ヤマロク醤油の後は私のリクエストで昨年も参拝した『18番 石門洞』へ!。

寒霞渓道路の途中から急なコンクリート道を登って行くと

渓谷の中に駐車場があり、そこからは『裏八景』

続く道を車から降りて歩いて行きます。




最初に目に飛び込んでくるのは『法螺貝岩』そしてその右奥には『二見岩』

奇岩が続いています。色鮮やかなモミジの背景として最高のビューポイントです。




石門洞へと続く道は今年最高のモミジのオンパレードです。お陰で急な上り坂も苦になりません。







石門洞の手前では高い位置に『幟岳』が見えてきました。




谷あいにひっそり佇む石門洞の周辺は、谷一面が 秋・秋・秋!







昨年同じくらいの時期に見た時より、より一層モミジの色づきが派手なような気がします。

石門の奥まで登ると、岩に掛かったアーチの手前も奥もモミジで染まっています。











大きな岩をくり抜いたように建てられた石門洞。お堂の橋桁の朱色と紅葉の彩もマッチしています。

本堂の窓から手を振る麺法師さん・ルリちゃん・お嬢様!








石門洞で今年最後の紅葉を満喫した後は、さらに寒霞渓道路をすすんで『20番 仏ケ滝』そして

『14番 清滝山』に参拝します。

仏ケ滝の本堂の洞窟は低く横に広がった空間にほんのりと明かりが灯っています。




次の清滝山では本堂をお参りした後、横の行場の鎖を登ってみました。










鎖を登り切り振り返ると先ほどの石門と同じように、少し小さめですが空洞が!

その奥にも一本のモミジの木。




南側には曇り空の下少し陽が落ち始めた島と瀬戸内の風景が広がっています。








次は寒霞渓道路を寒霞渓目指して道の両側に続く紅葉の中を車を走らせます。

寒霞渓は駐車場も満車に近く、レストハウスやお土産屋では観光客で賑わっています。




展望台で4人で自撮り!写った写真を見てお嬢様が

お嬢様  :  『ほらな、KAZASHIさんは皺だらけやから老けて見えるわ』

お嬢様  :  『ほんま同い年には見えんわ!』

と皺のない自分の顔と比べて自慢しています。

執事   :  『ほっとけ!男は背中と皺で人生を語るんや!』とうそぶきます。





賑わう寒霞渓を後に紅葉の海の中を銚子渓へと走り『72番奥の院 笠ケ滝』に。








この霊場は山の会で『皇踏山』に登った時に立ち寄ったのを、駐車場に着く手前で思い出しました。

本堂へ続く岩に掛けられた鎖場の手前には進入禁止のロープが掛けられ、

暗くなると危険なので拝観時間は午後2時までと記せられていました。

好奇心旺盛なメンバーはその注意書きを無視して取りあえず登ってみることに。

登りながら『自分たちは登山部やから大丈夫』などと言っていたのですが、

一つ目の鎖を登り二つ目の鎖の手前で今度は『監視カメラ有』の

立て札が掛けられているではないですか!さすがにこれにはビビッて一目散に退散です。







麺法師さんと二人で急いで降りたのに、後ろから来る二人はのんびりと降りてきます。

さすがおばちゃんは肝が据わっています。と思ったのですが足元が不安定な場所が

まだまだお嬢様は苦手の様です。





笠ケ滝を後に今度は麺法師さんが『宝生院のシンパク』を見に行こうと言います。

麺法師さんによると宝生院の真柏(しんぱく)はそれはそれは

立派な木だそうで見ごたえがあると教えてくれました。

駐車場で車から降りるとお嬢様が目の前に見えたこの松の木を見て

『これがシンパク?しょぼい!』と

お嬢様、なんぼ何でもこんな盆栽みたいな松の木をすごいだなんて麺法師さんは言いません!







『お嬢様。その右側にある大きなきがシンパクですよ!』

案内板には樹齢1600年と掛かれていて一同『すごいね~』と感心。

石垣の上に鎮座するシンパクの大木は、まるで空に広がる入道雲の様です。




根元にはぐるっと回れる木道が設けられ、複雑な形をした根元も見て回れます。

日本一ともいわれるこのシンパクの16m近くもある根元をゆっくりと歩いているとお嬢様が、

『この木の樹齢は何年くらいなんかな?』と聞いてきます。

さっきからみんなで『1600年も生きてるなんて、すごいね!』と

言っていたばかりなのに、まったく人の話を聞いていません!







木の下にいるお嬢様と比べるとその大きさが分かります。




宝生院を後にしたメンバーは『井上誠耕園』の新しいお店で休憩です。

ベーカリーコーナーでお嬢様がメニューを見ながらソフトクリームを注文しています。

お嬢様 : 『以前に食べたのと別のこれにします!』

執事  : 『そしたら僕はお嬢様とは別のにしようかな?』

と迷っていると、お店の女の子がお嬢様が注文したメニューのソフトクリームを指さし

『わたしもこれが一番好きです!』と。それを聞いて直ぐに

執事  : 『じゃ僕も同じもんでいいです!』と即決。

それを聞いたお嬢様が女の子に

お嬢様 :  『この人のソフトに毒入れといて! (; ・`д・´) 』と隣で毒づいています。




井上誠耕園を後に最後は私のリクエストの『オリーブ公園』で例の写真を撮りに出かけます。

朝に発症したプチギックリ腰が気になるところですが、『魔女の宅急便』に挑戦した写真がこれです。







ルリちゃんもお嬢様も意外と高く飛んでいるように見えます。








照れてか写真を撮らなかった麺法師さんも最後はオブジェの前で記念撮影です。





レンタカーを8時間の約束で借り、ちょうどその時間に土庄に到着しました。

朝から山岳霊場や観光地そして島の食べ物も満喫して、十分に楽しめた小豆島の一日でした。

帰りのフェリーの中ではコンビニで買ったビールで宴会が始まり、少しほろ酔い気分で

話が弾みました。




そしてさらに高松に着いた後は生のギネスビールが飲める『The Craic』さんで三次会です。

美味しいビールと料理を飲み食いしながら、今日の話に花が咲きます。







今日は登山部と言っても山には登らなかった割には、車で移動しながらも結構な距離を歩きました。

山だけに拘らず何にでも興味がある場所に出かけて楽しむWOCの真骨頂の秋の小豆島でした。

WOC.登山部 2018.11.14 天狗塚

2018年11月15日 | 四国の山
先週の『三嶺』から見た『天狗塚』に続く稜線。

その反対側に見えた『剣山』からの稜線と共に、四国の山の縦走路としては

人気の高いコース。但し『剣山』から『三嶺』は日帰り登山は難しく、『天狗塚』までなら以前にも

歩いたことがあるので、いつかこのWOCのメンバーで歩いてみたいと思いを巡らせました。

恐らくWOCのメンバーだと7~8時間近くはかかるこのコース、来春以降で陽が長くなっての

チャレンジになると思い、今日は対岸?の天狗塚を下見に出かけました。

まずは登山口までのアクセスと、長時間歩いて下山時に使うとしたら、三嶺と比べて

どちらが楽かを比較するための下見です。


日曜までの比較的暖かい日中から、月曜日辺りから急に冷え込みはじめ、

ひょっとすると今日は霧氷がみられるかも?と

期待しながら出かけてきました。

大歩危のモンベルの横が、二週間前にWOC植物部が通った時にローソンの開店準備をしていた

というので、取りあえず昼食を買っていなかったメンバーもいるので立ち寄ることに。

しかし着いてみるとまだオープンしていなくて、急遽手前にあるローカルコンビニの

『ユートピアふみや』まで戻りお弁当を購入し、また国道32号線を引き返しました。

大歩危駅から県道45号線を東に走り次に県道32号線、そして最後に国道439号線を

祖谷渓谷の今年最後の紅葉を眺めながら、3時間ほどで西山登山口に着きました。

(途中のロスがなければ、2時間30分の往路です)

登山口にはすでに二台の車が停まっていました。




車から降りるとメンバー全員が『寒い~!』と声をあげました。

やはり山の気温は温暖な香川の平野部とは違っています。先週の三嶺ではスタート時には青空の下

上着を一枚脱いで歩き始めたのですが、今日はそのまま上着を着てのスタートです。




曇天の中を杉林の急坂が始まります。息は上がってきますが気温と風のせいか

さほど汗も出ずに、なかなか体が温まってきません。










しばらく歩くと東側にまるでカッコを書いたような境界線でしょうか?

植林の間に綺麗に広葉樹が植えられた斜面が見えます。

その山裾はまだ色づきを残した斜面が広がっています。










杉林から道の右側が落葉樹の尾根道が続きます。足元には落ち葉がたっぷり積りまだ濡れた土に

足を滑らせます。帰りの下りは要注意です。




途中では東の尾根の頭に白く付いた霧氷が目に飛び込んできました。

その上の白い曇り空と相まって、より一層寒さを誘います。




正面に大きな『とうせんぼの木』が。その横を回り込みしばらく歩くと

45分ほどで1476mのピークに着きました。ここでも先週三嶺で見た立派な道標が

立てられています。ここまでで天狗塚までの約3分の1になるようです。

後続とは少し離れていますが、立ち止まると体が冷えるので更に進んでいきます。










1476mのピークから少し下り、さらに登りまた一旦下がると広い鞍部に着きます。

ここから『天狗峠』までは登り一辺倒になります。

すでに周りに杉林はなく自然林が広がっています。足元には小さな低い笹が目につき始めます。










笹の背が高くなり始め木々もまばらになってくると、森林限界が近づいてきたのを感じます。

樹林帯の中から飛び出し、周りはガスに囲まれた白い世界へと変わって行きます。














晴れていればそろそろ右に天狗塚の頭とそこから続く『牛の背』の大きな背中が

見え始めるのですが、今日は遠望は全く望めません。








笹にはぴっしりと霜が付き、周りも霧氷の白い衣を羽織った木々が目につき始めます。










枝の形によっては白いサンゴ礁のようにも見えます。




笹の間を深くえぐられたような水筋の付いた急坂を登ると、道はなだらかになります。

白い霧はさらに面積を広げ、少し離れただけで先を行くセニョさんの姿も消えそうになります。










笹原にコメツツジに付いた霧氷が広がり始めると

『三嶺』と『天狗塚』との三差路となる『天狗峠』に着きました。

冷蔵庫の中のような貼りついた霧氷に道標も氷菓子みたいに凍っているように見えます。










その上のケルン広場のケルンも凍り付いています。ここから少し東に歩いて

三嶺への稜線を確認しようと思ったのですが、今日はそんな気にもなりません。




ここでも後続を待つ余裕もなく、直ぐに天狗塚へと歩いて行きます。

晴天ならここから次第に近づいてくる天狗塚を眺めながらの稜線歩きが

今回のコースの一番の見所ですが残念です。





天狗塚の山頂直下に取り付いて初めてその姿が薄っすらと見え始めました。

気温もさることながら吹き上げてくる風が、さらに体感温度を下げていきます。







登山口から2時間丁度でセニョさんと二人が山頂に着きました。

まるで春先の瀬戸内の濃霧のような中の山頂です。

山頂札が足元に落ちていて、何とも言えずに寂しさを感じさせます。





風の吹く山頂はじっとしているのもつらいので、ザックを置いて少し下り

登山道を眺めていると、しばらくして後続が登ってきました。

フードを被って歩いて来る麺法師さんの姿が、とても寒々として見えます。










最後にIRIBITOさんとお嬢様が到着。寒さでIRIBITOさんの頬が赤くなっています。

ここでは長居は無用。さっさと記念撮影をして下山路で昼食出来る場所を探します。




カメラを操作するために手袋を脱いでしまったため、その後手袋を付けても

薄い手袋では指先がジンジンして痛みます。車の中にニット帽子も置いてきたのも後悔です。

これからの季節は何事も準備が大事を思い知らされました。







山頂から鞍部に降りる途中で、少し薄っすらと下の景色が見え始めました。

北側からの強い風でガスが流れてきているようです。







しばらくするとさらにガスが流れ『何と青空が!』広がってきました。

前を黙々と歩くセニョさんと麺法師さんに『ほら!見てみて!』と声をかけます。

後ろから下りてくるメンバーからも一斉に歓声が上がっています。




今までの寒さと真っ白な世界での苦行が、一瞬で報われた瞬間です。

名前の通りの『牛の背』の大きな背中も天狗さんの姿もクリアに見えます。











麓の祖谷の集落まで見渡せ、今から戻る天狗峠もやっと見ることができました。











鞍部から少し欲を出して牛の背へ進んでみますが、やはり吹き上げてくる風が強く断念。

天狗峠への道を戻って行きます。







天狗峠への尾根を登り始めると、峠から『西熊山』へと続く稜線も姿を現しました。







振り返ると先ほどまでは全く見えなかった天狗塚も、そして牛の背も見えます。

本当なら青空の下で見たかった景色ですが贅沢は言えません、わずかな間ですが

見られただけでもOKとします。













しかし楽しい時間もすぐにガスがかかり始め、次第に天狗塚の姿も薄くなり始めました。







後ろから歩いてくる麺法師さんが『腹がへった』と叫んでいます。

取りあえず天狗峠の道標の前で、笹とコメツツジに隠れながらお昼にしました。

腰を降ろすと風の当たり方が少しは違うのですが、それでも気温のせいかいつも以上に

お湯を沸かすのに時間がかかりました。


今日はお昼休みも最短バージョン。写真を撮る間もなくお腹を満たした後は直ぐに下山開始です。

もうすでに周りはガスの中。登って来た時と同じように白い世界になってきました。







それでも登山道の尾根の向こうにはまだ集落が見えています。








ここからは一目散に登山口を目指します。笹原の風の吹く中から樹林帯に入ると

次第に体感温度も変わってきました。気温自体はさほど変わらないはずですから、

やはり風がの強さが何といっても寒さを感じる差になるようです。








寒さが和らいだ途端に周りの景色にも目が行くようになってきました。

降り積もった落ち葉や、よく立ってられるなと思うような大きな空洞の開いた大木。

そしてアスレチック広場のように見える苔の生えた倒木。














ほとんど休憩することもなく歩き続けて、最後の急坂を下りると

天狗峠から1時間10分ほどで登山口に着きました。







後ろのメンバーもさほど時間も変わらず降りてきました。

今日は珍しく一度も登場しなかったお嬢様も一人で元気に降りてきました。

先週の三嶺といい今日のコースと言い、お嬢様も独り立ちしたようで

そろそろ執事もお役御免です。(それはそれでネタがなくなるのですが・・・・)





最後はいつも締めで、IRIBITOさんの珈琲で体を温めます。

(いつもいつも美味しい珈琲をありがとうございます!)

今回は初挑戦のルリちゃんがそれぞれのカップにお湯を注いでくれました。







帰りは西山林道をいやしの温泉郷まで下り、祖谷渓谷に続く道を走り帰路に着きました。

山はもう冬支度。それだけに天気予報だけを当てにせず、しっかりと服装も準備して望まなければと

反省した一日でした。来週は植物部と二手に分かれて小豆島を散策します。

WOC・登山部 2018.11.07三嶺

2018年11月08日 | 四国の山
WOC・登山部で9月の中旬に、今日までの毎週の山行の計画を立て

今日が8回目の登山。その計画の最後の山が『三嶺』となりました。

計画を立てるにあたり一番最初に決めたのが今日の三嶺です。

メンバーの大多数が三嶺に登りたい!という意見が多く、私もやはり一番好きな山なので

他の山々の紅葉を見納めた後、なんとか『コメツツジの紅葉』が間に合うかと

思って企画しました。

回数としては二日酔いとギックリ腰の後のリハビリ登山でいつも登っている

『剣山』が20回以上になるのですが、この三嶺も

今日で17回目になります。個人的には日本一の山とか百名山とかの数字には

全く興味がなく、気に入った山には何度も登っているので他の人と比べて

登っている山の数は少ないのですが、山への想いはそれぞれ違っていていいのです。

でも今日の三嶺は誰と登っても、誰もが絶対に満足してもらえる山です。


先週の小豆島からの帰りのフェリーの中で見た天気予報は、降水確率50%。

それを雑談の中で話をしていると横にいたコアラさんが、

『私が晴れ男やから、来週欠席になるから雨が降るわ・・・!』と一言。

ヌ・ヌ・ヌ~!そうでなくても最近天気予報に気を揉んでいるのに。と思っていたら、

週末には30%に回復しました。それでも油断できないので、代替の山を検討しながら

週が明けると10%に!と言う事で『決行します』と皆さんに案内しました。


やはり今日は予想通りの人気で総勢13名の山行となりました。

メンバーは『セニョさん・麺法師さん・山さん・IRIBITOさん』そして『お嬢様』

前回呼び名を付けたものの、判りづらいので単純に今回改名した『あっちゃん・ルリちゃん』

そしてケガから復帰した『キョウちゃん』と久しぶりの参加の『としちゃん』

初めて県外の山歩きに参加する『タマちゃん』

さらに前々からまた三嶺に登りたいと言っていた『波平さん・わかめちゃん(改名)』です。

オーバー50のメンバーにちゃん付けするのも・・・・・・・?ですが、気持ちは皆さん山ガールです。

(こんな事を書くと、次回顔を合わせた時の視線が怖いですが!)



メンバーが丸亀を出発した後、私は貞光の道の駅でピックアップしてもらいます。

道の駅の駐車場でメンバーが来る間、車の後部座席を覗き込むと

シートの下に何やらくたびれた靴下が出てきました。

最近、後部座席に他人を乗せたのは平家平に登った時の先輩とアミちゃんだけです!

その帰り道の車中で先輩は、たしか靴を脱いで座席の上で

体育座りをしながらビールを飲んでいたような?

その靴下を写真に撮りメッセージで先輩に送ると

どうも自分の靴下かどうか自信がないという返事が返ってきました。



アミちゃんに聞いてみると『絶対、先輩のやろ!』と言われたそうです。

さらに『匂いそうなので・・・・!』と送ると『洗って帰してくれたらいい!』と何とも先輩らしい返事が。

朝からすでに呑んでるのか先輩!



一字から県道261号線を『小島峠』経由で名頃に向かいました。

その途中で山さんが『コトリ峠から菅生へ降りるんやな~』 と

一同 『?・?・? ( ゚Д゚)  』『山さん、コトリじゃなくておしま峠ですよ!』

(老眼で小さな文字が見えなかったと言い訳しています - 笑 - )

道が最終集落を過ぎ綴れ折れに高度を上げていくと、

道の北側には『津志嶽』の紅葉に彩られた山肌に朝陽が当たって輝いています!







名頃に着くころには頭上は雲一つない青空が広がっていました。期待感に胸が膨らみます。

仲良く並んだ案山子を横目に9時06分、駐車場をスタートしました。










最初は樹林帯の中を登り、しばらくして鉄塔広場に出ると足元に名頃の発電所が見えます。

そこからは段々と急登になり、次第にメンバーの間隔も開いてきます。













当初から今日は『うさぎさんチームと亀さんチーム』に分かれるだろうと予想していたのですが、

前回のチチ山登山の時のように、『蟻さんチーム』の3つに分かれそうです。










急登が少し落ち着くと1142mの三角点のある、落ち葉の積もった広い尾根になります。

サクサクと落ち葉を踏む乾いた音に、山が冬支度に入っているのを感じます。










その森の中を通り抜けると、林道との出合いに出ました。

以前は林道を車で入ってこれた頃には、上の登山口となっていた場所です。

ここで亀さんチームは紅葉を眺め、水分補給の休憩をしながら後続を待ちます。







ペースが遅いのでと、波平さんとワカメちゃんが先にスタートします。

今日は波平さんがワカメちゃんの執事です。




後続が到着したあと林道横の階段から登り始めます。




ほとんどの木が葉を落とし始めていますが、まだ綺麗な色を残してくれている木もチラホラ。

先ほどまでの広い尾根から幅の狭い支尾根を登って行きます。

後ろからとしちゃんが写真を撮ったり足元の落ち葉を拾ったりしながら歩いてきます。










この辺りから可哀そうに鹿害にあった木々が目立ち始めます。




葉の散った木々の下は明るく、やわらかい日差しが差し込んできます。

そんな自然林の中をとしちゃんは、マイペースでのんびりと楽しんでいます。










相変わらず木肌を食べられ痛々し気な木が目につきます。

後ろからは最後尾をIRIBITOさんが蟻さんチームをフォローしながら登ってきます。













メンバーがそろっているのを確認して、ここから独り少しペースを上げて歩いて行きます。

しばらく歩くと鹿避けネットが道の両側に設けられた場所になり、

さらに進むと『ダケモミの丘』に着きました。







以前の林道登山口への道は通行止めになっていました。最後に歩いた時も

一ヵ所かなり崩れた場所があったので、そこの被害が大きくなったのかもしれません。





ここでしばらく蟻さんチームを待つことにしました。常緑針葉樹のダケモミの森は

先ほどと打って変わって日差しが余り届かず、汗を掻いた身体が肌寒くなってきました。

蟻さんチームが到着するのを見届けて、先に前を歩きます。

後ろではIRIBITOさんがタマちゃんにザックの担ぎ方などのレクチャーをしています。

IRIBITOさん  『ゆるゆるやからショルダーストラップを締めて!』

        『チェストストラップ(胸のストラップ)も締めたら楽にあるんや!』

と言うと

タマちゃん   『胸が大きいから締まらんのや!』


『お嬢さんと一緒でないから、今日のブログのネタに困るやろ!』と

IRIBITOさんに先ほど言われたのですが、

やはりいつも執事のネタ元はお嬢様なので、ブログは面白味に欠けると

思っていたので、今日のネタ、ひとつ頂きました。




ただ久しぶりの独り歩きの雰囲気もいいもんです!




ヌタ場のようなぬかるんだ場所を過ぎると、徐々に勾配も急になってきます。

支尾根から広い1517mのピークでは以前に遭難騒ぎになった時に、間違って谷に降りて行った

場所にはきれいな道標が建てられています。




しばらく歩くと所々で剣山や剣山に続く稜線が、木々の間から見え始めました。

登山口で見上げた同じように雲一つない青空が広がっています。







ほどなくマユミの古木(たぬきのかんざし)に着きました。

枝には名前の由来の可愛らしいピンクの実が少しだけ残っています。







このマユミの木がほぼ森林限界の目印になります。ここを過ぎると一気に空が広がり、

明るい登山道になります。足元には背の低いミヤマクマザサ、

そして目の前にはまだ色を残してくれているコメツツジが目に飛び込んできます。

先ほどダケモミの丘で後続を随分と待って体を冷やしてしまったのか、

最近になく足が重く歩く速度が落ちてきました。










いつものザレ場は右に回り込んで登って行くのですが、お嬢様は間違えて直登をしたようです。

『執事もおらからストック持ってもらえんし、無茶苦茶滑るし死にそうやったわ! (; ・`д・´) 』

山頂で登って来た時に随分と憤慨されていました。

『申し訳ありません!執事がフォローできなくて!でもあのザレ場を直登できたなんて、

お嬢様も随分と成長されたもんです!』







いよいよヒュッテの直下の大岩です。鹿が通れないように設けられた『テキサスゲート』を渡り、

水場への分岐を過ぎると、山頂へと続く道には、亀さんチームの姿が見えます。

















急登の途中で振り返ると、白い岩肌にコメツツジの茶褐色の色がコントラストをつけて

さらに周りの景色を際立てています。

そして登りきると目の前に山頂池が姿を現します。







さぁいよいよ山頂です。三角の形をした山頂がどんどん近づいてきます。

前を行く波平さんもワカメちゃんの執事役を一旦降りて、何度も振り返りながら

廻りの景色を写真に収めています。














先に登ったうさぎさんチームはもうすでにほとんど食事を終えていました。

振り返るとコメツツジの群生の向こうに山頂直下の笹原が広がっています。




そして西側には『西熊山』を経由して『天狗塚』へと続くなだらかな稜線。




さらにその先を遠望すると『石鎚山』




東を見ると『剣山と次郎笈』の兄弟の姿がくっきりと見えます。




南東には来年WOCで登ろうと考えている『石立山』も見えます。




まるで四国の山のすべてを見渡しているような気分になります。

メンバーそれぞれがいつになくのんびりと大展望を楽しんでいます。
















山頂では若い男女のグループが後から登ってきました。

服装からしてあまり山には登っていないような感じに見えますが、

さすが若さで登りきったようです。(あ!けっして嫌味ではないですから・・・・)




東の岩場の上から後続を心配して見ているとまずお嬢様の姿が。

手を振ると余裕で返してきます。その内に蟻さんチームにいたお嬢様が到着。

いつになく力強く息も切らせず元気に登ってきました。

『お嬢様!逞しくなられて執事は嬉しゅうございます!』







そして最後に蟻さんチームが到着しました。はじめてに近い山登りでこの三嶺を登りきった

タマちゃんは、さすがに疲れ切っています。登ってくる来る途中も恐らく周りの景色も

目に入らなかったと思います。







まずは13名登頂を祝して記念撮影です!




この山頂から天狗塚への稜線を眺める度に、

11年も前、Kyoさんが東京の転勤から帰ってきた記念に、

エントツ山さんやマーシーさん、そしてREIKOさんご夫婦と歩いたのを思い出します。

その時のレポートです。




来年はぜひこのWOCのメンバーで縦走してみたいと思っています。



最後に登ってきたIRIBITOさんとタマちゃんはお昼ご飯を食べる間、先にメンバーは

二人を残して先に下山することにしました。




初めてのメンバーもいるので、まずは山頂小屋を覗きます。

小屋の横のトイレも怖いもの見たさに見学しようとしたのですが、

先ほどの若者たちが使っていたので、あきらめて下山開始です。












山頂池直下とザレ場を過ぎれば、比較的歩きやすいのが三嶺の下りです。







下りはやはりペースが違って間隔が空いてきました。

セニョさん・あっちゃん・ルリちゃん・キョウちゃんそして私がうさぎさんチームです。

少しづつ陽が西に傾き始めて、木々の間から差し込む日差しも何となく

朝と違った暖かい色に変わってきました。この道は日が暮れるのが早いので最後のタマちゃんが

だんだんと心配になってきました。










途中で若い男女が登ってきました。

今日は小屋どまりで明日、剣山まで縦走して見ノ越から下道を歩いて戻ってくるそうです。

服装も装備もしっかりしていて、こういう若い人たちがいることに頼もしく感じます。

『下道歩きの時、男性が隠れて女性が手を上げたら、たぶん車に乗せてくれるわ!』

と冗談をいって別れました。

別れた後うしろで女性陣が『あの二人どういう関係やろか?』

『やっぱり恋人同士かな・・・・?』などと下世話な話を楽しみながら歩いています。



林道登山口まで降り一息入れ直ぐにまた歩き始めます。

山頂からは2時間弱でうさぎさんチームは駐車場に到着しました。











ベンチに腰掛けると直ぐに肌寒くなり、皆さん一枚上着を羽織ります。

20分ほど遅れてお嬢様が一人で降りてきました。

聞くと他のメンバーは林道を歩いてきているとの事。

そして更に遅れて他の亀さんチームが到着しました。




恐らく最後の二人はまだまだ時間がかかると思い、先にベンチでコーヒーを淹れる事に。

キョウちゃんはカップがなかったので、お昼に飲んだ味噌汁のカップで準備万端!










すでに陽は山の向こうに沈み始めています。気温もさらに下がってきました。

セニョさんと二人で男性陣が残って最悪の事態を話し合っていると

お嬢様がIRIBITOさんにかけた電話がつながり、もう鉄塔広場まで降りてきていると言っています。

山頂では疲労困憊で動けなかったタマちゃんが下りは予想以上に早く降りてきたのに

メンバー全員 ホッと・・・・・。














帰りの車中で山さんが、

『今日みたいに人数が多い時は、みんなでお金を出し合って、

トランシーバーとか準備した方がいいんじゃない』と波平さんにアドバイスされ、

『普通山の会ではこんな時にトランシーバーとかで連絡しあうん?』と聞いてきました。

『トランシーバーとか準備しているの見かけたことがないですよ!』

『第一、山の会は隊列組んで歩いていますから、こんなに時間差が起こりませんから!』と。


なるほどでもそういった装備も今後も必要だと考えさせられました。

何はともあれ13名が無事に下山でき、うち7名が初めて三嶺を登ることができ、

皆さん喜んでくれました。

沈んだ夕陽に浮かび上がった影のような三嶺を眺めながら帰路に着きました。



WOC.登山部 2018.10.31 拇平~千羽ケ嶽~拇岳

2018年11月01日 | 香川の里山
今週のWOC(Wednesday Outdoor Challenge)は三つに分かれての活動になりました。

登山部・植物部・自転車部がそれぞれに分かれて今までにない総勢19名の一日となりました。

当初、登山部は稲叢山とアメガエリの滝を歩き、あわよくば植物部とアメガエリの滝で

合流できたらと思っていたのですが、参加希望者が少なく稲叢山は中止としました。

それならどこを歩こうかと考え、自転車部が予定している小豆島に的を絞りました。


小豆島は昨年の秋に連続して数回通い、島霊場や里山を登りました。

その度に目についたのが福田に行く途中に見える、何とも異様な形をした『拇岳』でした。

空に向かって親指を立てたような形の岩峰は、関西からも訪れる人の多い、ロッククライミングの

スポットになっています。勿論150mもの岩壁を登れるわけがないのですが、

その岩壁の東側には岩肌に沿うようにして上から下まで樹林帯が続いています。

『ひょっとしたら、あの樹林帯を登って行けるかも?』と、ずっと思っていた拇岳です。




そして同じような思いをずっと抱いていたメンバーにセニョさんがいました。

セニョさんは私より前にWOCで小豆島を訪れるたびに、この拇岳の事を口にしていたらしく、

さらに『拇平~千羽ケ岳』をWOC登山部で以前に歩いて、目の前で拇岳の姿を

目にしているだけに、その思いは私以上のものがあるはずです。

そう思ってセニョさんをお誘いすると、案の定即返事が返ってきました。


そうなれば如何にして登るかが問題になってきます。事前に拇岳をネットで色々調べてみると、

『赤いクラック・ダイレクトルート』そして『5.9とか5.10b』とかの

一般登山者には縁遠い言葉しか出てきません。

たまに出てくるのは拇平から千羽ケ嶽のレポートだけです。

そして登ろうと思った岩峰の裏側の写真は、たった三枚しか見つけることができず

拇岳をロッククライミング以外で登った情報は皆無でした。

ただ岩峰の裏側にはどうやらFIXロープが掛けられていると言う事だけは判り、

そこまでとにかく登って、無理だと思ったら引き返すと言う事にして

セニョさんとは事前に連絡し合いました。








高松港から土庄行きのフェリーで7時20分に出発。船内では自転車部のリーダーの山さんが、

地図を広げて今日のコースを説明をしていました。自転車部はコアラさんと麺法師さん

そして八甲田山遠征に初参加して、今回WOCに二回目の参加となるまゆちゃんの計四名です。






リーダーの山さんは、自転車で12時から13時くらいに拇岳の麓の『橘』を通るから

『下から手を振るから頂上で手を振って!』と言っていますが、

恐らく今回はそんな余裕はないはずです。


土庄で自転車部とは夕方にまた落ち合う約束をして別れ、『南廻り』のバスでまずは『草壁港』まで。

ただ、ここから福田行のバスは便数が減って、かなりの時間待ちになるので

バス停から直ぐ近くの『かんかけいタクシー』で橘まで向かいました。




橘で降ろしてもらい拇岳への登山口は水路を渡って町営住宅に向かって歩いて行きます。

入り口のすぐ脇にある『逸見商店』で道を尋ねると、

店のご主人が外に出て山を指さしながら、紙に地図を書いて詳しく教えてくれました。

ただ教えてくれたルートは拇岳の東側の樹林帯を登るルートではなく、

拇平から千羽ケ嶽に登って拇岳との鞍部に降りるルートでした。

『千羽ケ嶽からは鞍部まで降りられるんですね?』と確認すると

『道はないけど降りられる!』と教えてくれたので、その言葉を信じて

取りあえず周回して最後に拇岳を目指すことにしました。










白い鉄筋コンクリートの町営住宅を右に見ながら登って行くと、二股に分かれた道になり、

正面の岩には小さな拇岳と書かれたペイントがありました。

ここから右に折れさらに登って行きます。




しばらく歩くと石垣の間に登山口の案内板があり、ここからが登山道となります。




登山口から少し笹の間を歩き、その内足元は岩交じりの直登の道になります。







道は木にテープや岩に赤いスプレイで誘導してくれています。

直登から左にしばらくトラバースの道になり、それが終わるとまた直登の道になります。







この辺りから足元にはウバメガシの小さな落ち葉とどんぐりが敷き積り、

とても滑りやすく歩きにくくなってきました。







直登を登り詰めると正面に岩壁が現れます。枝にが掛けられた白いプレートが目に入ります。

字が消えて見えませんが、どうやらここが『滝場』と呼ばれている場所の様です。




ここから右が拇平、左に進むと拇岳の岩峰の足元に行けるようです。

まずは逸見商店のおじさんが教えてくれた通りに右に進んでみます。

見上げると薄曇りの空からの陽の光に当たって、冷たく岩肌が光っています。

滝場からは岩壁の足元に沿って登ります。この辺りは『屋島』『屋島神社』から

登って『冠ケ嶽』の岩壁の足元を登った時の雰囲気に似ています。




直ぐに何ヵ所か岩に掛けられたロープを使って登る場所があります。岩に書かれた赤いスプレーを

目印にグイグイと登り、最後は岩壁の足元を左に進んで登り詰めると尾根に出ました。
















広い尾根に出て左に少し歩くと、左手に名前の通りの拇平の平らな岩があります。

ここからは西に拇岳の雄姿を目の前に見ることができます。

遠くには池田の街並み、足元には橘の漁港を見下ろせます。










間近に見える拇岳の頂上から裏側の鞍部までは、思っていた以上に高さがあるのが目につき、

『果たして登れるんだろうか?』と不安になってきました。

セニョさんと『あの鞍部までは行ってみましょう。足元から見て怖かったら無理せずに!』と確認します。







拇平からも木の枝に着けられた赤テープを目印に千羽ケ嶽に向かって歩いて行きます。

広い尾根は時折道を見失いそうになります。その内に緩く傾斜の付いた広い岩塊が現れます。

その岩塊の根元を右に回り込んでいくと、ロープがかかった場所があり、

そこからロープを使って岩肌を登って行きます。










岩塊を登り更に尾根を進んでいくと、山頂らしき岩塊が正面に現れました。

この岩が千羽ケ嶽の山頂の様です。ここからも南側の展望が広がっていました。







この突端でセニョさんと、『もし拇岳が怖くて登れんかったら、

ここの写真で登ったことにしようか!』
と冗談を。




この山頂から更に進むと『三等三角点 橘』です。

廻りは木々に囲まれ展望は全くありませんが、木々の上に西に『星ケ城』らしい

山が少しだけ見えました。







三角点から先ほどの千羽ケ嶽の岩に戻り、左下に見えた拇岳の岩峰を目指して下って行きます。

千羽ケ嶽も岩の塊のような感じで、その端に沿って下ります。さぁここからが今日の本番となります。











拇岳への鞍部に降りられる取り付きを探しながら、急な斜面を下ります。

ウバメガシの落ち葉に度々足を滑らせ、そして尻もちをつき、

悪戦苦闘しながらの取りつき探しです。




すると少し開けた岩肌から正面直下に拇岳が見えました。

その鞍部に向かって斜めに樹林帯が続いています。

恐らくこの辺りかなと目処をつけ、岩肌の上から覗き込むとどうやら岩の割れ目を使って

下に降りられそうです。







岩の割れ目とその間に伸びる木の間を慎重に降りて行きます。

後ろから来るセニョさんの幅の広いザックが引っ掛かって少し難儀をしています。

『セニョさんのそのキスリングのようなザック大きすぎです!』




一旦岩を降り岩壁の足元に沿ってウバメガシの中を進んでいきます。




その先に岩壁に段差の付いた場所にロープが横に掛かっていました。

端に向かって傾斜の付いた岩は勿論足を滑せたら一貫の終わりです。

ここは慎重にカニの横這いで、まずはセニョさんが渡ります。







セニョさんが渡り切った後、続けとばかりロープを手繰り寄せ強く引っ張ってみると

プチ~ん!とロープが切れてしまいました。

ロープに頼って渡る途中で切れていたらと思うとゾットします。

足を滑らせないように摺り足でゆっくりと何とか渡り切ることができ、ホット一息。

目の前には拇岳が迫ってきました。







ほどなく鞍部に到着。岩峰と千羽ケ嶽から続く岩との間が切通のようになっていて

下からは冷たい風が吹き上げてきます。その冷たい風に足元には可愛らしい

見たこともない植物が小さな体を震わせて、凍えているように見えました。




さぁここからいよいよ頂上に向かって登って行きます。

ネットで見かけた写真に写っていたFIXのザイルがかかっています。

先ほどの事があるのでザイルを強く引っ張ってみると、このザイルはしっかりしているようですが

足がかりが少なそうです。ここからはザックを降ろしヘルメットを被ります。

まずはTOP?を私が登ります。何段かは足がかりがあるのですが、最後は足がかりもなく

岩の間が狭く真直ぐに登れず、右手でハーケンの輪に指を掛け

左の岩の下から岩の上まで足を延ばして、岩にしがみつきながら何とか

身体を持ち上げます。重い身体と硬い身体を悔やみながらも最初の岩をクリアーしました。




続いてセニョさんが登ってきます。セニョさんもやはり最後の岩の突起の乗越に苦労しています。




何とかここを登りきると、今度は右斜め上にザイルが掛かっています。最初のザイルを登ると

少し傾斜が緩くなっていますが、とにかく足元は深く高く切れ落ちています。

緊張しながらも何とか頂上に!



最後はセニョさんに前を譲って登頂成功です。

『WOC・登山部 拇岳初登頂』の瞬間です。







勿論尖った岩峰の頂上は360度の見渡す限りの展望です。

これだけ頂上が狭く、岩壁の下から上まで三角形の形をした場所は初めてです。

本当の頂上は背中の後ろですが、さすがにその上には立てないので、岩を背に記念撮影です。

フェリーの中で山さんが自身は高所恐怖症なのに、人にはこの上で

アルペン踊りを踊ってみてとも言っていましたが、とてもそんな気分にはなれません。




岩の右側に回り込むとロッククライミングのボルトが打ち込まれています。

覗き込んでみてもオーバーハングになっているのか全く足元が見えません。

『しかしこんな所をよく登ってこれるもんだ!』と感心するばかりです。







その横で念願かなってセニョさんも嬉しそうです。








岩にへばりつきながら笑顔を作りますが、やはり顔がこわばっています。




写真を撮った後は早々に岩の北側の安全?な場所へ移動して、少しの間頂上からの景色を眺めます。

麓の橘の漁港と麓から見えた千羽ケ嶽の岩肌です。







『さぁゆっくりと慎重に降りましょう』とセニョさん声を掛けてまた岩場を降りて行きます。

高度感はありますが足が竦むほどではありません。ただ油断禁物お茶ら気も厳禁です。













登りに比べると取り付きの最初のザイルも意外とスムーズに降りることができました。

ただ今回思ったのは、普段山でよく見かける結び目のあるロープと比べて

慣れていない結び目のないザイルは滑りやすく、登りの途中で手袋を脱ぎ捨てました。

それでも手が滑るのでくるっと手にザイルを巻きつけながら登って行きました。

何とか無事に鞍部に到着。ここからは事前に予定していた岩峰の東側の樹林帯を下って行きます。

足元には『五剣山』の岩峰で見かけた同じ植物が密生しています。




下り始めて最初はほとんどロープが掛かっています。

ここは普段目にする結び目の付けられたロープです。

やはり素人にはこの方が掴みやすく、それでも急な坂を時折足を滑らせながら降りて行きます。




横を見るとほぼ垂直というか垂直以上の岩壁が見えます。




下りの最後も岩をロープを使って降りて行きます。最後まで気が抜けません。







最後の岩場とロープが終わり、千羽ケ嶽側の麓に降り立った時には

二人でお互いにホッと肩を撫で下ろしました。








ここからは滝場の分岐を通り、登山口を降りるだけです。それでも最後までウバメガシの落ち葉に

足を取られる場面もありました。





橘の港に戻って朝、道を尋ねた逸見商店さんでお礼の代わりにアイスクリームを買いました。

おじさんに港までの道を又聞いて、小さな漁港の肩を寄せ合うようにして建つ家々の間を

途中でもろ虎キチと判る車を目にしながら、港の岸壁でやっと腰を降ろしました。







ここでお弁当を広げながら、自転車部のリーダーにセニョさんが電話を入れます。

静かな港を眺めながらお弁当を食べ終え、バス停に向かったところで

山さんが自転車を飛ばして到着しました。

残りのメンバーはまだ随分と後ろのようなので、取りあえず登山部は予定より早く下山したので、

土庄迄一旦戻り、近くの山を一つ登ると伝えました。

13時22分のバスに乗り込むと、途中から韓国や中国の観光客が多く乗り込み賑わうバスは

45分ほどでフェリー乗り場に到着しました。

フェリーの時間は17時20分。まだ三時間ほどあるので切符売り場の横のコンビニでコーヒーを

飲みながら一息入れることに。

外のベンチに腰掛けてコーヒーを飲んでいると、横に座った男性が話しかけてきました。

色々と話をしていると男性は、池田町にある八幡さんの神主さんだといいます。

これから『高見山』に登ろうと思うというと、

途中まで車で送ってくれると言ってくれました。

神主さんは親切にも山の中腹の遊歩道入り口まで乗せてくれました。

(ただ本当は山の麓から登りたかったのですが)それはそれで親切を無下にすることもできず

駐車場でお礼を言って別れました。




高見山は山頂まで何本かの遊歩道で登れるようになっていました。

ただ最近はあまり登る人もいないのか、木の階段の踏み場は至るところで猪が掘り返しています。







遊歩道を登りきると芝生の広場の上に、中世の山城を模したという展望台がありました。







木々の間からは瀬戸内海の穏やかな海の向こうに屋島が見えます。




フェリーの時間まではまだ十分にあるので、展望台の回廊に腰を降ろして、

のんびりとセニョさんのお話を色々と聞かせてもらいました。

山頂からは北側にも遊歩道が続いていました。ただこちらは南からの遊歩道よりさらに荒れていて

足元は猪の掘り返しで歩きづらく、顔の目の前には蜘蛛の巣だらけで難儀をしました。

枯れた枝を振り振り蜘蛛の巣を払いながら麓の家にたどり着くと、

ここでも家の駐車場から出てきたおじいさんに

『どこまで行くん?』と声を掛けられ、『フェリー乗り場までです』と応えると、

『そっちへいくつもりやから!』と車でフェリー乗り場まで送ってくれました。




フェリー乗り場で自転車部と合流した後、今日一日のお互いの土産話を話し合い、

帰りの船中でも楽しく雑談をしながら帰路に着きました。

朝焼けのサンポートから出かけ、日が暮れて明かりの灯るシンボルタワーを眺めて帰り

丸一日よく遊びました。

恋焦がれていた?拇岳登頂も成就でき、島に暮らす人々の温かさにも触れることができた

達成感と温かさに包まれた楽しい一日でした。







植物部の面々とアメガエリの滝







そして自転車部面々と雄姿です。