6月24日午後1時。
待ちに待った講演が始まりました!
なんと!
カヌーイストの野田知佑さんの講演なのです!!
野田さんといえば、『BE-PAL』(小学館)等で日本や世界の川をカヌーで下るという豪快なたびの連載を行っております。『日本の川を旅する』や『のんびりいこうぜ』等の著書があります。
そして野田さんは、C.W.ニコル氏や椎名誠さんとも各地で旅をしておられる方です。(椎名さんはつまり「あやしい探検隊」ですね。)
一昨年に環境大学でC.W.ニコル氏の講演を聞き、昨年は同じく椎名誠氏の講演を聞き、そして今年は野田さんの講演を聞いたのです!!何と贅沢で、夢のようではありませんか!!(←3氏の著書を数多く持っているだけに。)
今回の講演は、JICAの「ピース・トーク・マラソン」というものの一環です。平和と国際協力のための講演やシンポジウムが行われました。
でも野田さんは、壇上に上がって開口一番、
「今日はカヌーの話をします。」
の一言で始まりました。非常に割り切っていて、よかったと思いますね。
そしてスライドショーで様々な国の川の写真が、前に映し出されました。
いやぁ実に良いですね。美しい川ばかりです。
これらを見ていると、私も苦笑に世界の川を旅したいという衝動に駆られてしまいました。
この中で、特に印象に残ったのは2点でした。
まず1点目は、東南アジア(インドネシアなど)の川について。
少し前まで東南アジアの国々は治安情勢が不安定で、政府も機能していなかった時代だったそうです。それ故に、役人たちがどんどん山の木を切ってしまったそうです。
その結果、ここの川は土砂が流れ込んでひどく淀んでしまったことが、写真を見ても分かりました。
乱伐が横行した結果が、川に反映されているというのが、非常に興味深いことでもありますが同時に悲しいことでもありますね。
次に、講演の後の対談で、「世界遺産」の話が出てきました。
「上流にダムが出来る前の吉野川は、世界遺産になりえた」
といって、吉野川を絶賛すると共に、上流のダム工事を痛烈に批判していました。
しかし同時に、
「世界遺産になった知床は、もうすっかり観光地化されていますね。」
と世界遺産に対する行政の政策に対しても不満を漏らしていました。
その通りだと思いましたね。「世界遺産」を、観光ブランド化にしようと企んでいるというか、観光ブランドそのものと勘違いしているのは、日本が激しいのではないかと心配してしまいます。
いやぁ、あっという間の1時間でした。シアワセです。
テレビで喋っているところも見たことがなかった野田さんでしたが、想像したとおりの人だったなぁという印象でした。その人の性格というか雰囲気は、活字の中にも現れてくるのでしょうね。
この後も、パネルディスカッションが続いたのですが、野田さんの講演に満足して、とっとと返ってしまいました。
パネラーには、F壽教授もいたのに…(以下略)。