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蚊焼です。日記です。
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大学が法人化して何を得た?

2006年06月29日 | 雑感散文

 きっかけは、ウチの先生が「ボーナスが下がった」という嘆きからでした。
 今年のボーナスは是非DVDレコーダーを買おうと期待に胸を膨らませていた(!)のに、まさに法人化後の大学の「歪」に直面してしまったのです。

 法人化後の大学は、国からの予算が減らされる分を、教授陣の給料を減らして補っているようです。それだけではありません。学生も、授業料が7000円ほど値上げされているのです。でも在学中の授業料値上げは、国立大学時代はありえないでしょう。ある意味、「契約違反」ですよね。
 その授業料引き上げの分、教育やサービスが充実したのでしょうか。そうは思えません。学科の教授陣の数は減る一方です。いくつかの研究室は潰されました。不足する講義は、外部の非常勤講師に任せているのが現状です。

 これらの流れは、大学が法人化してから顕著になりました。
 何故ですか?大学が法人化すれば競争力が増し、学術レベルが向上するといった夢物語を描いた人は、今どこに行ったのですか?出てきて、もっと詳しく説明してくださいよ。研究室減らされて、研究予算も減らされて、教授の受け持つ授業を増やして研究時間を削いで、研究の業績は伸びますかね?また、多忙な教授が行う授業や非常勤講師が行う授業は、その質の低下に影響はでないのですかね?(もっとも、非常勤講師というのは講師や助手につけないだけの講師予備軍も多いですから、そんなに影響は無い、といえるかもしれませんが。)

 結論として、大学法人化の効率化は、カネだけの効率化ではなかったのでしょうか。
 我が大学も、ベンチャービジネスの奨励や講演会など、「如何に金を稼ぐか」ということに焦点を絞っているような気がしてならないのですよね。「地域貢献」を目標にすえているようですが、何を持って地域貢献を果たすのか、そのビジョンがどうも曖昧です。
 疑いたくなるのは、そもそも「学問の価値」というものを、大学は理解しているのでしょうか。今、我が大学に限らず、文系の哲学科や理系の数学科などでは、研究費の縮小に苦しめられているようです。なぜなら、採算性が無いから、のようですね。

 これは、教育の現場にとって本末転倒だと思いますよ。
 なぜ、人は勉強をしなければいけないのか。それを教えきれないのですから。

 さて、かく言うワタクシのような書生たちも、うかうかしてはいられませんね。
 法人化されて、授業の質が落ちて、採算性の取れる研究しかやらせてもらえなくて、それでも学生の質の低下は、学生自身のせいにされるに決まっていますよ。
 「大学とは、人に教えてもらって学ぶ受身の勉強から、自立するところだ」
と、そうはぐらかされるのがオチですよ。
 でも悔しいじゃないですか。法人化の流れに関係なく、勉強しない学生が増えてきているのも事実、ということが。大学に、また政策に文句を言うためには、大学生自身の質を高めていかないといけませんよ。でなければ変わりませんよ。
 これから大学生は、学生自身が質を高めて、その質に見合った教育サービスを提供するよう大学に文句が言えるようにしないといけませんね。

 あくまで、学生である自分たちが変わることによって社会を正していかないといけません。駄目ですよ、60年代みたいに学生闘争のような力ずくの解決は。論理的に、そして必要に迫られて変えさせないといけませんよ。


 それにしても、某大手私立大学でしたか、1000万円以上の国の研究費を不正受給した教授さんがいましたね。データを改ざんしてまで研究費を取っていたところを見ると、その先生は、研究に対する情熱とか、楽しさとか、意義とか、有用性とか、価値とか、将来性とか、それら一切の物を持っていなかったのでしょうね。一番は、カネ。
 しかもその教授さんは、懲戒免職ではなくて辞職だそうです。やめさせられたことにはならないのです。甘いですね。何といっても、大学側が甘いです。まるでその先生の恩があって、ということを感じさせるかのようです。
 お金が無いと研究が出来ないのは世の常ですが、偽の研究をしてまでお金を手に入れるのはどうかしています。でも、お金になるような研究しか、許されなくなるような風潮にあるのも事実なのですから、この教授さんが悪いのではなく、もっとこの大学や、世の中の大学に対しても厳しい視線を向けておかねばならないと思いますよ。


 というわけで長々とした駄文を綴ってしまい失礼しました。
 また、今回は大学法人化の「弊害」だけに絞った話なので、法人化が100%悪いわけではないことを、最後に付記しておきたいと思います。でも、50%以上悪いとは思いますけどね。


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