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●科学技術ニュース●慶應義塾大学と産総研、デュアルコム分光を用いた平板光学材料の超高精度な屈折率・厚さ計測手法を開発

2022-02-04 09:34:21 |    機械工学
 慶應義塾大学大学院理工学研究科の住原花奈(現在は修了)、同大学理工学部物理学科岡野真人元専任講師(現防衛大学校准教授)、渡邉紳一教授、産業技術総合研究所物理計測標準研究部門光周波数計測研究グループの大久保章主任研究員、稲場肇研究グループ長の研究グループは、平板材料の厚さと屈折率を、同時に極めて高精度に計測する技術を開発した。

 光学レンズをはじめとした光学素子の設計には、材料を構成する物質の屈折率を正確に決定することが不可欠。また、光学レンズ加工前の平板材料の正確な厚さの決定も重要。

 今回、光の位相変化量を正確に直接計測できるデュアルコム分光法を用いて、平板シリコン材料の厚さと屈折率を、非接触で、多波長に対して高精度に同時計測する手法を開発した。

 同手法は、材料の屈折率を、平板形状のまま、究極的な精度で計測できる画期的なもの。今後、各種光学材料の正確な屈折率計測に応用することで、光学素子の高精度設計につながることが期待できる。

 今回の実験では環境温度の評価不足のため、シリコン平板の屈折率の相対精度は2×10-5に留まったが、測定値のばらつき(標準偏差)は4×10-6であり、精度評価の結果から、一般的な高精度の環境温度評価を行えば、最小偏角法の計測精度と同等の相対精度4×10-6が達成できると考えている。

 今後は環境温度も正確に評価しながら注意深く計測を進め、各種光学材料の正確な屈折率値を調査する。同手法を各種光学材料の精密屈折率計測に応用するとともに、デュアルコム分光法を用いたさらなる高精度物性計測に取り組む。<産業総合研究所(産総研)>
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