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●科学技術ニュース●東京大学など、溶液中での高い安定性と反応性を両立した金ナノ粒子を開発

2024-02-23 09:41:19 |    化学
 東京大学 大学院工学系研究科 応用化学専攻の鈴木 康介 准教授、夏 康 大学院生、谷田部 孝文 助教、米里 健太郎 助教、山口 和也 教授らによる研究グループは、同研究科附属総合研究機構の石川 亮 特任准教授、柴田 直哉 教授、幾原 雄一 教授、東京都立大学 大学院理学研究科の吉川 聡一 助教、山添 誠司 教授、物質・材料研究機構の中田 彩子 主幹研究員と共同で、金属酸化物ナノクラスターで保護することにより、高い安定性と触媒活性を両立した金ナノ粒子の開発に成功した。

 金は安定で反応性に乏しい金属とされてきたが、サイズを小さくすることで優れた触媒作用を示す。

 しかし、小さな金ナノ粒子は溶液中で集合しやすいため、高い安定性と反応性を両立できる技術の開発が求められている。

 同研究では、有機溶媒中で金属酸化物ナノクラスターを保護剤として用いた合成法により、直径約3ナノメートルの小さな金ナノ粒子を開発した。

 この金ナノ粒子は、触媒反応を行う条件で安定であり、空気中に豊富に存在する酸素を酸化剤として用いると、アルコールなどの有機化合物の酸化反応に優れた触媒特性を示す。

 また、この技術を用いることで、金以外にもさまざまな金属のナノ粒子を合成することができる。

 同成果は、金ナノ粒子を利用した環境に優しい化学反応プロセスの開発、資源循環やエネルギー変換を実現する触媒、センサー、エレクトロニクスなど幅広い応用が期待される。

<ポイント>

 ①金属酸化物ナノクラスターで表面を保護することにより、溶液中での高い安定性と反応性を両立した微小な金ナノ粒子(直径約3ナノメートル)を開発した。

 ②開発した金ナノ粒子は、空気中に豊富に存在する酸素を酸化剤として用いると、アルコールなどの有機化合物の酸化反応に優れた触媒特性を示す。

 ③金以外にもさまざまな金属ナノ粒子を合成でき、触媒、センサー、エレクトロニクスなど幅広い応用が期待される。<科学技術振興機構(JST)>
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