新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、AIチップ・次世代コンピューティングに関する研究開発事業を新たに開始する。
産業が目指す姿(コンセプト)として政府が提唱したConnected Industries(コネクテッドインダストリーズ)の実現に向け、AIの技術が社会に浸透していく中、AIの学習による「データ量の増大」と、その演算処理に伴う「消費エネルギーの増大」という2つの大きな課題に直面している。
そこで、NEDOはこれらの課題を解決すべく、新たにAIチップと次世代コンピューティングの2分野で研究開発事業を開始する。革新的なAIチップおよび次世代コンピューティング技術の開発・確立を通じて、新たな付加価値の創出や社会課題の解決に貢献する。
(1)「高効率・高速処理を可能とするAIチップ・次世代コンピューティングの技術開発事業」と(2)「AIチップ開発加速のためのイノベーション推進事業」により、革新的なAIチップ・次世代コンピューティング技術とその開発を支える拠点構築による新たな付加価値の創出や社会課題の解決を通じて、「Connected Industries」の実現を目指す。
公募については、(1)「高効率・高速処理を可能とするAIチップ・次世代コンピューティングの技術開発事業」のうち、先行して「研究開発項目1.革新的AIエッジコンピューティング技術の開発」の公募を開始した。その他の公募については、5月以降に順次予定している。
(1)高効率・高速処理を可能とするAIチップ・次世代コンピューティングの技術開発事業
【研究開発項目1】革新的AIエッジコンピューティング技術の開発
【研究開発項目2】次世代コンピューティング技術の開発
(2)AIチップ開発加速のためのイノベーション推進事業
【研究開発項目1】AIチップに関するアイディア実用化に向けた開発(公募予告:7月頃公開予定)
【研究開発項目2】AIチップ開発を加速する共通基盤技術の開発
事業(1)(2)の研究開発以外の面において、情報産業の競争力強化等に資するさまざまな取り組みを実施する予定。情報産業の競争力強化のためには、世界の状況変化にスピーディかつ柔軟に対応する中小・ベンチャー企業の活躍と育成が鍵となる。
このため、同事業に参画する中小・ベンチャー企業が効率的かつ効果的に研究開発に取り組めるように、NEDOから専門家を派遣するなどして技術・経営、事業遂行面における各種アドバイスを行うことも予定。
さらに、AIチップ・次世代コンピューティング技術に関する日本全体の競争力の底上げを図るべく、AIチップコンテストの開催や人材育成等にも取り組んでいく予定。