首都大学東京、物質・材料研究機構、産業技術総合研究所、電気通信大学の研究チームは、ビスマス(Bi)と硫黄(S)を主成分とした新しい層状超伝導物質系(Bi4O4S3およびLaO1-xFxBiS2)を発見した。
共通の特徴として、ビスマスと硫黄が二次元的に結合したBiS2層(超伝導状態が発現する層)とブロック層が交互に積層した結晶構造を持つ。さらに、比較的高い超伝導転移温度(Tc = 10.6 K)を観測している。
今回、我々はビスマス(Bi)と硫黄(S)を主成分とした新しい層状超伝導物質系(Bi4O4S3およびLaO1-xFxBiS2)を発見した。粉末X線回折実験とリートベルト解析の結果、共通の特徴として、ビスマスと硫黄が二次元的に結合したBiS2層(超伝導状態が発現する層)とブロック層が交互に積層した結晶構造を持つことが明らかになった。
このような層状構造は銅酸化物高温超伝導物質系や鉄系超伝導物質系と非常に類似しており、今後BiS2超伝導層を基本とした新たな物質が開拓され、高温超伝導機構解明の一つの鍵となることが期待される。
今後、BiS2超伝導層を基本とした新超伝導物質が多く発見され、さらに高い超伝導転移温度を持つ物質の発見が期待される。また、BiS2層における超伝導発現メカニズムを解明することにより、今後の超伝導物質探索に新たな指針を与えるとともに、高温超伝導機構のさらなる解明が期待される。