日本原子力研究開発機構(原子力機構)と千代田テクノルは、福島県浜通り地元企業の栄製作所等と連携して、ドローンに放射線源の位置推定が可能な小型軽量コンプトンカメラを載せた遠隔放射線イメージングシステムを開発した。
同技術は、原子力機構廃炉国際共同研究センター(富岡町)と千代田テクノル福島営業所(楢葉町)で開発され、地表面との距離を測るためにレーザ光を利用した測域センサ(LiDAR)を用いて作成した3次元地形モデルを利用して、放射性物質分布を3次元的に可視化するもの。
同手法では上空からの測定が可能となるため、広範囲を迅速にかつ安全に測定することが可能となる。
同システムは、広いエリアでも短時間でモニタリングや民家や里山における局所的な汚染の検知に有効であり、帰還困難区域で自治体や帰還を望まれる避難者への情報提供に資することが期待される。
さらに、廃炉作業が進行中である福島第一原子力発電所においても、サイト内の放射性物質分布を3次元的に可視化することにより、ホットスポットの効率的な把握や除去、効果的な遮へいにより廃炉作業の円滑な推進に貢献できる。
同システムは2019年度中に実用化し、広く利用していただけるようにする予定。