理化学研究所(理研)と北海道大学による国際共同研究グループは、外部磁場がない状態でも磁気渦が生成していることを発見し、その生成機構を解明した。
今回、同国際共同研究グループは、中性子小角散乱測定により、「Y3Co8Sn4(Y:イットリウム、Co:コバルト、Sn:スズ)」という物質は外部磁場がなくても磁気渦構造を生成していることを発見した。
その起源としては、動き回る電子が媒介する多体の磁気的相互作用に由来した新しい機構によって、磁場がない状況で磁気渦が生成されていることが考えられる。
同研究成果は、磁気渦を示す物質の探索・設計のための新しい指針を与えるとともに、磁気渦を情報担体とする磁気記憶素子の実現に向けた足掛かりになると期待できる。