“科学技術書・理工学書”読書室―SBR―  科学技術研究者  勝 未来

科学技術書・理工学書の新刊情報およびブックレビュー(書評)&科学技術ニュース   

●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「Science Fictions あなたが知らない科学の真実」(スチュアート・リッチー著/ダイヤモンド社)

2024-02-27 09:37:03 |    科学技術全般



<新刊情報>



書名:Science Fictions あなたが知らない科学の真実

著者:スチュアート・リッチー

訳者:矢羽野 薫

発行:ダイヤモンド社

 著名な科学実験やベストセラーの間違いを紹介しながら、科学における不正・怠慢・バイアス・誇張が生じるしくみを多数の実例とともに解説。単なる科学批判ではなく、科学の原則に沿って軌道修正することを提唱する。既存の本で知ったウンチクを得意げに語る人に読ませたい、真実の書。【目次】第1部 「あるべき」と「ある」 第1章 科学の仕組み 第2章 再現性の危機 第2部 欠陥と瑕疵 第3章 詐欺 第4章 バイアス 第5章 過失 第6章 誇張 第3部 原因と対処法 第7章 逆インセンティブ 第8章 科学を修正する【著者】スチュアート・リッチー 心理学者。キングス・カレッジ・ロンドンの精神医学・心理学・神経科学研究所の講師。2015年に科学的心理学会(アメリカ)の「期待の星(ライジンング・スター)」賞を受賞。『タイムズ』『ワシントン・ポスト』『ワイアード』などに数多く寄稿し、BBCラジオなどの出演もある。
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●科学技術ニュース●楽天モバイルと米AST、衛星と携帯の直接通信による国内サービスを2026年内に提供し日本全域をカバー

2024-02-27 09:36:35 |    通信工学
 楽天モバイルは、米AST SpaceMobile(AST)と共同で、衛星と携帯電話の直接通信によるモバイル・ブロードバンド通信サービスを日本国内で2026年内に提供を目指す計画を発表した。

 サービスの開始時期や提供範囲については、両社の関与しない事由を含む要因等により変更となる可能性がある。

 同計画ではテキストメッセージだけでなく、音声通話やビデオ通話等のブロードバンド通信を、市販されているスマートフォンで利用できるサービスを提供予定。

 自然災害が多く山岳地帯や離島が多い日本においては、低軌道衛星を活用した通信サービスへのニーズが高まっていまる。令和6年能登半島地震では、復旧に向かう道路が寸断され、応急復旧に時間がかかった。低軌道衛星による通信サービスであれば、地上の状況に左右されることなく、携帯電話を利用できるようになる。

 楽天モバイルとASTは今後、災害時や山間部・離島等を含む、日本全域をカバーする通信サービスの提供を目指す。

 楽天モバイルとASTはこれまで、2020年3月に締結した戦略的パートナーシップのもと、ASTの低軌道衛星と市販されているスマートフォンとの直接通信を目指すプロジェクトを推進している。2022年9月にはASTによる低軌道試験衛星「BlueWalker 3」打ち上げに成功している。

 2023年4月には、英Vodafone、米AT&Tを含めた4社協力のもと、世界初となる低軌道衛星によるモバイル・ブロードバンド通信を使用した、市販スマートフォン同士のエンドツーエンドでの音声通話試験をテキサス州で行い、成功した。日本では、楽天モバイルが国内での試験実施に向けて2022年11月に実験試験局免許の予備免許を取得している。

 現在までに、ASTによる試験では、市販スマートフォンと衛星間での音声およびデータの5G接続に世界初で成功するとともに、14Mbpsのダウンロード速度達成、4Gビデオ通話および5Gセルラーブロードバンド接続にも成功している。

 これらの速度は、基本的な音声やテキストメッセージの通信だけでなく、インターネットブラウジング、ファイルのダウンロード、メッセージングアプリの使用、ビデオのストリーミングなどを市販スマートフォンで可能とするもの。<楽天モバイル>
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●科学技術ニュース●東京大学と東北大学、磁石に隠されていた振動の情報を取り出すことに成功し磁気情報デバイス開発に道

2024-02-27 09:36:08 |    物理
 東京大学 大学院工学系研究科の巻内 崇彦 特任助教、日置 友智 助教、清水 祐樹 大学院生、星 幸治郎 特任研究員、齊藤 英治 教授(東北大学 材料科学高等研究所(WPI-AIMR) 主任研究者、東京大学 Beyond AI 研究推進機構 教授を兼務)らを中心とする研究グループは、東北大学 材料科学高等研究所(WPI-AIMR)のMehrdad Elyasi助教、Gerrit Ernst-Wilhelm Bauer主任研究者らと共同で、従来、磁石の中で短い時間しか存在できないと考えられていた磁気振動の情報(コヒーレンス)が桁違いに長い時間隠れて存在できる機構を発見し、それを取り出せることを明らかにした。

 磁石の中のコヒーレンスは0と1両方の情報を扱える可能性があるが、その状態を長く保つのが難しいため応用が困難と考えられていた。

 今回、磁石に隠されたコヒーレンスを取り出せたことで、磁気情報デバイス開発の道が開けたと言える。

<ポイント>

①従来、磁石の中の磁気の振動は短い時間でなくなってしまうと考えられてきた。

②同研究では、磁気振動を精密に読みだす手法を開発し、磁気振動の情報(コヒーレンス)が桁違いに長い間隠れて存在できる新たな情報保持機構を発見した。

③今回の発見は、新たな磁気情報デバイスの原理になるものと期待できる。<科学技術振興機構(JST)>
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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「無機化学<第3版>」(田中勝久、中平 敦、平尾一之著/東京化学同人)

2024-02-27 09:35:33 |    化学



<新刊情報>



書名:無機化学<第3版>~その現代的アプローチ~

著者:田中勝久、中平 敦、平尾一之

発行:東京化学同人

 無機化学の中心的な領域として研究が活発になっている固体化学や材料化学に重きを置くとともに、社会的関心の高い、環境、生命、エネルギーと無機化学とのかかわりを意識した教科書。【目次】序章 無機化学への招待 1章 原子の構造と周期律 2章 化学結合 3章 元素の性質と化合物 4章 溶液化学 5章 配位化学 6章 固体状態と無機材料 7章 生命と無機化学 8章 環境と無機化学 付録 A.原子価結合法 B.結晶場理論のより詳細な記述 C.群論の初歩 D.田辺−菅野図
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