“科学技術書・理工学書”読書室―SBR―  科学技術研究者  勝 未来

科学技術書・理工学書の新刊情報およびブックレビュー(書評)&科学技術ニュース   

●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「ヤバい統計」(ジョージナ・スタージ著/集英社)

2024-02-14 09:35:02 |    数学



<新刊情報>



書名:ヤバい統計~政府、政治家、世論はなぜ数字に騙されるのか~

著者:ジョージナ・スタージ

訳者:尼丁 千津子

発行:集英社

 私たちは政府統計を信頼しきっているが、その調査の過程やデータが生み出されるまでの裏側を覗けば、あまりにも人間臭いドタバタ劇が繰り広げられていて驚くはずだ。同書は、英国国家統計局にも関わり、政府統計の世界を知りつくす著者が、ユーモア溢れる筆致でその舞台裏を紹介した一冊。
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●科学技術ニュース●富士通主催の量子アプリケーション開発コンテスト、フィンランドのQuanscient社が第1位

2024-02-14 09:34:43 |    情報工学
 富士通は、39量子ビットの量子コンピュータシミュレータ(量子シミュレータ)を活用して、量子アプリケーション開発の成果を競うコンテスト「Quantum Simulator Challenge」を2023年2月から9月まで実施し、このほど受賞4チームを決定するとともに、その受賞式を2024年1月25日にオランダのDe Oude Bibliotheek Academyで開催した「Fujitsu Quantum Day」で行った。

 同コンテストには、スタートアップや大学が17の国や地域から全43チーム参加し、その内、書類選考を通過した20チームが量子シミュレータを用いたアプリケーション開発の成果を競った。

 その結果フィンランドのQuanscient Oy(Quanscient社)の「流体力学における量子アルゴリズム開発」の取り組みが1位を獲得した。

 コンテスト期間中の量子シミュレータ使用時間は累計で5万6,000時間に及び、エラー訂正技術を含む基礎研究成果から社会問題解決に資するアルゴリズム開発に至るまで様々な成果が報告された。賞金総額は10万米ドル。

 富士通は、2024年以降も、世界最大級の40量子ビットに増強した量子シミュレータを活用した「Quantum Simulator Challenge」の開催を検討しており、量子コンピューティング分野における先進的なスタートアップとの協業をグローバルに進め、量子コンピューティング技術の社会実装に向けた研究開発を主導していく。

 現状の量子コンピュータは、ハードウェア計算におけるエラー率の高さやスケーラビリティに課題があるため、ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)上で動作する量子シミュレータを用いてアプリケーション開発が進められており、多岐に渡る分野で活用の可能性を模索していく必要がある。

 富士通は、スーパーコンピュータ 「富岳」のCPU「A64FX」を搭載した「FUJITSU Supercomputer PRIMEHPC FX700」で構成されたクラスタシステムである量子シミュレータを活用し、様々なユーザーと先駆的な量子アプリケーションの開発に取り組んでいる。

 量子アプリケーション開発において、量子シミュレータ利用者からのフィードバックを得ることが大変重要なため、富士通は、量子シミュレータのリソースを一部開放し、応募があった研究機関や大学、企業が様々な分野で量子アプリケーション開発を競い、そのフィードバックを得ることを目的に「Quantum Simulator Challenge」を開催した。<富士通>
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●科学技術ニュース●理化学研究所と神戸大学、生体分子アクチンによる自発的な細胞骨格形成を空間的に制御できる技術を開発

2024-02-14 09:34:07 |    生物・医学
 理化学研究所(理研) 生命機能科学研究センター 構成的細胞生物学研究チームの山崎 陽祐 リサーチアソシエイト、宮﨑 牧人 チームリーダー、神戸大学 大学院農学研究科 修士課程2年の宮田 優里 大学院生、同バイオシグナル総合研究センターの森垣 憲一 教授(同大学院農学研究科 教授)らの共同研究グループは、生体分子アクチンによる自発的な細胞骨格形成を空間的に制御できる技術を開発した。

 同研究成果は、アクチンが担う細胞の運動や変形など基本的な生命機能の理解だけではなく、がん細胞の浸潤や転移など、アクチンが関わるさまざまな病気の原因の解明や治療法の開発への貢献が期待される。

 同共同研究グループは、細胞膜上でナノメートルサイズのアクチン分子が、細胞骨格と呼ばれる、自身の千倍以上大きなマイクロメートルサイズのネットワーク構造を自ら組み上げる仕組みに着目した。

 そこで、半導体製造に使われる光リソグラフィー技術によりアクチンネットワーク形成を誘導する領域の形やサイズなどのパターンを自在に制御できる人工生体膜を作製し、この膜上でさまざまな形状のアクチンネットワークを形成させることに成功した。

 この技術を使うことで、細胞膜上でアクチン分子が骨格構造を組み上げ、細胞の動きや形を制御する仕組みを、膜領域の物理的条件としての“形”と“サイズ”という新しい観点から理解することが可能となる。<科学技術振興機構(JST)
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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「パナソニックに学ぶIT業務システム入門」(津田 博、中川隆広編著/中央経済社)

2024-02-14 09:33:41 |    情報工学



<新刊情報>



書名:パナソニックに学ぶIT業務システム入門

編著:津田 博、中川隆広

発行:中央経済社

 パナソニックのIT化は営業、受注、製造等の主要業務に加え、経理、人事等の支援業務まで浸透している。各業務の組織、役割、業務プロセス及び業務間のIT連携を具体的に解説。
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