“科学技術書・理工学書”読書室―SBR―  科学技術研究者  勝 未来

科学技術書・理工学書の新刊情報およびブックレビュー(書評)&科学技術ニュース   

●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「世界一流エンジニアの思考法」(牛尾 剛著/文芸春秋)

2023-11-24 09:38:18 |    科学技術全般



<新刊情報>



書名:世界一流エンジニアの思考法

著者:牛尾 剛

発行:文芸春秋

 noteでも大人気!米マイクロソフトのエンジニアが放つ最前線の仕事術。「怠惰であれ!」「早く失敗せよ」―米マイクロソフトの現役ソフトウェアエンジニアの著者が、超巨大クラウドの開発の最前線で学んだ思考法とは?“三流プログラマ”でもできた〈生産性爆上がり〉の技術。・試行錯誤は「悪」。“基礎の理解”に時間をかける・より少ない時間で価値を最大化する考え方とは?・「準備」と「持ち帰り」をやめて、その場で解決する・マルチタスクは生産性が最低なのでやらない・“脳の負荷を減らす”コミュニケーションの極意・コントリビュート文化で「感謝」の好循環を生む……etc. 仕事と人生を「自分の手でコントロールする」最高のスキルがここに。<著者>牛尾 剛:米マイクロソフトの Azure Functions プロダクトチームのシニアソフトウェアエンジニア。米国シアトル在住。Serverless, DevOps, Agile などソフトウェア開発のよりよいやり方に興味。趣味はバンド演奏で、たまに演奏を公開している。
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●科学技術ニュース●矢崎総業とNEC、複数台ロボットの動作プランをAIで自動生成し技術者が40日を要していた動作プラン生成を1日で達成

2023-11-24 09:37:55 |    人工知能(AI)
 矢崎総業とNECは、ワイヤーハーネス(自動車の電気・電子機器間をつなぎ、自動車内の電力供給および情報伝送を行う製品)製造において、NECの「NEC デジタルロボット動作計画ソリューション」を用い、複数台ロボットの動作プランをAIで自動生成する実証実験を実施した。

 同実証実験では、技術者が従来40日を要していたティーチング(産業用ロボットの動作プランを作成する作業)を不要化し、AIによってわずか1日で動作プランを自動生成できることが確認できた。

 また、生産速度を高めるための動作プランをAIが試行錯誤し、製造工程にかかる時間の約10%短縮を実現した。

 この結果を受け、2023年10月より、ワイヤーハーネスの量産に向けて試験を実施し、2025年7月の実導入を目指す。ワイヤーハーネスの複数品種製造に対応し、複数台ロボットの動作プランを自動生成するソリューションの本格活用は、国内初。

 今回のシステムは、NECが開発した「NEC デジタルロボット動作計画ソリューション」 と矢崎総業のワイヤーハーネス組立向けロボットシステム及びシミュレータを組み合わせて実現した。

 具体的には、AIに製品デザインや作業内容など製品データを入力し、AIとシミュレータを連携させる。これにより、製造時間を最小化しつつ複数台ロボット同士や周囲の装置が干渉しないことを両立する動作プランを自動生成する。

 動作後に干渉がある場合は、AIに通知して干渉を回避する動作プランを再計算する。さらに、新製品投入時や製品の仕様変更時、製品データをAIに入力すると、短時間で動作プランを算出し、複雑なティーチング工程を不要にする。<NEC>
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●科学技術ニュース●NIMSと日本ロレアル、スゴイ湿気でもセットした髪が乱れないヘアスタイリング材料を開発

2023-11-24 09:37:31 |    化学
 物質・材料研究機構 (NIMS)は、日本ロレアル株式会社と共同で、湿度に応答して形状記憶効果を発動するポリマー材料を開発した。この研究成果は、髪の毛に塗って乾かすだけで高湿度環境でも望みのヘアスタイルをキープできるスタイリング材料へと応用できる。

 ヘアスタイルは個人の自己表現や自信に大きな影響を与えるので、効果的で機能的なヘアスタイリング製品の需要が高まっている。一方で、毛髪は水分の影響を受けやすいため、多くの人が雨の日や発汗時などのヘアスタイルの崩れに悩みを抱えている。

 湿度への耐性を与えるヘアスタイリング製品として、一般にヘアスプレーやジェルが知られているが、これらのほとんどは髪の毛に直接コーティングを施すことで髪の毛を湿気から保護することを目的としており、湿度の影響を軽減するに留まっている。

 そこで、高湿度環境下でもヘアスタイルを維持できる新たなスタイリング用材料の開発が望まれていた。

 同研究チームは、髪の毛を湿気から保護するのではなく、湿度に晒された時に形状記憶効果を発動する新たなスタイリング用ポリマーコンポジット材料を開発した。

 この効果は、ポリビニルアルコール (PVA) と天然由来のセルロース微結晶 (CM) との水素結合を介したネットワーク形成によって発現するが、この水素結合が水分子を取り込んでも両者の結びつきを保持できる性質を利用している。

 何もコーティングしていない髪の毛と比較して、PVA/CMコンポジットはCM量依存的に高いスタイリング効果を示すことが分かった。

 また80%湿度条件下に6時間晒されると髪束は広がりるが、PVA/CMコンポジットをコートした髪束は形状回復が誘起され、もとのスタイリング形状へと近づくことが明らかとなった。

 以上の結果から、今回開発したPVA/CMスタイリング材料は、湿度に晒される髪の毛の広がりを抑制するとともに、湿度を利用してスタイリング維持を向上させるという興味深い性能を示した。さらに、コートしたPVA/CMコンポジットは、温水 (42℃) やシャンプーで簡単に洗い流すことができた。

 今回の研究より、湿度が誘起する形状記憶現象のメカニズムが明らかになったことで、湿度に対してより効果の高いヘアスタイリング方法を提案できる可能性があると考えられる。

 同研究は、NIMS 高分子・バイオ材料研究センタースマートポリマーグループの宇都甲一郎 (独立研究者) 、荏原充宏(グループリーダー) と、日本ロレアル株式会社リサーチアンドイノベーションセンターの研究チームによって行われた。<物質・材料研究機構 (NIMS)>
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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「通信の信号処理」(林 和則著/コロナ社)

2023-11-24 09:36:53 |    通信工学



<新刊情報>



書名:通信の信号処理~線形逆問題、圧縮センシング、確率推論、ウィルティンガー微分~

監修:田中聡久

著者:林 和則

発行:コロナ社(次世代信号情報処理シリーズ 6)

 同書は、通信分野の非専門家や大学生、大学院生などの初学者を対象としたもので、その特徴は、従来の教科書にあるような要素技術ごとの解説ではなく、通信の典型的な問題に対する典型的な信号処理手法について解説することで、現在の通信システムで用いられている最先端の信号処理技術を理解するために必要な最低限の知識を、効率的かつ体系的に提供することを目的としている。
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