“科学技術書・理工学書”読書室―SBR―  科学技術研究者  勝 未来

科学技術書・理工学書の新刊情報およびブックレビュー(書評)&科学技術ニュース   

●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「中国デジタル・イノベーション」(岡野寿彦著/日本経済新聞出版社)

2020-10-29 09:43:50 |    企業経営

 

<新刊情報>

 

書名:中国デジタル・イノベーション~ネット飽和時代の競争地図~

著者:岡野寿彦 

発行:日本経済新聞出版社

 世界の注目を集めた中国プラットフォーマーのビジネスモデルには限界が見えてきた。アリババもテンセントも、これまでの手法では先がない。ネット展開はすでに飽和。中国のプラットフォーマーたちはリアルとの融合に戦略転換し始めた。消費者の安全性、信頼性への要求が高まり、競争の焦点が消費者接点から、商品やサービスそのものへとシフトしつつある。その中で、主要なプレーヤーのBAT(百度、アリババ、テンセント)に加え、TMD(バイトダンス、美団点評、滴々出行)が新たな主役として登場してきている。この変化は、リアルに強い日本企業にとっても有利になる時代がやってくることを意味する。第二幕に入った中国デジタル革命の実態を、「コロナ後」の展望も含め、中国ITビジネス・経営に精通する専門家が詳細に解説する。

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●科学技術ニュース●NEDOとPETRA、世界初となるデータセンター用サーバーの計算速度を光配線で一桁高速化

2020-10-29 09:43:16 |    情報工学

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、光電子融合基盤技術研究所(PETRA)と共同で、サーバーボードにデータ転送先を切り替えるスイッチング機能を実装し、全サーバーボード間を光配線で直結したラック型サーバーシステムを世界で初めて完成した。

 電気スイッチで中継することなくサーバーボード間のデータを通信できることから、電気スイッチを介してデータ伝送を行う従来システムと比べ、計算速度を一桁高速にすることに成功した。

 これによりデータセンターの消費電力量を低減できるため、多くの電力量と計算時間が必要となるビッグデータやAIの利用を促進する効果も期待できる。

 例えば心臓や肺の診断などに用いられる3次元CT(コンピューター断層撮影法)の画像処理では、電気スイッチを介した電気接続によるコンピューターシステムで5分を要していた処理時間を30秒に短縮できる。

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と光電子融合基盤技術研究所(PETRA)は、2012年度から10年間の「超低消費電力型光エレクトロニクス実装システム技術開発」として光配線技術や光トランシーバー技術の開発を進めている。

 すでに成果も挙げており、2014年度までにシリコンフォトニクス技術を用いた世界で最も高速・小型・低消費電力・低コストを実現した5mm角の超小型光トランシーバー「光I/Oコア」を開発し、LSI近傍に光トランシーバーを実装することを可能にした。

 これによりLSIの電気信号をすぐに光信号へ変換できるようになり、消費電力を抑えてデータを伝送することが可能になった。

 また2016年度までには光I/Oコア8個をLSI近傍に実装したアクセラレータボードを開発し、大容量LSIのデータの入出力に必要とされる、送受信で1.6Tbpsの伝送速度を達成した。(新エネルギー・産業技術総合開発機構<NEDO>)

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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「有限要素法解析ソフト Ansys工学解析入門<第3版>」(吉本 成香 、中曽根 祐司、菊池 耕生、松本 真周著/オーム社)

2020-10-29 09:42:48 |    物理

 

<新刊情報>

 

書名:有限要素法解析ソフト Ansys工学解析入門<第3版>

著者:吉本 成香 、中曽根 祐司、菊池 耕生、松本 真周 

発行:オーム社

 線形・非線形構造解析に加え、衝撃・爆発解析、伝熱解析、電磁界解析、熱流体解析、連成解析など、多種類の解析が「Ansys Workbench」で実行できる。同書は汎用有限要素法解析ソフトウェア「Ansys」(アンシス)使った工学解析の実際をソフトの使い方を含め、わかりやすく解説。第3版は「Ansys 2019 R2」をベースに解説していく。

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