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“科学技術書・理工学書”読書室―SBR―  科学技術研究者  勝 未来

科学技術書・理工学書の新刊情報およびブックレビュー(書評)&科学技術ニュース   

●科学技術ニュース●ラピダス、米IBMと次期半導体技術で戦略的パートナーシップを締結し2020年代後半に2 nm技術の量産開始へ

2022-12-15 10:00:37 |    電気・電子工学
 米IBMとラピダスは、日本が半導体の研究開発・製造におけるグローバルリーダーを目指す取り組みの一環として、ロジック・スケーリング技術の発展に向けた共同開発パートナーシップを締結した。

 ラピダスは、日本の主要企業からの賛同を得て設立された先端ロジック半導体に関する研究、開発、設計、製造および販売を行う事業会社。同パートナーシップの一環として、ラピダスとIBMは、IBMの画期的な2ナノメートル(nm)ノード技術の開発を推進し、ラピダスの日本国内の製造拠点に導入する。

 この取り組みは、数十年にわたって培われた、半導体の研究・設計におけるIBMの専門性を活用するもの。

 2021年に、IBMは世界初の2nmノードのチップ開発技術を発表した。このチップは、現在最も先進的な7nmチップに比べて45%の性能向上、または75%のエネルギー効率向上の達成が見込まれる。

 また、IBMは、先端ロジックおよびメモリー技術における日本の半導体メーカーや、日本の製造装置・材料のサプライヤー企業との共同開発パートナーシップを成功させてきた長い歴史を有している。

 同パートナーシップの一環として、ラピダスの研究者と技術者は、世界最先端の半導体研究拠点の1つであるニューヨーク州アルバニーのAlbany NanoTech Complexで、IBMおよび日本IBMの研究者と協働する。

 ラピダスは、IBM、Applied Materials、サムスン電子、東京エレクトロン、SCREEN、JSR、ニューヨーク州立大学(SUNY)を含む、Albany NanoTech Complexのエコシステムに参画する最新企業となる。

 ラピダスは、自動化や効率化など、製造における差別化戦略を展開し、製品化のスピードと競争力の向上を図る計画。また、この2nm半導体技術において市場をリードすることを目指すとともに、業界標準製品との互換性を持たせる予定。

 これによりラピダスは、2020年代後半に2 nm技術の量産を開始する予定。<ラピダス>
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●科学技術ニュース●ラピダスの「日米連携に基づく2nm 世代半導体の集 積化技術と短TAT 製造技術の研究開発」、NEDOから採択される

2022-12-13 09:33:08 |    電気・電子工学
 先端ロジック半導体に関する研究、開発、設計、製造および販売を行うラピダス(Rapidus)は、新エ ネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)より、「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発 事業/先端半導体製造技術の開発(委託)」において、「日米連携に基づく2nm 世代半導体の集 積化技術と短TAT 製造技術の研究開発」を提案し、採択された。(注:TAT(turn-around-time)=製品を完全に仕上げるまでに要する時間。それをいかに早く仕上げるかを短TATと呼ぶ)

 今回、NEDO より採択された研究開発において、同社は戦略的な国際連携により米国IBM 他と協力して2nm世代半導体の技術開発を進め、国内に量産技術(新たな製造プロセスに基 づく短TAT 製造技術)を確立する。

 委託研究終了後は、短TAT 生産を特長とする国内ファウンド リとして事業化し、経済安全保障の要である先端ロジック半導体の供給を国内に確保するとともに、 日本の産業競争力強化と国民生活の利便性向上に貢献していく。

 ラピダスは、キオクシア、ソニーグループ、ソフトバンク、デンソー、トヨタ自動車、NEC、NTTおよび三菱UFJ銀行の計8社の出資で2022年8月に設立した半導体製造企業。取締役会長には元東京エレクトロン社長の東哲郎氏、代表取締役社長には元ウエスタンデジタルジャパン社長の小池淳義氏がそれぞれ就任。<ラピダス(Rapidus)>
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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「制御の事典<新装版>」(野波 健蔵、水野 毅編集代表/朝倉書店)

2022-11-18 09:32:42 |    電気・電子工学



<新刊情報>



書名:制御の事典<新装版>

編集代表:野波 健蔵、水野 毅

編集:足立 修一、池田 雅夫、大須賀 公一、大日方 五郎、木田 隆、永井 正夫

発行:朝倉書店

 同書は「制御の事典」(2015年刊)を底本として刊行したもの。制御技術は現代社会を支えており、あらゆる分野で応用されているが、ハードルの高い技術でもある。また、これから低炭素社会を実現し、持続型社会を支えるためにもますます重要になる技術であろう。同書は、制御の基礎理論と現場で制御技術を応用している実際例を豊富に紹介した実践的な事典である。企業の制御技術者・計装エンジニアが、高度な制御理論を実システムに適用できるように編集、解説した。
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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「マクスウェル方程式で学ぶ 電磁気学入門」(竹川 敦著/裳華房)

2022-11-17 09:32:47 |    電気・電子工学



<新刊情報>




書名:マクスウェル方程式で学ぶ 電磁気学入門

著者:竹川 敦

発行:裳華房
 
 同書は、「マクスウェル方程式から始める 電磁気学」の共著者の一人である著者が、同書よりも敷居を低くし、“マクスウェル方程式から始める”スタイルでの電磁気学を初めて学ぶ方々に向けて、わかりやすさを重視して、その本質となる初歩的な内容に絞って丁寧に解説したものである。また、予備知識がなくても読み進めることができるように、必要となる大学レベルの数学まで含めてやさしく解説した。なお、同書で解説しきれていない項目については、「マクスウェル方程式から始める 電磁気学」や、裳華房のホームページの「サポート情報」コーナーに「補足事項」を用意した。
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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「電子工作が一番わかる」(馬場政勝著/技術評論社)

2022-11-16 09:34:38 |    電気・電子工学



<新刊情報>




書名:電子工作が一番わかる

著者:馬場政勝 

発行:技術評論社(しくみ図解シリーズ)

 電子工作は、半導体素子(特に能動素子)を用いた工作のことで、アナログ回路でラジオの製作や、音響機器の製作などを行っていた。その後、デジタル回路が工作に採用されるようになり、デジタルICが登場し、電気で動くものならほとんどつくることができる。同書では、電子工作ができるために必要な知識の習得を目的とし、回路図や配線などの基礎知識を説明する。
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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「電気設備の絶縁診断入門」(江原由泰、江藤計介、末長清佳著/コロナ社)

2022-11-07 09:36:54 |    電気・電子工学



<新刊情報>



書名:電気設備の絶縁診断入門

著者:江原由泰、江藤計介、末長清佳

発行:コロナ社

 同書は、これから電気設備の絶縁診断を学ぶ人に対して、できるだけわかりやすく解説した入門書。絶縁材料の劣化メカニズムの基礎から、代表的な電気設備の絶縁構造や絶縁診断法、実際に起こったトラブル事例などについて、図や写真を使いわかりやすく解説。
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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「永久磁石同期モータのベクトル制御」(新中新二著/オーム社)

2022-10-28 10:14:37 |    電気・電子工学



<新刊情報>



書名:永久磁石同期モータのベクトル制御

著者:新中新二

発行:オーム社

 同書は、モータドライブについての技術書。電機、自動車メーカなどのエンジニア、電気系の大学院生・若手研究者を主な対象として、永久磁石同期モータ(PMSM)のベクトル制御技術を解説。位置・速度センサ利用のベクトル制御とセンサレスベクトル制御に共通する、モータ制御の基礎技術についてていねいに解説。同書は、電波新聞社刊「永久磁石同期モータのベクトル制御技術 上巻―原理から最先端まで―」の増補改訂版。
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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「モータを支える電磁鋼板技術」(開道 力著/オーム社)

2022-10-25 09:41:08 |    電気・電子工学



<新刊情報>



書名:モータを支える電磁鋼板技術~電磁鋼板の入門から実機課題解決まで~

編著:森本 雅之、茂木 尚

著者:開道 力

発行:オーム社

 同書は、モータ分野の技術者を対象として、電磁鋼板の技術を電気工学の立場から述べたものである。モータ技術者に向けての電磁鋼板入門のため電磁鋼板の基礎知識からはじめ、電磁鋼板を実践活用するための性能、使用法および測定について述べている。さらに、材料技術者が理解を深めるために、電磁鋼板の磁気物性挙動についても述べている。同書は、モータに関連する技術者だけでなく、材料技術者、学生の必読書である。【目次】第1章 電磁鋼板とは 第2章 電磁鋼板の種類と基本特性 第3章 電気機器における電磁鋼板技術の基礎 第4章 電磁鋼板の特性と製造法 第5章 電磁鋼板の使用条件と選定 第6章 電磁鋼板の性能と評価 第7章 電磁鋼板の磁気挙動 第8章 電磁鋼板の性能向上と今後の展望 技術用語集
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●科学技術ニュース●産総研など、余分な乱れ無く単一電子を高効率に移送することに成功し量子コンピューターへの応用に期待

2022-09-30 09:37:56 |    電気・電子工学
 産業技術総合研究所(産総研)物理計測標準研究部門 高田 真太郎 研究員、金子 晋久 首席研究員と 東京工業大学工学院電気電子系 小寺 哲夫 准教授、太田 俊輔 大学院生(博士後期課程2年)、フランス国立科学研究センター ネール研究所 QuantECAチーム クリストファー ボイヤレ 教授、ボーフム大学 応用固体物理学専攻 アンドレアス ヴィーク 教授は、表面弾性波の孤立パルスの発生技術を開発し、その技術を用いて単一電子の高効率な移送を実現した。

 汎用量子コンピューターの実現には、離れた量子ビット間で情報を移送する手段の確立が必要不可欠。表面弾性波を用いた単一電子の移送技術は、電子が持つ量子情報の移送手段の一つとして研究が進められてきた。

 一方で、従来の研究では、ある一定の時間幅の表面弾性波バーストを用いて電子の移送が行われており、電子の移送に関わらない余分な波に起因する問題が存在した。

 同研究で開発した表面弾性波の孤立パルスによる単一電子の移送技術では、余分な表面弾性波による周囲の電子への悪影響を排除することができる。そのため、まわりの量子ビットへの擾乱を抑えた、高効率な量子情報の移送手段として、量子ビットの集積化の実現に貢献する。

 同研究は、圧電性を持つGaAs系材料を用いて表面弾性波を発生させ、新たな単一電子の移送技術の開発を行った。今後は、圧電体薄膜技術を用いることで、現在の電子スピン量子ビット研究で主要なシリコン系材料に、同研究で開発した単一電子の移送技術を適用していくことを目指す。また、チャープIDTの周波数帯域を拡げることで、さらに制御性の高い表面弾性波の孤立パルスの発生技術の開発を目指す。<産業技術総合研究所(産総研)>
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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「M5StackではじめるIoT電子工作」(伊藤浩之著/技術評論社)

2022-09-08 09:33:20 |    電気・電子工学



<新刊情報>



書名:M5StackではじめるIoT電子工作

著者:伊藤浩之

発行:技術評論社(メイカ―ズ工作工房シリーズ)

 M5Stackは拡張型の小型マイコン。豊富な拡張モジュールと面倒なはんだ付けの必要がなく、自由にカスタマイズできるので、用途に合わせた電子工作を気軽に楽しめる。小型で単純な構造でありながら、Wi-Fi、Bluetooth機能が搭載されているので、日常で役立つIoT家電を簡単に作ることができる。同書では、スマホで操作できる「ドアの開閉で感知してLINEに通知する 防犯カメラ」「土壌の状態をセンサーで感知する 植物の自動水やり装置」「心拍数・速度・回転数を管理する サイクルコンピューター」などの作例の作り方を紹介。また,Arduino IDEのサンプルプログラムもダウンロードできるので、実際に作って試すことができる。電子回路の知識がなくても作れるので、気軽に電子工作をはじめてみたい人におすすめする一冊。
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