近所に一戸建ての貸し家がありました。
最初は土地に家が建っているだけでした。
借家人は通常、門、玄関への敷石、囲い、造園などに自分のお金を使いません。
最初に借りた人は独身の女性で、仕事仕事の生活で庭には何も関心を示しませんでした。
次に借りた人は、奥さんが大変な花好きで、庭にいろいろな花を植え、いつも何かが咲いていました。
やがてこの方も自分の家を手に入れたということで引っ越してしまいました。
今は空家状態で家主が時々草取りに来ています。
ところが花好きの奥さんが残した草木は今も美しい花をつけ、しかも草花などは群がって咲くようになり、家主が雑草を取るだけなのに一段と美しい庭になりました。
草木で飾られた家は命と美と安らぎを感じさせます。