ゲートボール(GB)日記

まちなかの公園でGBを楽しんでいます。GBは老若男女一緒に楽しめる数少ないスポーツの一つです。まちびと

人々が町の住環境を守るために行動

2007年04月24日 | Weblog

高知県東洋町甲浦白浜海水浴場(出所)東洋町観光協会

高知県東洋町は県の東端にある面積74k㎡、人口3400人の、室戸阿南海岸国定公園のちょうど中央部にある自然の美しい町です。
産業はポンカン、魚介類、観光などです。
ヒノキの人工林が多く、今後は林業も有望です。

ところがこの町の前町長が人々の意見を聞かず、原子力発電環境整備機構が進める高レベル放射性廃棄物の最終処分場の設置可能性を調査する区域に応募しました。
これには町の人々も仰天しました。

調査は第一段階で地質に関する文献調査だそうです。
前町長の言い分は、文献調査をしたからと言って本当に最終処分場になる訳ではない、報告書が出てから判断すればいい、文献調査でも応募すれば中央政府から補助金が出るから町の財政は助かるという現金なものでした。

前町長に原発に関する知識があったとは思えません。
お金がほしかっただけではないでしょうか。
機構はこのお話しは無理と思ったそうです。
それなのに機構は文献調査に向けた手続きを開始しました。
原子力行政担当の経済産業省から応募を受付けよとの指示があったのでしょう。
中央政府も機構もひどいものです。
室戸阿南海岸国定公園をどう思っているのでしょうか。

人々の反対強く、今回町長選挙になり、この応募の是非が争点になりました。
結果は、応募撤回賛成の候補者が圧倒的支持を受け、新町長に就任しました。

もし文献調査が始まり、補助金を受け取り、調査結果が最終処分場として問題ないとなったら、どうして町は第二段階のボーリング調査を拒否できるでしょうか。
中央政府は、最終処分場にしてもいいと思ったから応募したはずだと言い、補助金の食い逃げをするなら二度とこの町を信用せず、補助することもないと脅すでしょう。

何事も最初が肝心です。
途中で軌道修正することは容易ではありません。

高レベル放射性廃棄物の最終処分技術は未完成です。
原子力行政は今後原発をどうすべきか見直さなければならない厳しい状態にあります。
また町に最終処分場を建設すると、町は、自然が美しい町としてより、最終処分場の町として知られることになる覚悟をする必要があります。
放射性物質に汚染されていなくても汚染されているのでないかと疑われて何となく嫌な町となり、農林水産業、観光業は経営がむずかしくなるでしょう。
最終処分場の町に住みたい、来たいという人は少ないでしょう。

町の人々は正しい選択をしたと思います。
最先端技術産業がなくても農林水産業、観光業、農林水産業や観光業に関連した加工業などを企画改善すれば、生活に困ることはないと思います。
東洋町の生活が東京の生活と同じである必要は全くありません。
役所は借金で苦しんでいるようですが、その返済のため人々が愛する町を売るようなことがあってはいけません。