kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

米中貿易戦争はハイテク摩擦

2018-07-03 06:51:21 | 日記
第一営業日高よりも二日シンポは荒れるというジンクスに軍配が
あがったようです。週明け2日の東京市場は午前中は前日の終値
を挟んだ小動きから午後は急落という結果になりました。中国人
民元の下落を材料に海外短期筋の売りが背景にあったようです。
やはり2年前の夏に中国人民元の切り下げをキッカケに日本株も
大きく値下がりした出来事が投資家の脳裏をよぎったのかもしれ
ません。

米中貿易戦争は当事国の米国と中国の株式市場の反応を見る限り
中国の方がダメージが大きいようです。輸出の絶対額は圧倒的に
中国の金額が大きい訳ですから報復関税合戦では既に中国は球切
れです。対抗策があるとすれば貿易以外の投資とか非関税障壁に
頼るしかありません。

次に米中貿易戦争で影響の大きな国は中国に対して資本財などを
輸出している日本なのかもしれません。保護主義の高まりは貿易
黒字国の日本にも悪い影響が出ているのは明らかです。実際にど
の程度の影響になるのかはハッキリしなくとも株は連想ゲームで
すから悪い連想は増幅されて市場を襲います。まして主要なプレ
ーヤーを海外投資家が担っていますから短期的には昨日なような
相場になってしまいます。

このところ2万2000円台前半で推移している東京市場はさしずめ
「帯に短し襷に長し」といったところでだったでしょう。貿易戦
争激化懸念から2万3000円を超えて上昇するには材料不足です。
一方円相場が現状の110円台で推移するなら多くの輸出企業の社
内レートの105円を上回っていることや米国経済の好調なことか
ら今後の決算発表では上方修正も期待できます。

おそらく昨日の大幅安は下値が堅いとみられていた2万2000円を
簡単に割り込んだのでシストレによる売りが売りを呼ぶという
展開になってしまったことが原因ではないでしょうか。午前中の
大幅安なら午後からの日銀ETF買いで短期筋も売り崩せなかった
でしょう。しかし午前の取引は30円弱の下げだっただけに午後か
らの日銀の買いは期待できません。結局スキを突かれた格好です。

トランプ大統領が仕掛ける中国に対して貿易戦争はハイテク摩擦
という側面もありますから事態を一層複雑にしています。先端ハ
イテク技術は軍事面での重要性も絡んできます。米国がこの分野
で今後も優位に立つためには急激に追い上げる中国に対してあら
ゆる手段を使って阻止しなければならないというのが政権中枢の
方針のようです。

かねてから中国は通信や半導体など先端技術を西側諸国から不正
に手に入れているということを指摘する専門家の見方があります。
政府の補助金で巨大な半導体工場を建設したりする中国政府丸抱
えの事業にアンフェアなところがあるという不満は多かれ少なか
れ米国だけでなく日本も欧州各国も感じているでしょう。

中国のなりふり構わぬ増産投資で需給が悪化して多くの西側企業
が撤退に追い込まれた太陽電池や液晶パネルを挙げるまでもなく
もはやハイテク分野では中国企業が台風の目です。今後の成長が
期待される有機ELやリチウム電池も地方政府の補助金を使った
中国企業の大増産が目白押しです。イナゴの大群のように次々に
市場を食い尽くすのに国を挙げて邁進している現状を不安視する
西側諸国は多いでしょう。中国が強国2025を推進する限り簡単に
は米中も摩擦も解消しないようです。
コメント
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