kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

相場は相場に聞け

2014-06-20 07:47:50 | 日記
19日の東京市場は予想外の大幅高でした。FOMCを無事通過してNY株が
今年の高値近くまで上昇したと言ってもやはり日本株に影響の大きな円相場
は101円台後半に高止まったままでは指数に大きな影響を与える輸出関連銘
柄を買上げるのには無理がありこのところの節目である1万5200円前後の攻防
が精一杯という寄り前の受け止め方でした。

また19日付け経済紙に輸出が15か月ぶりに減少したとのニュースやイラク情勢
緊迫化から原油価格がこの先も上昇続けることになれば経済への影響も懸念
されました。とても大型株主導での上昇は今日も望み薄だと思われました。前日
と同様新興市場や小型株中心の物色だと思われていました。事実寄り付きは小
幅高だった訳ですからこの大幅上昇に面食らった投資家は多かったでしょう。

政府の成長戦略の概要が分かった時点で材料出尽くしも考えられました。16日
の大幅安で当面は大きな動きは出ないだろうなという見方も多かったようです。
17日付の経済紙にも信用売り残高がアベノミクス相場がスタートしてからの最
高を記録したように個人投資家の間でも目先上値の乏しさから下落を見込む
取引が目立たようです。信用買い残高は今年のピークから2割減少という需給
面での改善も昨日の相場の追い風になったようです。相場は時として多くの予
想と反対に動くそしてその場合は値動きも大きくなるという典型的なケースだっ
たようです。

昨年までの円相場と株価の連動性が薄れた背景にあるのは東京市場におけ
る投資主体の変化でしょうか。昨年はヘッジファンドが主導する円売り株買い
あるいは円買い株売りの相場でした。アベノミクス相場で一貫して売り続けた
のは国内の年金と個人投資家でした。相場の流れも先物主導での値嵩株の
上昇が目立ったのもヘッジファンドの投資戦略とは無縁ではありません。

しかし5月末以降の東京市場の上昇の主役は年金と思われる信託銀行の大
幅な買いです。それも今まではもっぱら逆張り方針で下げた時のみ買いを入
れるといった買いでしたが今回は相場が上昇しても買い続けています。リスク
資産の株式比率を高める意図があるようです。長期投資の彼らにとっては
目先の円相場で方針をころころ変えることはありません。円相場が高止まり
しているにも拘わらず割安と思える銘柄には内需、外需株を問わず買い注文
を出しているのかもしれません。

19日の東京市場はSQ以外では久々に活況の目安である2兆円を超えました。
売買高を伴った上昇が今後も続くかどうかが焦点です。まだこの上昇に半信
半疑の投資家も多いでしょう。懐疑的な見方が多ければその投資家の買って
いないことになり意外高に繋がる可能性もあります。「相場は相場に聞け」と
いう格言に従えば年初から低迷を続けた東京市場もやっと本物の上げ相場
のスタートを切ったのかもしれません。
コメント
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