kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

円安シナリオの疑問

2011-05-16 09:41:03 | 日記
円相場については市場では当初米国のQE2終了で6月
以降ジリジリと円安が進み年末には90円も見えてくる
と言うシナリオがありました。円安の理由として米国の
景気回復で市場金利が上昇する。一方、日本は内需の弱
さから当面金融緩和が続く。米国と日本の金利差が開き
円安方向に振れる。

また大震災後はサプライチェーンの復旧には時間がかか
り自動車や部品メーカーの輸出が落ち込む一方原発停止
で火力発電用の原油などのエネルギー輸入が増加する。
それに原油高が拍車をかける。結果として貿易黒字が大
幅に減少するというものでした。

確かにそんな円安シナリオを裏付けるように4月上旬に
は円相場も85円を超えました。しかしその後ジリジリ
と円高が進んで現在は80円台で推移しています。円高
の背景にあるのは安全資産としての円の存在です。中国
をはじめ新興国が外貨準備の一環としてドルやユーロに
加えて円資産を急ピッチで積み増していることがあるよ
うです。

今後もドルの先安感やギリシャ問題が尾を引くユーロ安
懸念から消却法で円資産が買われる場面は続きそうです。
また貿易収支は悪化しても対外資産が世界一の日本では
利子配当収入などを合わせた経常収支は依然大幅な黒字
です。長らく超低金利の続く日本から米国などの債券投
資残高が積もりに積もった結果巨額の利子配当収入が今
もあるわけです。

相場の世界ですからどんなキッカケで円安に振れないと
も限りませんが、現状では大幅な円安シナリオ前提で投
資を考えるにはリスクが大きすぎると思います。その意
味では当初の予想よりも自動車生産が正常化する時期が
早まり先週活発に買われた自動車株も少しはしゃぎすぎ
ではないかと考えています。

今年の日本株はあくまで順張りではなく突っ込み買いの
吹き値売りの逆張りこそ投資の常道です。ここは焦らず
時期を待ちましょう。
コメント
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