ラジオ爺の道楽三昧

原発放射能汚染により素人百姓・孫専科を奪われ、病で蕎麦打ちも廃業。最後に残ったアマチュア無線と男の料理の細々生存証明。

TVは野次馬

2006年03月12日 | 撮影編集孫専科
先日、自分の郷愁で撮影したバレエ発表会のカメラワークである。
二週間ほど前先生にお渡して、一週間後にお会いしたが無反応、大変お忙しい方なので「まだ視聴していただけないのかな?」と思っていた。そして二週間目も無反応、どうしても感想を伺いたかったので、先生の帰りがけに「観ていただけました?」と訊ねた。
「アッ、観ました。手足が切れていましたネー、依頼した方(プロ)には一人の時は詰めても良いが、照明の具合も見たいので大勢の時は舞台全体を動かさないで写す様に頼みました」と、流石である。ニューヨークの本場で修業されたご経歴を差し引いても、一度でも経験された方なら当然の感想なのだ。
日本舞踊なども同様だが、手先から足元まで身体全体で表現するもの、しかも舞台全背景と調和させて完成だから、TVが勝手に切り取って表現する事は演者(芸術家)に取っては迷惑千万なのだ。
こんな基本中の基本もデレクターや先輩から皆んな教育されて来た。多分TVが始った当時は歌舞伎なども舞台全体Fixのまま、例えば役者が見得をキル場面なども観客席から観る客の視線扱いが、TVは画面が小さい事もあってサービス精神+お節介が高じて、何時の間にか禁断を犯す事になってしまったのかも知れない。
HDTV大型画面になり再び原点に戻る事の良否は、賞味期限切れに出番はなく、当然現役者に委ねる事になる。
それにしても血気盛んだった頃、番組視聴検討会で同僚のM君「TVは野次馬ダ!」の一言は、実に的を得た名言だった事を思い出させた。
全て百も承知してスタートした訳だったが、これまで町内会の盆踊りや秋祭り、また無線のミーテングなど、撮らせてもらい楽しんだ代償に希望者には全て無料配布していたので、今回も同様にあの愛らしい子供達の喜ぶ姿を勝手に想像していた。
しかし、隣で一緒に撮影したカメラマン、日頃はブライダル関係の撮影が生業と聞き「飯の種、プロの聖域を侵してはならない」との信念から、今回は先生に観て頂くだけに留めた。
先生の意に添わなかった点は、遊び、気の緩み、開放感も相乗して、結果的に演者の紹介カットを撮ってしまった、正に“テレビは野次馬”余計なお節介だったのかも知れない。
福島で放送部長をされたOデレクター、中継車から「その調子、その調子、イイヨ!イイヨー、手足切んないでネー」とMバレー団の幹部奥様の踊りに指示を出すインカムの指令も懐かしく思い出されたし、またこの撮影編集に関れた数日間は実に充実した日々だった。K先生「有り難うございました」感謝のみである。