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昨日福島旧友会恒例の新年会が土湯温泉「向瀧」で行われたので参加して来た。
3.11東日本大震災で確か1/3の旅館が復興叶わず廃業してしまったと報じられていたが、ここ「向瀧」は社員の生活保障を最優先に考えた経営者の努力で最近復興したと耳にした。はじめは被害の爪痕など何処からも感じられなかったが、宴会場に入って座った瞬間、畳の合わせ目が不揃いで隙間だらけが眼に飛込んだ。畳表のい草の材質も不自然で化学繊維?畳屋の技術も疑ったが、多分既製品の畳を並べたのではないだろうか。そして事のついでにお膳の料理、自称男の料理人の評価は並の下。震災以前、集客目的の観光協会と女将会共同開発の地産地消郷土料理“イカ人参”と“いも汁”の二品もあったが、味はイマイチで里芋はスーパーにも並ぶ国籍不明の加工品、皆美味いと認めた手元で炊き込んだ“釜飯”も既製品の具材だった。宿泊料金11,000円ではこんな物なのだろうが、せめて“お品書き”が添えてあるとか、仲居さんの説明でもあれば“もてなしの心”も伝わったのに何とも残念の一言。素人目で見ても福島県人は商売が下手だ。
宴会は今年も副会長のドラマデレクター出身Nさんの愉快な司会で進行され、先ずは昨年大活躍された会員2人から、Kさんは日本とパキスタン国交樹立60周年記念パキスタン未踏峰(6000m希望の峰と命名)登山隊学術隊員として、Wさんは49泊50日で四国八十八箇所巡礼の旅1180Kmを単独で完歩したそれぞれの貴重な興味あふれる報告があった。
以後はNさんの秘密兵器でもある宴会バックの小道具類も駆使した、全員が抽選箱からクジを引き、当選者の5名は幸か不幸か景品と引換えに「一曲この一節」のプラカードをかざして、思い出の歌の一節を披露した後、それに纏わる“丸秘ここだけの話”を告白するものである。
クジ運には滅法弱い自分は何故かこんな負の抽選には当ってしまうので困ってしまったが、若し当ったら、初めての転勤上野駅ホームで、当時は徒弟制度色濃い職場、師匠から「現地採用は絶対ダメだぞ」が励ましの最後の忠告?だった。赴任地の秋田では1年もした頃だろうか「君といるときが一番幸せなんだ」と台詞入り加山雄三の“君といつまでも”が大ヒットした。自分も青春を謳歌している真っ最中で、若しあの時自分の心に正直で師匠の忠告に逆らっていたら、今この場にも居なかったし我が人生も大きく変わっていたのではないだろうか、と披露しようと思ったが、幸い外れて大助かりだった。
それにしても単なるカラオケで終らせないNさんの演出はさすがにプロ。Nさんは今年限りと言っていたが、宴会バックも何時までも有効活用してもらいたいと思ったのは、自分だけではなかった実に楽しい二日間だった。