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品質経営を考える その9

2019年03月25日 | ブログ
無責任経営

 品質経営の対極にあるのが無責任経営。現在問題になっているアパート建築などで有名な一部上場企業の不祥事は、いろいろあった品質不正の中でも無責任経営の筆頭格ではなかろうか。顧客無視も甚だしい。

 アパート経営のために当該企業に建築を依頼したオーナー達も被害者というが、彼らにも責任が無いとは言えはしない。事業者には品質面も含めた取引先の与信管理が必要である。

 すでにそこに住んでいた人が相当数にのぼり、転居先を見つけ家移りしようにも時期的に困難な状況のようだ。敷金・礼金なし(現在では普通になりつつあるらしいが)で家賃も安いなどメリットはあり、運営する企業のブランドが所定の信用を生んでおり住むことにしたのであろう。顧客を欺いた企業の罪は重い。

 個人向け建売住宅などもそうなのだけれど、購入者には壁の中まで見えるわけもなく、断熱材が入っているものかなど怪しいし、二階部分を支える木組みの構造なども完成住宅では購入者に確認などできはしない。見かけの好悪と業者の知名度(ブランド)などを信用するしかない。

 車などこの国には車検制度があって、消費者は購入後にも定期に余分な出費を強いられるが、アパートや住宅の行政による完成検査はなどどうなっているのであろうか。制度があるなら今回の不正には行政にも大きな責任がある。もっとも、業者と役人はカーツーの仲というイメージがある。制度はあってもあまり検査に信用は出来ないような気もしないでもない。

 それにしても、アパートの屋根裏の仕切り壁が設置されてなかったという件に関しては、国交省の進めていた空き家再利用のための規制緩和策を、当該企業は先取りしていたことになると言うから笑える。政権の意向を受けて、現場を知らず見てもいない役人が、問題のある「規制緩和」策を進めたとの批判も出ているようだが、現政権の何かにつけての聞こえの良いフレーズの掛け声だけの無責任体質をよく表しているではないか。

 2005年の姉歯事件(構造計算書の偽装)、2015年の横浜の大型マンションが傾いた事件など、記憶に新しい建築業界の不正事例を持ち出すまでもなく、さらに詐欺まがいのリホーム業者の跋扈も含め建築業界は無責任経営が多すぎる。

 明らかに行政の怠慢、目こぼしが感じられてならない。政権が1強などと言われて、国内政治でボロが出れば外交に逃げ、北方領土問題も拉致問題も手詰まりとなれば、東日本大震災対応に心を砕いているようなフリをする。

 大企業の不祥事は政府の監督不行き届きであるとの認識をもっともっと政治家や官僚は持つべきではないか。国民は中身を知らぬまま大企業を信じ、大政党を信じる無垢なところがある。純真な国民を欺く大企業の無責任経営や無責任政治を許してはならない。






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