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春の戯言Ⅱ その1

2019年04月01日 | ブログ
北方4島返還交渉

 「春の戯言」という標題を使うのは2度目で、先の「春の戯言」は平成24年(2012年)4月。丁度ロシアのプーチンさんの大統領復帰が決定した頃で、そのプーチンさんが北方4島返還交渉に柔道用語から「はじめ」「引き分け」論を持ち出していた。時は民主党野田政権。

 当時、私のブログには、交渉継続を前提に、取り敢えず2島返還で平和条約締結を進めて良いようなことを書いている。返還された後の、島のわが国の行政成果をロシア島民に見せつけ、残りの島の返還を促すとしている。まさに戯言に過ぎない。

 しかし、現在のロシアは「引き分け」論さえ撤回し、たかだか4島全体の7%に過ぎない歯舞・色丹さえ返す意志はなさそうである。還した島に米国の基地ができるのではないかという理由を付けて卓袱台返ししたのである。

 わが国との平和条約締結に前向きで、その為には領土返還も辞さないプーチンさんを思いとどまらせるために、大統領の取り巻きが思いついた反対理由と思える。日米同盟を邪魔と考える他国からの入れ知恵もあったかも知れない。

 世界一危険な基地と言われる普天間基地の移設のために建設を始めた辺野古でさえ、あれだけ抵抗があるのに、わが国に歯舞・色丹にまで米軍基地を作れるわけなどない。外国の基地の負担を減らしたいトランプ大統領にしても新たな基地建設など思いもよらないであろうに。

 日露平和条約は、ロシアに対する長年の不信感は置いて、両国にとって有効である。ロシアは樺太・シベリア開発、資源開発にわが国の土木技術や鉄道技術は効果的であろうし、極東に住むロシア人にとって日本人との交流による民生技術の活用、文化・医療面の交流は彼らの極地での生活を豊かなものに変えるであろう。

 ロシアにしても極東における中国の増長を快くは思っておるまいし、わが国との軍事的協力ができれば、中国をけん制できる。

 それは、わが国にとって日露平和条約の大きな効果だが、ロシアの液化天然ガスなどの資源もありがたい。また北の漁場の有効活用、今後の北極海航路の実用化に向けての両国の連携が期待できる。

 竹田JOC会長が退任されることで、後任には柔道の山下泰裕氏の名前も上がっているが、山下氏は勿論JOC会長も適任であろうが、彼はまだ61歳。ぜひ国会議員になっていただき、早速に外務政務次官または外務副大臣くらいになって貰い、プーチンさんの残り6年間の任期中に北方4島返還交渉の最前線で活躍して欲しい。

 明治の時代ロシア皇帝の前で柔道を演じた駐露武官広瀬武夫が居た。柔道家プーチン大統領にとって日本の講道館は聖地であり、世界の山下はプーチン大統領にとって母国ロシアと共に心癒せる存在ではなかろうか。「春の戯言」に過ぎないだろうか。



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