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春の戯言Ⅱ その10

2019年04月28日 | ブログ
台湾

 中華民国(清に代わり1912年創立)という立派な国家である。人口は2300万人余り。戦前の台湾はわが国の統治下にあったが、戦後はわが国同様高度経済成長を成し遂げた。朝鮮半島と異なり、戦後も一貫して親日的な国家であり民主国家である。

 戦前は中国の地方ゲリラに過ぎなかった毛沢東一派が、日中戦争を利用して力を付け、太平洋戦争後(1949年)中国本土から蒋介石(1887-1975)の中華民国を台湾に追いやった。現在の共産党独裁国家中華人民共和国である。

 現在の中共にとって、共産党革命の総仕上げとして、台湾併合は建国以来の課題であり、習近平中国は最近頓に露わに台湾に圧力を掛けているという。

 米国はニクソン/キッシンジャーの時代、新たな大市場を中国大陸に求め中国に接近した。わが国も同様である。ニクソンの訪中計画(頭越し外交)に浮足立った田中角栄内閣は、米国に先んじて中共と国交を結ぶ(1972年)。あろうことかこの時、尖閣諸島に領土問題など無いにも関わらず、中共からの棚上げ論に同調した形となったために、今や尖閣諸島は一方的に中国(中華人民共和国)の核心的利益と喧伝されるまでになってしまった。明らかな田中内閣の外交(外務大臣は大平正芳)の失敗である。

 米国はカーター大統領の時、米中国交正常化を成した(1979年)が、一方議会で「台湾関係法」を成立させ、自由な民主国家中華民国を米国は守り続けるとしている。

 わが国は本来二つの中国を志向していたが、10億を超える人口を有する中国と、2千万人の台湾では、その経済的価値が違い過ぎる。中国を承認した時、台湾を切り捨てるしかなかった。それにしても国交正常化以来中国に対して3兆円を超えるODA(政府開発援助)が実施されたという。中国はそのことには全く触れず、事あるたびに日本の戦争犯罪のあることないこと持ち出して批判する。

 現在の台湾危機に対して、米国は明確に台湾を守る姿勢を貫いているが、わが国は中国の国力を削ぐために仕掛けたトランプ大統領の貿易戦争を尻目に、中国の一帯一路にさえ協力すると、二階幹事長が安倍親書を携えて習近平詣である。二階氏の政治の師は田中角栄氏であるそうだが、二階氏の世界観は未だ30年も40年も前の世界を漂っているように見える。現在の中国を真っ当に見ていない。財界と謀って現在のわが国経済事情しか頭にはない。10年後100年後のこの国、そしてあるべき世界の構想がない。いくら小選挙区制であろうとも、そんな幹事長に付き従う自民党国会議員の体たらくには吐き気がする。

 中国がもし武力で台湾に侵攻したら、日本の米軍基地からも台湾を守るための空母や戦闘機が発進するであろう。その時自衛隊はどうするのか。せめて米軍の後方支援はできるのか。

 大震災でもっとも早く多額の義捐金をこの国に贈ってくれた友邦を見捨ててはならない。台湾を席巻する中国の次のターゲットは、尖閣であり沖縄であることは明白である。





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