短編を読む その2

「クレイジー二人旅」(ドナルド・オグデン・ステュアート)
「ユーモア・スケッチ大全1」(国書刊行会 2021)

青年と年配男性が列車に乗って降りるまでを面白おかしくえがいた落語のような作品。まちがえた列車に乗ったり、苦労して切符を買ったり、その切符を失くしたり、網棚から荷物が落ちてきたりする。
「ユーモア・スケッチ大全」は少しずつ読み進め、大変楽しい思いをした。

「真珠の首飾り」
「真珠の首飾り」(レスコーフ 岩波書店 1951)

クリスマス物語。むやみに結婚したがっている男が、縁を得て結婚する。それにしても、なぜこの成金のしゅうとは嫁にいく娘にこんな真珠の首飾りを贈ったのだろう。

「これが最後よ」(アンドリュー・クレイヴァン)
「英米超短編ミステリー50選」(光文社 1996)

夫の不倫をめぐる物語と思ったら…。見事などんでん返し。
「英米超短編ミステリー50選」は読みやすくて面白い。

「殺意の明日」(キャロル・ケイル)
「英米超短編ミステリー50選」(光文社 1996)

夫殺しのミステリと思いきやコメディに転ずる、愉快な作品だ。

「怪盗ルビィ・マーチンスン、ノミ屋になる」
「最期の言葉」(ヘンリー・スレッサー 論創社 2007)

悪の天才(?)ルビィにいつも振り回される〈僕〉。今回はノミ屋をさせられたあげく、払戻金が払えなくなりパニックに。

「ガス・ステーション」(パトリシア・J・サーモンド)
「英米超短編ミステリー50選」(光文社 1996)

勤務帰りの看護婦が寄ったガス・ステーションで起こったサスペンス。ひとつの視点から見た状況の変化が鮮やか。

「大佐の家」
「最期の言葉」(ヘンリー・スレッサー 論創社 2007)

年老いた大佐と、大佐と一緒に暮らす使用人をえがいた人情話。

「お訊きしたいこと」(ヒラリー・ウォー)
「英米超短編ミステリー50選」(光文社 1996)

殺人を犯した夫から逃げようとする妻の話。長い作品の一部分のよう。すさまじい緊迫感。

「不思議な石」
「五無斎先生探偵帳」(横田順彌 インターメディア出版 2000)

五無斎先生がいいかげんな推理をしたあと、別の真相が明かされるのがパターンの明治物ミステリ。のんきな感じが好ましい。横田順彌さんのことだから、端役などもみんな実在の人物なのかもしれない。

「死者の託宣」(ピーター・ラヴゼイ)
「英米超短編ミステリー50選」(光文社 1996)

新婚旅行先でクリケットに興ずる夫と、それに腹を立てる妻。とにかくうまい。

今回は以上10作品。
それにしても、短編ミステリは夫婦殺人ものが多い。
アンソロジーをつくったら、全何巻にも及ぶものができそうだ。


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