電脳巡警 その4

――続きです。

盗聴おじさんの協力により、ウィリーの自宅が判明。
カンが張っていると、朝帰りのウィリーがあらわれる。
カンの指示で、バルがウィリーに接触。

「先日、うちの刑事が撃たれまして。そのとき使われた銃の一丁が、かつてのガースン一味とかかわりのあることがわかりまして…」

揺さぶりをかけると、部屋に入ったウィリーはすぐ仲間に電話。
カンたちはそれを盗聴および探知。
が、ウィリーが市警がきた旨をつたえると、電話はすぐ切られてしまう。
それでも、ウィリーが電話をかけた相手は判明。
JSトレーディングという会社。
代表者は、ジェームズ・ショウ。
ガースン一味のひとり、ジェイの変名。

ウィリーは部屋をでてメトロに乗りどこかへむかう。
ウィリーの性格上、いき先はアジトかもしれない。
バルがメトロのゲート管理システムに侵入し、改札を通った時刻からウィリーのチケットIDを判別。
料金といき先から、降りる駅をしぼる。

さて、湾岸のとある倉庫にいるガースン一味。
ここが、ジェイの会社でもある。
さすが悪党たちは用心深い。
ウィリーのあとを市警がつけてくるのではないかと察する。
案の定、のこのこあらわれたウィリーのあとを、カンとバルが追ってくる。
で、ガースン一味とカンとバルが出会って、アクションシーン。
乱闘のあと、銃撃戦。

カンたちを始末しようとしたガースン一味は、作戦を変更。
倉庫の温度を零下に下げて、ウィリーもろとも閉じこめる。

カンたちは懸命に脱出をはかるが、シャッターもドアも開かない。
屋外配線が切られ、電話は不通。
携帯では、倉庫の壁を通らない。
が、内線は生きていて、バルがそれを通じ、温度をコントロール。
冷気の吹きだしはやむ。

しかし、乱闘のとき投げられたバルは、温度調節がうまくいかなくなってしまった。
このままでは、5分ほどで脳が過熱。
最悪の場合、有害物質が生成される恐れが。

バルを冷やすため、カンは水をさがすが、倉庫のなかは蛇口も消火栓もみつからない。
天井にスプリンクラーをみつけたものの、暗闇のなかで銃で狙うには高すぎる。
しかし、ポケコン(スマートフォンみたいな携帯用コンピュータ)から指示をだし、スプリンクラーを誤作動させ、ぶじバルの冷却に成功。
2巻中一番の盛り上がりをみせる場面だ。

逃走したガースン一味は、昼食のため、のんきにコンビニ強盗。
車でコンビニに突っこみ、サンドイッチをとって、別の車に乗りかえる。

ところで、この時点では、カンたちはガースン一味の目的──監査官たちの指紋あつめ──をまだ知らない。
ウィリーが知っていたのは、どこかの飲み屋で、ある老人(監査官のひとりワルター・ロスマン)と会っていたということだけ。
記憶力の悪いウィリーは、老人のモンタージュもろくにつくれない。
手がかりは飲み屋ということのみ。

そこで、カンたちは再びサラの店へ。
なにも知らないとサラはいう。
ガースンが仮出所したのも知らなかった。

「やつが刑務所をでたと俺はいったけど、仮出所したとはいっていない。やつは脱獄したんだ」

と、カン。
サラが口を割り、店にきたのは元経済庁第65長官、ワルター・ロスマンと判明。
しかし、ガースンたちがなにをしたのかは、サラも知らない。

カンとバルは、獄中でガースンがみていた番組をチェックして当たりをつける。
ガースンが最後にみていたのは、「有価電子証券取引に関する当局取り決めの見通し」。
ロスマンの、山ほどある肩書きを検索すると、W&Gネットバンク特別監査官がヒット。
押収をまぬがれたカネ、隠し口座、指紋キーがひとつにつながる。

ガースンがみていたニュースは、みな来期における有価情報取引規制の改正に関するものだった。
ガースン一味は、改正前にカネを引き出して逃げるために、行動を起こしたにちがいない。
ガースンたちの目論見が唯一はずれたのは、現在、一定額以上がうごくときは、新たにキーが必要になったこと。
隠し財産の規模から考えて、必要なキーは最大級。
3人の監査官全員のキーのはず。

一方、ガースン一味は、投資コンサルタントの肩書きで、第2の監査官イルフォード卿と接触。
(おそらく架空の)実績を上げ、イルフォード卿の信用もすでに得ている。

「お客様の運用実績を考慮いたしまして、当社の独自データをリアルタイムで御覧いただけるようにします」

と、モニターの案内嬢がイルフォード卿に告げる。
背後にいるのは、もちろんジェイ。

「他社にはない重要機密ですから、特別にお客様のボックスをおつくりいたしますので、登録をお願いいたします。発信音のあと、3Dスキャナーに手をお乗せください──」

カンとバルは、イルフォード卿に連絡。
電話にでた執事に事情を説明。
なにか変わったことはないかと尋ねると、最近、主人が重用しているデリバティブ・コンサルタントを調べてほしいと執事。

「名前を、Jコンサルタントといいまして──」

会社名を聞いたカンは、思わず天を仰ぐ。

というわけで、物語は3巻へ――。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
« 電脳巡警 その3 電脳巡警 その5 »
 
コメント
 
コメントはありません。
コメントを投稿する
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。