古本まつりにいった話2008

ようやく忙しさも落ちついたので、ことしも神保町の古本まつりにでかけた。
カゼが治りかけで、げほんげほんセキをしながら本を物色。
周りのひとにはいい迷惑だったかも。
目当ては、最近夢中になって読んでいるディケンズの本。

今回はまず、出版社のブースをめぐった。
古本まつりには、古本屋だけでなく、出版社の出店もある。
ここで、汚れてしまった新品の本を安く売ったりする。
いわゆるバーゲンブック。

ところが、岩波書店はちがった。
在庫僅少の岩波文庫をならべていたものの、値引きはなし。
なぜこんなに強気なんだ?

そばに筑摩書店のブースがあり、そこはちくま文庫が半額。
ありがとう筑摩書店!
しかも、ならべてあるのはどこが汚れているのかわからないような、きれいな本。
バーゲンブックは、本の底にマルBのハンコが押してあるのがつねで、どうもそれがいちばんの汚れなんじゃないかと思ってしまうほど。
ここで、「アメリカの奇妙な話」の1巻と2巻を購入。

早川書房とか平凡社とかは、ひとがひしめいていて近寄りもできなかった。

古本まつりは、やっぱり古本屋の出店をのぞくのが面白い。
思いがけない本がたくさんある。
東洋文庫なんて、ふだん図書館でしか見かけないものが、ここではざくざくある。
この界隈は、東洋文庫密度が日本でいちばん高いんじゃないだろうか。
さすが神保町だ。

先日読んだジャン・レーの「新カンタベリー物語」を発見。
値段をみたら、700円だった。
これも神保町らしいといえるか。

「ブラックマスクの世界」がひとそろい5千円。
これはお買い得だ。
買わなかったけど。

福音館の古典童話シリーズが、どーんと売られていた。
値段は4万2千円。
だれが買うんだろうと思ったけれど、つぎきたときはなくなっていた。

だれが買うんだろうといえば、読み聞かせなどにつかう大型絵本。
すこしはなれたところにある、児童書出版社のブースではそんなものまで売られていた。
文庫活動などをなさっているかたが買いにくるのだろうか。
児童書ブースをのぞいたときは、福音館のブースなど本が半分近くなくなっていた。
熾烈なあらそいがあったようだ。

今回は忘れずに、出店の紅茶を飲み、キーマカレーも食べた。
ついでに玉こんにゃくまでいただいた。
体力の限界にきていたので、よろよろと退散。
ディケンズはみつけられなかった。
精査すれば、かならずあったと思うけれど、今回はあきらめよう。

いつものことながら、帰路、やっぱりあれを買っておけばよかったかなあなどと、後悔が頭をかすめる。
「ひとは本には金を惜しむ」
というのは、山本夏彦さんの名言だけれど、まったくそう。
読書なんていう趣味は、ほかの趣味にくらべたら(そして置く場所を考えなければ)、まあ金のかからないほうだろう。
惜しまず、買っておけばいいのに。

ただ、今回は新たな問題が。
手元にどんな本をもっているか、よく把握していないことが判明。
この本もってたよなあと、しばし思案のすえ買うのを見あわせるということが、たびたび。

来年にむけて、蔵書の目録でもつくろうかと、なかば本気で思いはじめている。

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