タナカの読書メモです。
一冊たちブログ
短編を読む その4
「千ドル」
「O・ヘンリー ニューヨーク小説集」(筑摩書房 2015)
短編を集中的に読んでいたらO・ヘンリが読みたくなってきた。この作品は、遺産の千ドルをどうつかうかという、都会のおとぎ話だ。
「天窓の部屋」
「O・ヘンリー ニューヨーク小説集」(筑摩書房 2015)
アパートの最上階で暮らす困窮したタイピストが、カシオペア座のガンマにビリー・ジャクソンという名前をつける。これもおとぎ話。
「世にも危険なゲーム」(リチャード・コンル)
「世界傑作推理12選&one」(光文社 1978)
漂着した島は人狩りを楽しむ男が支配する島だったというスリラー。
都筑道夫さんが「なめくじに聞いてみろ」(扶桑社 2000)のあとがきで、この作品について触れているので引用する。
《近年、翻訳されて好評だったイギリス作家、ギャヴィン・ライアルの『もっとも危険なゲーム』は、リチャード・コネルの有名な短篇(題も同じ)Most Dangerous Gameを下敷きにしている。(…)ライアルのこのケースは、わたしのようにコネル作品を知っているものには、クライマックスが見えすいていて、消化不良としかいえないが…》
このあと、だれそれの作品はあの作品を翻案したものだといった話が続く。
「焚火」(志賀直哉)
夜の湖畔で焚火をする名編。読んだのはどこかの日本文学全集。出版社は失念。以下も同様。
「転生」(志賀直哉)
夫婦が生まれ変わって再会する。洒脱な、外国の小説のような味わい。
「范の犯罪」(志賀直哉)
ナイフ投げ師が、妻の過去を知ったことから、その手元が狂う。故意かそうではないのかに話が集中している。
「豪華美邸売ります」(P・D・ジェイムズ)
「ある魔術師の物語 イギリス・ミステリ傑作選’76」(早川書房 1980)
1人称の、皮肉な展開を迎える殺人者の話。よくある展開だけれど文章に厚みがあり読ませる。
「グレイハウンド・バスの悲劇」(R・ブローティガン)
「芝生の復讐」(新潮社 2008)
ハリウッドに恋焦がれたものの、いく勇気がなかった女の子。
「襖(ふすま)」(志賀直哉)
襖1枚へだてた部屋でほかの家族と寝泊まりすることになった友人が、その旅芸人家族の使用人の娘に惚れられてしまう。
「二人のウィムジイ卿」(ドロシイ・L・セイヤーズ)
「美酒ミステリー傑作選」(小鷹信光/編 河出書房新社 1990)
フランスのある伯爵家に2人のピーター・ウィムジイ卿があらわれる。ピーター卿がワイン通であることから、利き酒でその正体をあばくことに。
「O・ヘンリー ニューヨーク小説集」(筑摩書房 2015)
短編を集中的に読んでいたらO・ヘンリが読みたくなってきた。この作品は、遺産の千ドルをどうつかうかという、都会のおとぎ話だ。
「天窓の部屋」
「O・ヘンリー ニューヨーク小説集」(筑摩書房 2015)
アパートの最上階で暮らす困窮したタイピストが、カシオペア座のガンマにビリー・ジャクソンという名前をつける。これもおとぎ話。
「世にも危険なゲーム」(リチャード・コンル)
「世界傑作推理12選&one」(光文社 1978)
漂着した島は人狩りを楽しむ男が支配する島だったというスリラー。
都筑道夫さんが「なめくじに聞いてみろ」(扶桑社 2000)のあとがきで、この作品について触れているので引用する。
《近年、翻訳されて好評だったイギリス作家、ギャヴィン・ライアルの『もっとも危険なゲーム』は、リチャード・コネルの有名な短篇(題も同じ)Most Dangerous Gameを下敷きにしている。(…)ライアルのこのケースは、わたしのようにコネル作品を知っているものには、クライマックスが見えすいていて、消化不良としかいえないが…》
このあと、だれそれの作品はあの作品を翻案したものだといった話が続く。
「焚火」(志賀直哉)
夜の湖畔で焚火をする名編。読んだのはどこかの日本文学全集。出版社は失念。以下も同様。
「転生」(志賀直哉)
夫婦が生まれ変わって再会する。洒脱な、外国の小説のような味わい。
「范の犯罪」(志賀直哉)
ナイフ投げ師が、妻の過去を知ったことから、その手元が狂う。故意かそうではないのかに話が集中している。
「豪華美邸売ります」(P・D・ジェイムズ)
「ある魔術師の物語 イギリス・ミステリ傑作選’76」(早川書房 1980)
1人称の、皮肉な展開を迎える殺人者の話。よくある展開だけれど文章に厚みがあり読ませる。
「グレイハウンド・バスの悲劇」(R・ブローティガン)
「芝生の復讐」(新潮社 2008)
ハリウッドに恋焦がれたものの、いく勇気がなかった女の子。
「襖(ふすま)」(志賀直哉)
襖1枚へだてた部屋でほかの家族と寝泊まりすることになった友人が、その旅芸人家族の使用人の娘に惚れられてしまう。
「二人のウィムジイ卿」(ドロシイ・L・セイヤーズ)
「美酒ミステリー傑作選」(小鷹信光/編 河出書房新社 1990)
フランスのある伯爵家に2人のピーター・ウィムジイ卿があらわれる。ピーター卿がワイン通であることから、利き酒でその正体をあばくことに。
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短編を読む その3
「ブレシアの飛行機」(ガイ・ダヴェンポート)
「紙の空から」(柴田元幸/編訳 晶文社 2006)
友人たちと航空ショーを見物しにいったカフカの文章をもとに書かれた作品。旅行の雰囲気があり楽しい。有名人が多数登場。ブレリオが飛ぶ場面が印象的。
「この人、カフカ?」(ライナー・シュタッハ/著 白水社 2017)という本に、このときの航空ショーの写真が載っており、そこにカフカと思われるひとの後ろ姿の写真が写っている。こんな写真、よくみつけたものだ。
「娘」
「コールドウェル短篇集」(コールドウェル 新潮社 1979)
人種差別を題材とした痛ましい話。徐々に状況が明らかになっている筆致が素晴らしい。
「賭け」(フリップ・ジャレット)
「英米超短編ミステリー50選」(光文社 1996)
酒場にいた見知らぬ男が、土地の若者とダーツで賭けをはじめる。ハードボイルド風の一編。緊迫感がある。
「情熱なき殺人」(ベン・ヘクト)
「世界傑作推理12選&one」(光文社 1978)
踊り子との別れ話の最中に、相手を殺してしまった弁護士。アリバイ工作をするのだが、すべて裏目にでてしまう。
ベン・ヘクトはアンソロジーでその名をみかけるけれど、一冊の本としてはみかけたことがない。ベン・ヘクト作品集なんてあってもいいと思うけれど。作品が少ないのかな。
「キリストのヨルカに召されし少年」
「ドストエフスキイ後期短篇集」(福武書店 1987)
クリスマス物語。アンデルセンのよう。
「ポタ、ポト、ポッタン、ポットン」
「時は老いをいそぐ」(アントニオ・タブッキ 河出書房新社 2012)
イメージをつないでいったような作品。見事な手腕。読んでいると昔のことを思いだす。
「犯罪者誕生」(T・M・アダムス)
「英米超短編ミステリー50選」(光文社 1996)
ミイラとりがミイラになる話。
「切り札」(T・M・アダムス)
「英米超短編ミステリー50選」(光文社 1996)
トランプをうまくつかった作品。
「骨董品が多すぎる」(ロズ・アヴレット)
「英米超短編ミステリー50選」(光文社 1996)
壁から古い人骨がでてくるのだが―。面白いが少々無理があるか。
「15年後」(ヘレン・メリアン)
「英米超短編ミステリー50選」(光文社 1996)
おそらくO・ヘンリの「20年後」を意識して書かれたもの。1人称によるミスリードが上手だ。
「紙の空から」(柴田元幸/編訳 晶文社 2006)
友人たちと航空ショーを見物しにいったカフカの文章をもとに書かれた作品。旅行の雰囲気があり楽しい。有名人が多数登場。ブレリオが飛ぶ場面が印象的。
「この人、カフカ?」(ライナー・シュタッハ/著 白水社 2017)という本に、このときの航空ショーの写真が載っており、そこにカフカと思われるひとの後ろ姿の写真が写っている。こんな写真、よくみつけたものだ。
「娘」
「コールドウェル短篇集」(コールドウェル 新潮社 1979)
人種差別を題材とした痛ましい話。徐々に状況が明らかになっている筆致が素晴らしい。
「賭け」(フリップ・ジャレット)
「英米超短編ミステリー50選」(光文社 1996)
酒場にいた見知らぬ男が、土地の若者とダーツで賭けをはじめる。ハードボイルド風の一編。緊迫感がある。
「情熱なき殺人」(ベン・ヘクト)
「世界傑作推理12選&one」(光文社 1978)
踊り子との別れ話の最中に、相手を殺してしまった弁護士。アリバイ工作をするのだが、すべて裏目にでてしまう。
ベン・ヘクトはアンソロジーでその名をみかけるけれど、一冊の本としてはみかけたことがない。ベン・ヘクト作品集なんてあってもいいと思うけれど。作品が少ないのかな。
「キリストのヨルカに召されし少年」
「ドストエフスキイ後期短篇集」(福武書店 1987)
クリスマス物語。アンデルセンのよう。
「ポタ、ポト、ポッタン、ポットン」
「時は老いをいそぐ」(アントニオ・タブッキ 河出書房新社 2012)
イメージをつないでいったような作品。見事な手腕。読んでいると昔のことを思いだす。
「犯罪者誕生」(T・M・アダムス)
「英米超短編ミステリー50選」(光文社 1996)
ミイラとりがミイラになる話。
「切り札」(T・M・アダムス)
「英米超短編ミステリー50選」(光文社 1996)
トランプをうまくつかった作品。
「骨董品が多すぎる」(ロズ・アヴレット)
「英米超短編ミステリー50選」(光文社 1996)
壁から古い人骨がでてくるのだが―。面白いが少々無理があるか。
「15年後」(ヘレン・メリアン)
「英米超短編ミステリー50選」(光文社 1996)
おそらくO・ヘンリの「20年後」を意識して書かれたもの。1人称によるミスリードが上手だ。
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短編を読む その2
「クレイジー二人旅」(ドナルド・オグデン・ステュアート)
「ユーモア・スケッチ大全1」(国書刊行会 2021)
青年と年配男性が列車に乗って降りるまでを面白おかしくえがいた落語のような作品。まちがえた列車に乗ったり、苦労して切符を買ったり、その切符を失くしたり、網棚から荷物が落ちてきたりする。
「ユーモア・スケッチ大全」は少しずつ読み進め、大変楽しい思いをした。
「真珠の首飾り」
「真珠の首飾り」(レスコーフ 岩波書店 1951)
クリスマス物語。むやみに結婚したがっている男が、縁を得て結婚する。それにしても、なぜこの成金のしゅうとは嫁にいく娘にこんな真珠の首飾りを贈ったのだろう。
「これが最後よ」(アンドリュー・クレイヴァン)
「英米超短編ミステリー50選」(光文社 1996)
夫の不倫をめぐる物語と思ったら…。見事などんでん返し。
「英米超短編ミステリー50選」は読みやすくて面白い。
「殺意の明日」(キャロル・ケイル)
「英米超短編ミステリー50選」(光文社 1996)
夫殺しのミステリと思いきやコメディに転ずる、愉快な作品だ。
「怪盗ルビィ・マーチンスン、ノミ屋になる」
「最期の言葉」(ヘンリー・スレッサー 論創社 2007)
悪の天才(?)ルビィにいつも振り回される〈僕〉。今回はノミ屋をさせられたあげく、払戻金が払えなくなりパニックに。
「ガス・ステーション」(パトリシア・J・サーモンド)
「英米超短編ミステリー50選」(光文社 1996)
勤務帰りの看護婦が寄ったガス・ステーションで起こったサスペンス。ひとつの視点から見た状況の変化が鮮やか。
「大佐の家」
「最期の言葉」(ヘンリー・スレッサー 論創社 2007)
年老いた大佐と、大佐と一緒に暮らす使用人をえがいた人情話。
「お訊きしたいこと」(ヒラリー・ウォー)
「英米超短編ミステリー50選」(光文社 1996)
殺人を犯した夫から逃げようとする妻の話。長い作品の一部分のよう。すさまじい緊迫感。
「不思議な石」
「五無斎先生探偵帳」(横田順彌 インターメディア出版 2000)
五無斎先生がいいかげんな推理をしたあと、別の真相が明かされるのがパターンの明治物ミステリ。のんきな感じが好ましい。横田順彌さんのことだから、端役などもみんな実在の人物なのかもしれない。
「死者の託宣」(ピーター・ラヴゼイ)
「英米超短編ミステリー50選」(光文社 1996)
新婚旅行先でクリケットに興ずる夫と、それに腹を立てる妻。とにかくうまい。
今回は以上10作品。
それにしても、短編ミステリは夫婦殺人ものが多い。
アンソロジーをつくったら、全何巻にも及ぶものができそうだ。
「ユーモア・スケッチ大全1」(国書刊行会 2021)
青年と年配男性が列車に乗って降りるまでを面白おかしくえがいた落語のような作品。まちがえた列車に乗ったり、苦労して切符を買ったり、その切符を失くしたり、網棚から荷物が落ちてきたりする。
「ユーモア・スケッチ大全」は少しずつ読み進め、大変楽しい思いをした。
「真珠の首飾り」
「真珠の首飾り」(レスコーフ 岩波書店 1951)
クリスマス物語。むやみに結婚したがっている男が、縁を得て結婚する。それにしても、なぜこの成金のしゅうとは嫁にいく娘にこんな真珠の首飾りを贈ったのだろう。
「これが最後よ」(アンドリュー・クレイヴァン)
「英米超短編ミステリー50選」(光文社 1996)
夫の不倫をめぐる物語と思ったら…。見事などんでん返し。
「英米超短編ミステリー50選」は読みやすくて面白い。
「殺意の明日」(キャロル・ケイル)
「英米超短編ミステリー50選」(光文社 1996)
夫殺しのミステリと思いきやコメディに転ずる、愉快な作品だ。
「怪盗ルビィ・マーチンスン、ノミ屋になる」
「最期の言葉」(ヘンリー・スレッサー 論創社 2007)
悪の天才(?)ルビィにいつも振り回される〈僕〉。今回はノミ屋をさせられたあげく、払戻金が払えなくなりパニックに。
「ガス・ステーション」(パトリシア・J・サーモンド)
「英米超短編ミステリー50選」(光文社 1996)
勤務帰りの看護婦が寄ったガス・ステーションで起こったサスペンス。ひとつの視点から見た状況の変化が鮮やか。
「大佐の家」
「最期の言葉」(ヘンリー・スレッサー 論創社 2007)
年老いた大佐と、大佐と一緒に暮らす使用人をえがいた人情話。
「お訊きしたいこと」(ヒラリー・ウォー)
「英米超短編ミステリー50選」(光文社 1996)
殺人を犯した夫から逃げようとする妻の話。長い作品の一部分のよう。すさまじい緊迫感。
「不思議な石」
「五無斎先生探偵帳」(横田順彌 インターメディア出版 2000)
五無斎先生がいいかげんな推理をしたあと、別の真相が明かされるのがパターンの明治物ミステリ。のんきな感じが好ましい。横田順彌さんのことだから、端役などもみんな実在の人物なのかもしれない。
「死者の託宣」(ピーター・ラヴゼイ)
「英米超短編ミステリー50選」(光文社 1996)
新婚旅行先でクリケットに興ずる夫と、それに腹を立てる妻。とにかくうまい。
今回は以上10作品。
それにしても、短編ミステリは夫婦殺人ものが多い。
アンソロジーをつくったら、全何巻にも及ぶものができそうだ。
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短編を読む その1
手元に未読の本がたまってきた。
買わなければいいのだけれど、つい買ってしまう。
まったく、しょうがない。
そこで、未読の本を消化するために、1日1編、短編を読むことにした。
といっても、1日1編を読むのも大変だから――寝床で読んでいるとすぐ寝てしまう――土日は休みにして、1週間に5編読むことに。
何日かかけて1冊の本を読むより、1日1編短編を読むほうが、未読本の消化スピードは早いのではないかと思った次第。
1週間で5編だから、2週間で10編。
読んだ作品は要約したり、簡単な感想をつけたりする。
とにかく1年間やってみます。
どんどん読んで、どんどん処分していこう。
読んでいる作品のジャンルに脈絡がないのはいつものこと。
こればかりは、もったが病で治らない。
「古書の呪い」
「ブラウン神父の醜聞」(チェスタトン 東京創元社 1980)
ミステリというより、ほとんど寓話に域に達している。
「緑の人」
(同上)
殺人時の登場人物の位置関係が判然としない。チェスタトンの作品ではよくあることだが。
「橋の畔で」
「ハインリヒ・ベル短篇集」(岩波書店 1988)
わずか4pの作品。私――おそらく戦争で負傷した――は、橋で通行人を数える仕事をしている。1日に2度、アイスクリーム・パーラーに勤めて帰ってくるために橋を渡る娘がいるのだけれど、その娘のことは数えない。彼女を統計上の数字にしたくないからだ。
「バラ園」(モンタギュ・R・ジェームズ)
「恐怖通信」(河出書房新社 1985)
バラ園をつくるためにベンチや杭をとりのぞいたところ、怪異が起こるという話。たいそう薄気味悪い。
「女房の殺し方」(マイケル・J・エルリッチ)
「英米超短編ミステリー50選」(光文社 1996)
「なんでも自分でやりたがる! あんたはしみったれよ」と女房に怒鳴られる夫が主人公。オチが気が利いている。
「オクトパシー」
「オクトパシー」(イアン・フレミング 早川書房 1983)
007シリーズの1編。ドイツ軍の金をひそかに手に入れ、いまはジャマイカで引退生活を送るスマイス大佐のもとにボンドがあらわれる。タイトル通りタコが登場。その役割はなんだか民話のようだ。
「旅する男」(ヘンリー・スレッサー)
「クレージー・ユーモア : 海外SF傑作選」(講談社 1976)
未来から来た男に瞬間移動できるペンダントをもらった男が、あっちへいきこっちへいきし、そこに恋も加わる。他愛ない話だけれど、やはりスレッサーは上手い。
「ボーダーライン事件」
「窓辺の老人」(マージェリー・アリンガム 東京創元社 2014)
ヒロインが気の毒だ。この作品はたしか「世界短篇傑作集 」(江戸川乱歩/編 東京創元社)のどこかの巻にも収録されていたと思う。
「魚捕り猫亭の殺人」(エドナ・セント・ヴィンセント・ミレー)
「世界傑作推理12選&one」(エラリー・クイーン /編 光文社 1977)
妻に去られ、水槽のウナギだけが友だちのシェフの話。これもなにやら薄気味悪い。岡本綺堂の「鰻に呪われた男」を思い出した。
「悲しみは早馬に乗って」
「悲しみは早馬に乗って」(ドロシー・ギルマン 集英社 2008)
夫を亡くし、悲しみから逃れるため息子2人を連れて世界中を旅する妻。その姿が、息子たちの回想によりえがかれる。素晴らしい作品だった。
買わなければいいのだけれど、つい買ってしまう。
まったく、しょうがない。
そこで、未読の本を消化するために、1日1編、短編を読むことにした。
といっても、1日1編を読むのも大変だから――寝床で読んでいるとすぐ寝てしまう――土日は休みにして、1週間に5編読むことに。
何日かかけて1冊の本を読むより、1日1編短編を読むほうが、未読本の消化スピードは早いのではないかと思った次第。
1週間で5編だから、2週間で10編。
読んだ作品は要約したり、簡単な感想をつけたりする。
とにかく1年間やってみます。
どんどん読んで、どんどん処分していこう。
読んでいる作品のジャンルに脈絡がないのはいつものこと。
こればかりは、もったが病で治らない。
「古書の呪い」
「ブラウン神父の醜聞」(チェスタトン 東京創元社 1980)
ミステリというより、ほとんど寓話に域に達している。
「緑の人」
(同上)
殺人時の登場人物の位置関係が判然としない。チェスタトンの作品ではよくあることだが。
「橋の畔で」
「ハインリヒ・ベル短篇集」(岩波書店 1988)
わずか4pの作品。私――おそらく戦争で負傷した――は、橋で通行人を数える仕事をしている。1日に2度、アイスクリーム・パーラーに勤めて帰ってくるために橋を渡る娘がいるのだけれど、その娘のことは数えない。彼女を統計上の数字にしたくないからだ。
「バラ園」(モンタギュ・R・ジェームズ)
「恐怖通信」(河出書房新社 1985)
バラ園をつくるためにベンチや杭をとりのぞいたところ、怪異が起こるという話。たいそう薄気味悪い。
「女房の殺し方」(マイケル・J・エルリッチ)
「英米超短編ミステリー50選」(光文社 1996)
「なんでも自分でやりたがる! あんたはしみったれよ」と女房に怒鳴られる夫が主人公。オチが気が利いている。
「オクトパシー」
「オクトパシー」(イアン・フレミング 早川書房 1983)
007シリーズの1編。ドイツ軍の金をひそかに手に入れ、いまはジャマイカで引退生活を送るスマイス大佐のもとにボンドがあらわれる。タイトル通りタコが登場。その役割はなんだか民話のようだ。
「旅する男」(ヘンリー・スレッサー)
「クレージー・ユーモア : 海外SF傑作選」(講談社 1976)
未来から来た男に瞬間移動できるペンダントをもらった男が、あっちへいきこっちへいきし、そこに恋も加わる。他愛ない話だけれど、やはりスレッサーは上手い。
「ボーダーライン事件」
「窓辺の老人」(マージェリー・アリンガム 東京創元社 2014)
ヒロインが気の毒だ。この作品はたしか「世界短篇傑作集 」(江戸川乱歩/編 東京創元社)のどこかの巻にも収録されていたと思う。
「魚捕り猫亭の殺人」(エドナ・セント・ヴィンセント・ミレー)
「世界傑作推理12選&one」(エラリー・クイーン /編 光文社 1977)
妻に去られ、水槽のウナギだけが友だちのシェフの話。これもなにやら薄気味悪い。岡本綺堂の「鰻に呪われた男」を思い出した。
「悲しみは早馬に乗って」
「悲しみは早馬に乗って」(ドロシー・ギルマン 集英社 2008)
夫を亡くし、悲しみから逃れるため息子2人を連れて世界中を旅する妻。その姿が、息子たちの回想によりえがかれる。素晴らしい作品だった。
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