「リュシエンヌに薔薇を」から「事故」

相変わらず、更新している時間がない。
手元のノートをみていたら、「リュシエンヌに薔薇を」(ローラン・トポール/著 榊原晃三/訳 早川書房 1992)から、「事故」というコントを書き抜いてあったのをみつけた。

すっかり忘れていたのだけれど、ナンセンスでとても楽しい。
更新の代わりに、これを引用しよう。
(このコントが収録されていた「リュシエンヌに薔薇を」がどんな本だった、どうしても思い出せないのだけれど…)

 「事故」
「イエスはチベリア湖の水面に思い切って足を踏み入れた。まだ信用していない使徒たちは、救世主の足元をじっと見つめていた。イエスが水の上を歩かれている! 主の足は1ミリメートルも水中に踏みこんでいない。眼を天のほうに上げて、主はご自分のいるとろを忘れておられるようだ。
 と、使徒たちの悲鳴がほとばしった。しかし遅すぎた。
 イエスはバナナの皮に気がつかれなかったのだ。たちまち主は身体をささえ切れなくなって滑ると、首を波頭の上で砕いてしまわれた。」


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「一冊たち絵本」の紹介本が300冊突破

個人的にやっている、手当たり次第に絵本を紹介するサイト、「一冊たち絵本」の冊数が、300冊を超えた。
おぼえきれなくなってきているので、2、3度紹介してしまっている本もあるかも。
次の目標は400冊だ。


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勝呂忠さん亡くなる

毎日新聞(2010年8月22日)の書評欄を読んでいたら、丸谷才一さんによる、「卵をめぐる祖父の戦争」(デイヴィッド・ベニオフ 早川書房 2010)についての短い書評が載っていた。
それで知ったのだけれど、長年ハヤカワ・ポケット・ミステリの装丁を手がけていた勝呂(すぐろ)忠さんは、今年3月15日に亡くなられたのだそう。
そうだったのか。

今後、装丁は水戸部功さんが担当し、その第一作がこの「卵をめぐる祖父の戦争」だという。

ところで、この書評は300字くらいの小さなスペース。
このスペースのなかに、ポケット・ミステリの装丁に抽象画を用いたのは、創刊編集長田村隆一のアイデアだったこと、アメリカのペーパーバック・ミステリふうの煽情的な絵ではなかったことが成功して、ミステリは日本知識人の読物になったこと、勝呂さんが亡くなり、水戸部さんがその仕事を継ぐことになったこと、そして本書が大変面白い小説であることが記されている。
大変な高密度ぶり。
見事な芸だ。

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ちくま文庫復刊リクエスト

先日、ちくま文庫の「文豪怪談傑作選」の「幸田露伴集」(東雅夫/編 2010)を買った。
後半に、読んだことのない随筆が収録されていて、それを読むのが楽しい。
収録作を挙げておこう。

「幻談」
「観画談」
「対髑髏」
「新浦島」
「魔法修行者」
「怪談」
「支那に於ける霊的現象」
「神仙道の一先人」
「聊斎志異とシカゴエキザミナーと魔法」
「東方朔とマンモッス」
「今昔物語と剣南藁」
「蛇と女」
「金鵲鏡」
「ふしぎ」
「伝説の実相」
「それ鷹」
「扶鸞之術」

いや、これが本題じゃなかった。
この本を買ったら、「文庫復刊リクエストアンケート」というのが挟まっていて、その話がしたかった。
これは、ちくま文庫、ちくま学芸文庫の品切れ本150点のなかから、復刊を希望する本を3点選んでハガキを送ってくれという企画。
もしかしたら、ほしい本を復刊してもらえるかもしれない。

――よし、この機会にディケンズを復刊してもらおう!
と、思ったのだけれど、リスト中にあるディケンズは、「荒涼館」「ピクウィック・クラブ」だけだ。
両方とももってる…。
なぜ、ほかの作品を復刊しないのか!
「リトル・ドリット」とか「骨董屋」なら絶対買うのに!

あと、気になるのは「わが夢の女 ボンテンベルリ短篇集」とか。
唐木順三の「日本人の心の歴史」も、なぜか下巻しかもっていないから上巻がほしい。
リクエストの応募はホームページからでもできるそう。
有志はお願いしてみるといいかも。
締め切りは9月15日。
抽選で100名様にオリジナル・トートーバックが当たるとのこと。


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ハードカバーは必要か

先日、知人にこんなことをいわれた。

「ハードカバーって意味あるの?」
「はい?」
「値段は高いし、重いし、大きいし、すぐ壊れるし、ひとつもいいところがないじゃない」

返答に窮した。
その後、ずっと窮しっぱなしだったのだけれど、きょうひとつ答えになりそうなことを思いついたので書いておく。

「ハードカバーは高級そうにみえる」

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