勝呂忠さん亡くなる

毎日新聞(2010年8月22日)の書評欄を読んでいたら、丸谷才一さんによる、「卵をめぐる祖父の戦争」(デイヴィッド・ベニオフ 早川書房 2010)についての短い書評が載っていた。
それで知ったのだけれど、長年ハヤカワ・ポケット・ミステリの装丁を手がけていた勝呂(すぐろ)忠さんは、今年3月15日に亡くなられたのだそう。
そうだったのか。

今後、装丁は水戸部功さんが担当し、その第一作がこの「卵をめぐる祖父の戦争」だという。

ところで、この書評は300字くらいの小さなスペース。
このスペースのなかに、ポケット・ミステリの装丁に抽象画を用いたのは、創刊編集長田村隆一のアイデアだったこと、アメリカのペーパーバック・ミステリふうの煽情的な絵ではなかったことが成功して、ミステリは日本知識人の読物になったこと、勝呂さんが亡くなり、水戸部さんがその仕事を継ぐことになったこと、そして本書が大変面白い小説であることが記されている。
大変な高密度ぶり。
見事な芸だ。

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