さすらい人の独り言

山登り、日々の独り言。
「新潟からの山旅」別館
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さすらいの風景 ヨセミテ その7

2021年03月17日 | 海外旅行
11月5日(日) 6:20 Yosemite Lodge発 7:55 El Capitan Vista  8:37 Tunnel View 8:41 発 9:00 Bridalvail Fall Trail分岐 9:20 Inspiration Point 9:50 発 10:05 Bridalvail Fall Trail分岐 10:23 Tunnel View 11:02 El Capitan Vista  11:48 El Capitan Bridge 12:05 発 13:00 Leidig Meadow 13:22 発 13:38 Yosemite Lodge着

 日本のハイカーの悪いくせでピークにどうしても目がいってしまうが、バレーフロアの西半分の見物が残っていた。通常では、バレーフロアツアーとしてオープントラムで回るコースではあるが、写真を撮りがてら歩いて回ることにした。



朝日に輝くエル・カピタンの岩壁







 早朝に出発すると、マースト川の南岸の道路は、車の通過も殆ど無く落ち着いて歩くことができた。太陽が昇るに連れて、イーグルピークの頂上や、エル・カピタンの岩壁が明るく照し出された。インスピレーションポイントまで足を延ばすつもりであったので、急いで歩く必要があったが、写真のためにしばしば立ち止まることになった。

 エルカピタンビューは、昼間の観光客の混雑は無かったが、カメラマニアが道路上に三脚を構えていた。巨大な岩壁に向い合うと、その巨大さには圧倒される。光が斜に当たり、岩肌の陰影が立体的に浮き出ていた。クライミングのルートを知っていたら、もっと興味深かったと思う。



トンネルビューからの眺め



左にエルキャピタン、右にカテドラルロック

 車道分岐から、冬季閉鎖のためのゲートを越すと、緩やかな登りになった。トンネルビューには、すでに観光バスがとまって、中版カメラを構えたカメラマニアもいた。両脇にエルキャピタンとカテドラルロックを配置し、中央奥にハーフドームを覗かせるU字谷のパノラマが広がっていた。確かに印象的な眺めである。

 インスピレーションポイントへのトレイルに入ると、ジグザグの本格的な登りになった。途中で横断するブライダルベール滝からの車道跡のトレイルの横断部が中間点で、その先も本格的な登りが続いた。トンネルビューの駐車場から気楽な気分で登ってきてしまうと、辛い目にあってしまうトレイルであった。



インスピレーションポイントからの眺め



左にエルキャピタン、谷奥にハーフドーム

 広場の一角に出ると、トレイルのその先の案内からインスピレーションポイントの文字が無くなっており、目的地に到着したことが判った。地面には、コンクリートの跡が残っており、駐車場があったようである。広場からは、木が邪魔をして眺めは得られなかった。こんなはずではと思いながら踏み跡を下ると、岩が露出して段状になった斜面の縁に出た。ここからは雄大な眺めが広がっていた。名前の通り、岩に腰を下ろして思索にふけるのに良い所であった。眺めは、トンネルビューと類似してはいるが、より高度感と谷の奥行きが増していた。素晴らしい絵葉書的な風景であった。あまりにも構図が決まっているため、この風景を芸術写真にするには、アンセルアダムスのように、嵐の後の一条の光のような、プラス・ワンが必要なようである。



再びトンネルビューからの眺め



カテドラルロック。手前にかかるのは、ブライダル滝。

 帰り道に、二組のカメラマニアが登ってきたが、どちらも急坂にのびていた。インスピレーションポイントは、ハイカーよりも、カメラマニアに人気が高いようである。トンネルビューに戻ると、観光客で混雑していた。



エル・キャピタンの岩壁




 エル・キャピタンビューに戻り、帰りは、エル・キャピタン橋から右岸沿いのトレイルを歩くことにした。橋のたもとに人が立って岩壁の双眼鏡で覗いていた。双眼鏡を取り出してエル・カピタンの中を捜していくと、ようやくクライマーを見つけることができた。かなり大きな岩棚に残った1人から、斜右上に先行した2人に向かって、ザックをロープで吊り上げる作業中であった。巨大な岩壁の中で、肉眼では人はケシ粒程であり、双眼鏡でも一度視点をずらすともう一度見つけるのが困難であった。4ー6日がかりのクライミングという。



イーグルピーク





マーセド川





ハーフドームの眺め

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 マーセド川沿いのトレイルは、林の中を通り抜けると、黄金色に染った草原に出て、その度に新しい眺めが広がった。Ludwig meadowは、草原の上にハーフドームからノースドーム、ヨセミテフォールのパノラマが広がっていた。草原の中央への踏み跡を辿り、草の上に腰を下ろして、ビール付きの昼食にした。素晴らしい眺めを楽しみながらのビールは、いかなる美女のおしゃくも及ばないものである。

 前回に比べて、公園内は人が少なく、車の騒音も殆ど無かった。滝の眺めこそだめであったが、黄金色の草原が美しい晩秋であった。ほろ酔いになってヨセミテビレッジに戻り、バスの出発時間前に、もう一度センティネルブリッジまで往復して、ハーフドームに別れを告げた。

 2泊3日を2回の訪問で、ヨセミテバレーの一通りは見て回ることができた。いつの日か、滝の美しい春に訪れてみたいものである。
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