立て続けの日本人のノーベル賞受賞…
実にすばらしい…(ガリレオ・湯川学風)。
しかし、一方で、日本国内における基礎研究環境の貧弱さ、
歯止めのきかない優秀な人材の海外流出(野球と一緒)、
国内教育のあり方などなど、
様々な問題点が浮かび上がってくる。
さらに、
ノーベル賞授賞者の選定基準ってどうなってんの?で
ここにも問題が見え隠れする。
あ
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まずは米国メディアが伝える今年のノーベル物理学賞決定の
記事をお読みください。
あ
3 Physicists Win Nobel Prize
3人の物理学者がノーベル賞を受賞
あ
なぜ宇宙が存在するのか、またそれを規定する法則は何かを説明する助けとなる、自然界の基本的粒子の対称性の中にある小さな破れの発見により、アメリカ人1人と日本人2人に 2008 年のノーベル物理学賞が授与されることとなった。
Chicago 大学 Enrico Fermi Institute の南部陽一郎氏は、ほぼ半世紀前に行った業績で賞金 1,400 万ドルの半分を受け取ることになる。
残りの半分はつくば市にある高エネルギー加速度研究機構の小林誠氏と、京都大学湯川理論物理学研究所の益川敏英氏の二人で分けられる。
授与するスウェーデン王立科学アカデミーは、この3人は、『物質の最も小さな基本構造のはるか内部に起こっていることに深い理解をもたらした』と発表した。
この3人の物理学者は、自然に存在する対称性が、微妙だがしかし重大な道筋で破られる事実を解明しようとしたパイオニアであった。
世界における最も重要な非対称の一つ、すなわち粒子と反粒子のバランスは、なぜ宇宙が今のように存在しているかを説明する。
粒子と反粒子は似ているが、正反対のものだ。
電子は陰性電荷を帯びているが、その反粒子である陽子は陽性電荷を持つ電子である。
両者が衝突すると、お互いを消滅させてしまう。粒子と反粒子が全く同じ量の対称な世界では、仮にそんな世界でも何かが存在し得たとすると、その生命は扱いにくく粗暴で短いであろう。
しかし 137 億年前のビッグ・バンの時には 100 億個の反粒子に対して、一つ余分な粒子が存在した。
こうして残った物質が、今我々の生活している安定した物質中心の世界を構成したのだ。
ただしこれがなぜ起こるのかは謎のままである。87 歳の南部氏はインタビューに答えて次のように語った。
1952 年に日本から米国にやってきて、プリンストン高等研究所に入り、そこで、原爆を製造したマンハッタン計画の科学部門のトップ J Robert Oppenheimer 博士や、いまだに物理学の基盤的理論となっている相対性理論の Albert Einstein 博士と出会ったのだという。南部氏の『自発的対称性の破れ』についての数学的研究は 1960 年に始まった。
それは今の『標準理論』の基礎となっているのであるが、この理論は自然界の3つの基本的な力について説明している。3つの力とは、強核力、弱核力、および電磁力のことである。フランスとスイスにある巨大な原子加速器大型ハドロン衝突型加速器を来年再稼動させるにあたり、物理学者たちはこれらの力の根源を説明したいと考えている。
「今回の知らせを聞いて、驚いています。何年もの間、私が候補に挙がっていたと聞いていますが、この特別な時期に、とは思っていませんでした」と、南部氏は言った。
Austin にある Texas 大学の物理学および天文学の教授、Steven Weinberg 氏は、「南部氏への授賞は遅すぎたと思います。この現象の重要性を認識していた最初の人物だったのですから」
1972 年、当時2世代のクォーク quark までは知られていたが、小林氏(64 歳)と益川氏(68 歳)は3世代のクォークの存在を予測した。(クォークとレプトン lepton はすべての物質の2つの基本的な構成要素と考えられており、原子核を形作る)
彼らの計算は、高エネルギー物理学の実験によって確認され、今日知られている6つのクォークのうちの、チャーム、ボトム、およびトップの3つのクォークの発見につながった。実験的にすべての粒子をそれらの反粒子で置き換え、逆の実験を行い、同様の結果を得ることは可能であろうと物理学者達は考えていた。
しかし、そこには微妙な違いが存在することがわかった。
対称性の破れを説明することのできる3世代目のクォークの理論がイタリアの物理学者 Nicola Cabibbo の研究成果によって持ち上がり、小林氏と益川氏によって確固たるものとなされたのである。イタリアの物理学者たちの中には Cabibbo 氏に対する冷遇に憤慨していると発言するものもいた。
「ノーベル賞が物理学のこの領域に授かったことは喜ばしいことです」と、Italian Institute for Nuclear Physics の所長、Roberto Petronzio 氏はイタリア紙 La Repubblica に語った。
「しかし、私はこの偏った授賞にひどく失望していると言わざるを得ません。小林氏と益川氏が行った貢献は、イタリア人物理学者 Nicola Cabibbo がその生みの親となった核心的理論を発展させたに過ぎないのですから」一方、小林氏と益川氏はこの受賞に対して興奮を抑えながら応えた。
AP通信によると小林氏は「受賞は思っても見ませんでした。ただ、自分の興味を追求してきただけです」と述べた。
片や、益川氏は「ノーベル賞なんて世俗的なできごとです」と語った。
あ
実におもしろい。でも、さっぱりわからない…(再び湯…、しつこいって)
さすがに米国紙、ノーベル物理学賞受賞者は
米国人1人、日本人2人とはっきり書いています。
今や、生まれや民族がどうのこうのより、
国籍がどこか?ですよね。
さて、賞金は3人で山分け?ではなくて、
南部氏が半分、
小林氏と益川氏が残りの半分
(それを二人で山分けかどうかはわからない)
とあります。
業績の大きさからそうなのでしょうね。
とすると、まずは南部氏の授賞は問題なさそうですね。
でも、記事中にありましたが、
イタリア人がたいそう怒っておられるとか。
ある意味、小林、益川両氏はラッキーだったのかもしれません。
こらこらっ!
あんたにケチをつける資格はないって!(ごもっとも)
ノーベル賞の候補に挙げられるだけでもすごいことなんですから。
でも、イタリア人はちょっと失礼すぎます。
日本人を泥棒呼ばわりなんてヒドイ。
横取りしたんじゃありません。せめて棚から落ちてきたくらいにして下さい。(十分失礼ですね(^^ゞ)
ノーベル賞はやはりすごいと思うのですが、受賞された方々に対してあんな風にマスコミは各局ごとにインタビューしなきゃならんのでしょうか?キャスター達はアホな質問を連発するし(キャスター達も意味理解してないから何聞いていいかわかってない)、ご本人たちも慣れないことでたいそう戸惑っておられたように思います。我々としてはただ素直に喜ぶしかないのでしょうね。