ほなさんの汗かき日記

かくれ肥満の解消に50歳を超えてはじめた健康徒歩ゴルフ。登場する個人名、会社名、内容はフィクションである。

川風に拭かれて(中)

2010年08月16日 | 日記
I女史のパターの打ち方は独特だ。
ボールに覆いかぶさるような体制から、球を打
とうとして、直前でヘッドを停めるから、周囲
のものは、意外に思う。しかし、今度はヘッド
を上げるとそのまま球を打ち抜くというものだ。

ヘッドの芯に当てる、これがゴルフの真髄なん
だろうが、目の下で停まっているボールに、振
れば当たるパターを当てることが、とても難し
いと思うようになった。

ほなさんは、いつも
「あーっ、残念。お嬢ちゃん!」
と周りに揶揄されている。カップまで、どえら
くショートしてしまい、そのたびに恥ずかしい
思いをしているのだった。

「なんで?なんで、わちきの育ちを知っている
 のえ?」
ととぼけて言うか、
「足らん!だいぶ足らんのは、私の頭」
と開き直ってみても、なんともはやパターの芯
に当たっていないのだから、ボールは転がらな
いのだ。目下に、じっとしているボールに、こ
れほど当たらないものか、と思う。

I女史の行為は、パターヘッドが球の中心に当
たるかどうか、毎回試しつつやっているようだ。
ヘッドがボールの中心を打ち抜くことが理想と
されるから、狙いはそこなのだろう。中心にヒ
ットすれば、ヘッドは乾いた高い音をたて、打
たれた球は勢いづき転がる。

ところが一方で、球の転がりをよくするために、
回転をかける打ち方というものがあるようだ。
ほなさんが強く打つと、勢い良く球は飛び出す
が、しばらく行くとゆっくりし、やがて停まる
のに、師匠らの球筋は、地面に吸い付くように
してグリーンを走り、ゆっくりでもなく早くで
もなく、どこまでも停まることなくカップの淵
を舐めながら、ヘッドで打たれた初速と同じ速
さでカップにすべりこんでゆくように見える。

目を凝らしていると、K師匠や○坂師匠は、ボ
ールの頭を擦るような打ち方で、トップスピン
とかいう技をかけているのじゃないだろうか。

師匠連中のパターはとにかく良く走るので、一
時まねてみたが、球を擦るとまっすぐいかない、
距離感がわからん、結局うまくいかんので止め
た。

一度でいいから、登り傾斜にあるカップを、30
cmオーバーして、
「あー、クソ!外れたか!」
と言ってみたいもんだ。