kan-haru blog 2013 善光寺出開帳回向院ガイドブック
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善光寺詣り
昨秋の渋温泉旅行をした時、東京に帰りすがりの10月31日に久振りに善光寺によってお詣り(「旅ものがたり 善光寺・小布施・渋温泉 北斎が愛した小布施の歴史を追い、渋温泉でくつろぎ善光寺参りその5」参照)をしてきました。その前の善光寺詣りはあんずの花見に行った1997年(平成9年)4月で、この年はご開帳と重なり515万人の人出により本堂内は参詣者で一杯で、お参りするのがやっとの状態でした。
・善光寺ご開帳
善光寺御開帳は7年に1度開催され、人出が多いことで知られています。善光寺の御開帳は50日以上にわたって行われ、2009年(平成21年)の前回のご開帳(「善光寺御開帳2009年信州の旅.com」参照)は673万人の参拝で、1日に平均10万人程度が訪れたことになります。御開帳のシンボルである「回向柱」に触れようとする人は多いので、山門のはるか手前から並ばないと触れません。
平成21年善光寺ご開帳回向柱のミニチュア(左・中左・中右・右写真拡大)
善光寺の御本尊は、一光三尊阿弥陀如来は絶対秘仏であり、今までに誰も見たことがありません。ご開帳には、御宝庫に安置されている鎌倉時代に造られた「前立本尊」(重要文化財)を、御本尊の身代わりとして本堂にお移し、厨子の扉を開けて一般の人が参拝できます。「前立本尊」とは、御本尊の前に立たれる分身の仏さまであることからこのように呼ばれ、ご開帳を、「善光寺前立本尊御開帳」と云われます。
・善光寺出開帳両国回向院
出開帳とは、普段参拝ができない寺院の本尊を地方に出向き、一定の期間拝むことができるよう祀ることを云います。江戸時代には寺社が出向き、秘仏や仏様を開帳する「出開帳」が盛んでした。
善光寺の両国回向院での最初の出開帳は、今より350年前の1692年(元禄5年)に行われました。
中でも江戸時代に回向院で行われた善光寺の出開帳は大変な人気で、特に1778 年(安永7年) 出開帳では、60日で1,603万人の参詣があったとも云われています。
善光寺如来御開帳之図 井両国広小路賑墨田区より
善光寺如来御開帳之図
回向院で六十日間、善光寺が開帳を行った際の様子が示されています。その註釈では「わざわざ信州まで出向いて参詣・結縁しようという者もいるのに、如来様の方から江戸の人々と結縁するために江戸に出てきて下さる。そのありがたさを感得して、参詣するよう」と勧めたもので、上が開帳の図で、下が両国の賑わいを表した図です。
江戸時代から、回向院での出開帳を通じ災害犠牲者の供養を続けてきており、東日本大震災で亡くなられた多くの方々のご供養と被災地の復興支援を目的とし、鎮魂の祈りと「如来様との結縁により復興の光を届けたい」という思いをこめた「復“幸”支“縁”」として収益を震災被災地の復興に充てることで、善光寺御本尊のご分身である出開帳仏を奉じて、4月27日~5月19日にわたり戦後初めての善光寺の回向院出開帳が開催されましたので、4月29日に参詣してきました。
善光寺出開帳回向院案内図
・・回向院
回向院(都墨田区両国2-8-10)は、JR両国駅を降りて駅前通りを南に進むと両国橋が架かっている京葉道路に出て対面が回向院表門 (「小さな旅 史蹟の散歩 振袖火事や大震災の災害を受け吉良邸跡の古い歴史を持つ両国を散策する その2」参照) です。
回向院の出開帳に参拝するには参拝券が必要であり、表門の東隣の「両国シティコア」の敷地内で販売している「出開帳参拝券」の大人1000円と、「お戒壇巡り券」の大人500円を買うと、善光寺出開帳両国回向院公式ガイドブックが付いてきます。両国シティコアは、昔は回向院の境内であり、1768年(明和5年)から76年間にわたり勧進相撲興行が行われており、また旧国技館跡でありました。
善光寺出開帳回向院参拝券とお戒壇巡り券
・・回向柱
回向院の山門を潜り、本堂に向かって進むと参道の左側に回向柱が建てられています。1997年
の信州善光寺の参拝の時には、回向柱に触れませんでしたので、先ずは前立本尊に触れるのと同じでありがたい結縁が生まれることなので、滑らかな杉の柱にふれました。
善光寺出開帳の両国回向院回向柱(左:本堂への参道の左側に回向柱が建つ、中:回向柱に触れる参詣者、右:回向柱は白い善の綱で前立本尊と結ばれている)
回向柱は、信州善光寺における御開帳では、松代藩が現在の本堂建立の際、普請奉行にあたったという縁から、松代町から「回向柱(えこうばしら)」が奉納され、本堂前に立てられます。善光寺出開帳両国回向院での「回向柱」は、陸前高田の矢作町にて、平成25年1月23日に杉の木を伐採し、製材業者村上製材にて製造され贈られました。
回向柱は本堂の一光三尊阿弥陀如来とを白い善の綱結ばれる(左・中・右写真拡大)
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毎月1日付けのIndexには、前月の目次を掲載しております(5月分掲Indexへ)
・カテゴリー別Index 風景・風物詩 カテゴリー別総目次 2010~2013年版、2008~2010年版、2007・2008年版、2006・2007年版 へ
<前回 風景・風物詩 羽田国際空港 好天につられ国際ターミナルビル開業から2年半経過の国際空港を見に行く へ
次回 風景・風物詩 善光寺出開帳 江戸時代に人気を博した回向院出開帳に行ってきましたその2
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善光寺詣り
昨秋の渋温泉旅行をした時、東京に帰りすがりの10月31日に久振りに善光寺によってお詣り(「旅ものがたり 善光寺・小布施・渋温泉 北斎が愛した小布施の歴史を追い、渋温泉でくつろぎ善光寺参りその5」参照)をしてきました。その前の善光寺詣りはあんずの花見に行った1997年(平成9年)4月で、この年はご開帳と重なり515万人の人出により本堂内は参詣者で一杯で、お参りするのがやっとの状態でした。
・善光寺ご開帳
善光寺御開帳は7年に1度開催され、人出が多いことで知られています。善光寺の御開帳は50日以上にわたって行われ、2009年(平成21年)の前回のご開帳(「善光寺御開帳2009年信州の旅.com」参照)は673万人の参拝で、1日に平均10万人程度が訪れたことになります。御開帳のシンボルである「回向柱」に触れようとする人は多いので、山門のはるか手前から並ばないと触れません。
平成21年善光寺ご開帳回向柱のミニチュア(左・中左・中右・右写真拡大)
善光寺の御本尊は、一光三尊阿弥陀如来は絶対秘仏であり、今までに誰も見たことがありません。ご開帳には、御宝庫に安置されている鎌倉時代に造られた「前立本尊」(重要文化財)を、御本尊の身代わりとして本堂にお移し、厨子の扉を開けて一般の人が参拝できます。「前立本尊」とは、御本尊の前に立たれる分身の仏さまであることからこのように呼ばれ、ご開帳を、「善光寺前立本尊御開帳」と云われます。
・善光寺出開帳両国回向院
出開帳とは、普段参拝ができない寺院の本尊を地方に出向き、一定の期間拝むことができるよう祀ることを云います。江戸時代には寺社が出向き、秘仏や仏様を開帳する「出開帳」が盛んでした。
善光寺の両国回向院での最初の出開帳は、今より350年前の1692年(元禄5年)に行われました。
中でも江戸時代に回向院で行われた善光寺の出開帳は大変な人気で、特に1778 年(安永7年) 出開帳では、60日で1,603万人の参詣があったとも云われています。
善光寺如来御開帳之図 井両国広小路賑墨田区より
善光寺如来御開帳之図
回向院で六十日間、善光寺が開帳を行った際の様子が示されています。その註釈では「わざわざ信州まで出向いて参詣・結縁しようという者もいるのに、如来様の方から江戸の人々と結縁するために江戸に出てきて下さる。そのありがたさを感得して、参詣するよう」と勧めたもので、上が開帳の図で、下が両国の賑わいを表した図です。
江戸時代から、回向院での出開帳を通じ災害犠牲者の供養を続けてきており、東日本大震災で亡くなられた多くの方々のご供養と被災地の復興支援を目的とし、鎮魂の祈りと「如来様との結縁により復興の光を届けたい」という思いをこめた「復“幸”支“縁”」として収益を震災被災地の復興に充てることで、善光寺御本尊のご分身である出開帳仏を奉じて、4月27日~5月19日にわたり戦後初めての善光寺の回向院出開帳が開催されましたので、4月29日に参詣してきました。
善光寺出開帳回向院案内図
・・回向院
回向院(都墨田区両国2-8-10)は、JR両国駅を降りて駅前通りを南に進むと両国橋が架かっている京葉道路に出て対面が回向院表門 (「小さな旅 史蹟の散歩 振袖火事や大震災の災害を受け吉良邸跡の古い歴史を持つ両国を散策する その2」参照) です。
回向院の出開帳に参拝するには参拝券が必要であり、表門の東隣の「両国シティコア」の敷地内で販売している「出開帳参拝券」の大人1000円と、「お戒壇巡り券」の大人500円を買うと、善光寺出開帳両国回向院公式ガイドブックが付いてきます。両国シティコアは、昔は回向院の境内であり、1768年(明和5年)から76年間にわたり勧進相撲興行が行われており、また旧国技館跡でありました。
善光寺出開帳回向院参拝券とお戒壇巡り券
・・回向柱
回向院の山門を潜り、本堂に向かって進むと参道の左側に回向柱が建てられています。1997年
の信州善光寺の参拝の時には、回向柱に触れませんでしたので、先ずは前立本尊に触れるのと同じでありがたい結縁が生まれることなので、滑らかな杉の柱にふれました。
善光寺出開帳の両国回向院回向柱(左:本堂への参道の左側に回向柱が建つ、中:回向柱に触れる参詣者、右:回向柱は白い善の綱で前立本尊と結ばれている)
回向柱は、信州善光寺における御開帳では、松代藩が現在の本堂建立の際、普請奉行にあたったという縁から、松代町から「回向柱(えこうばしら)」が奉納され、本堂前に立てられます。善光寺出開帳両国回向院での「回向柱」は、陸前高田の矢作町にて、平成25年1月23日に杉の木を伐採し、製材業者村上製材にて製造され贈られました。
回向柱は本堂の一光三尊阿弥陀如来とを白い善の綱結ばれる(左・中・右写真拡大)
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・カテゴリー別Index 風景・風物詩 カテゴリー別総目次 2010~2013年版、2008~2010年版、2007・2008年版、2006・2007年版 へ
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