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kan-haruの日記

風景・風物詩 江戸名所図会の古社 水天宮が相殿で平安時代に創建の古社元神明宮

2011年03月10日 | 風景・風物詩
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元神明宮
昔浸食によってできた古川の両岸には、噴火の火山灰により関東ローム層で造られた、三田の中之橋の先の傾斜地の神明坂脇に、平成17年に御鎮座壱千年の記念事業を行った天祖神を祀る元神明宮(港区三田1-4-74)があります。

 小山神明宮 長谷川雪旦 江戸名所図会天保七年

図らずもこの元神明宮に訪れる機会があり、2月28日にお参りしてきました。古社の元神明宮は、平成6年に社殿の老朽化に伴い傾斜地を利用した改築が行われ、社殿を近代建築のビル内に鎮座して、2階の社殿下の1階に付属の神楽殿を設備しました。その神楽殿において、知り合いが出演する邦楽の集い(「イベント 外国人邦楽演奏 第10回インターナショナル邦楽の集い その1、2」参照)が、元神明宮の協賛で開催されましたので観賞のため訪れました。

 元神明宮附近マップ

元神明宮へのルートは大森町から、大門で大江戸線に乗りついで赤羽橋で下車して都道319号を西に進み交差点を左に折れ、昔新宿御苑の湧水が水源であった古川に架かる中之橋を渡り中之橋交差点を横断して、やや細い道を進み左手の国際医療福祉大学病院を過ぎると、三差路の左手に改築された元神明宮のビルが見えてきます。

 元神明宮へと向かう(左:古川に架かる中之橋、右:中之橋交差点を渡り直進すると改築の元神明宮ビルが左手に)

元神明宮へはさらに神明坂の崖縁を進むと、折り返しの参道の石段があり、前には「元神明宮天祖神社」と書かれた社標柱が建っています。

 元神明宮の参道へと進む(左:元神明宮ビルから神明坂を上がる、右:坂を進むと三差路の左が元神明宮への石段参道)

参道を登ると、石段の左側には末社のお稲荷さんが並んで鎮座しているのが見え、上段には石灯籠と神明型の鳥居があり、登りきった境内には元神明宮の提灯と狛犬が鎮座し、その奥には改装された近代的なコンクリート打ちの社殿が見えます。社殿は1階が集会を兼ねた神楽殿で、当日は上記の邦楽の集いが催されていましたので、正面には紅白の幕が張られていました。本殿は、社殿の2階に収容されており、左右の螺旋階段から昇ります。

 元神明宮の参道石段(左:参道石段の左には末社が並ぶ、右:改修された近代的な社殿)

狛犬は、かなり古いようですが創作期は不明で、残念ながら向かって左側の狛犬は一部が破損して補修の跡が痛々しい姿です。左側の狛犬の先には、御手洗の古い水盤が置かれてあります。

 創作年代が不明の狛犬

本殿に参拝のため階段を上がり社殿2階に入ると、木造造りの本殿がすっぽりと収まっています。当日は前述の催しがあり、本殿内部を使用しており扉は閉ざされていました。
元神明宮の祭神は、伊勢神宮・内宮の御祭神・天照皇大御神をお祀りしております。
創建は平安時代に遡り、第六十六代一条天皇の勅命により、1005年(寛弘2年)に奉斎された古社です。古くは、渡辺綱の篤い信仰を受けた御社でもあり、また鎌倉時代の戦乱の世も源頼朝を始め多くの武士から崇敬を受けて参りました。
また、相殿として本殿には安産の神、水難・火難除けの神として崇敬されている東京水天宮が祀られております。この水天宮は、1818年(文政元年)当社に隣接する久留米藩有馬上屋敷内に、邸内社として領地の九州久留米水天宮から分祀され、1868年(明治元年)に有馬邸が青山に移転する祭、当社にも御分霊を奉斎し、その後、青山の有馬邸内社は日本橋蛎殻町の現水天宮社地に移転しました(元神明宮御由緒から)。

 元神明宮本殿(:本殿・クリックで本殿内部表示[神社庁ホームページ]、右:変額)

1836年(天保7年)に本殿・幣殿・拝殿を造営し、1897年(明治30年)に拝殿の屋根の改修を行い、1925年(大正14年)には本殿・幣殿の改築が行われました。氏子崇敬者より1683年(天和3年)に境内の手水石や1804年(文化元年)に太鼓などが奉納されております。
平成6年に社殿の老朽化に伴い全面的な改築を行い、宮司や氏子崇敬者の祈りにより関東大震災や戦災等多くの災難から逃れて来たため、現在では厄除の社として多くの方々が参拝に訪れております。

 御由緒と神画(:御由緒、右:神画)

元神明宮の本殿のバルコニーは、石段を登った境内の2階にありますので、見晴らしが良く末社などの境内全体が見通せます。

 社殿バルコニーから見た風景(左:絵馬掛け、右:境内末社を見る)

・末社
帰り通は、元神明宮の境内に鎮座の末社の7稲荷神社を上から見て行きます。末社全ての稲荷神社の祭神は、宇迦之御魂神を祀ってあります。
先ずは、バルコニーの螺旋階段を下りた社殿に近いところに鎮座の白い鳥居の祠が白滝稲荷神社(銀杏稲荷神社)です。階段を挟んだところにある赤い鳥居の祠は平河稲荷神社で、旧江戸城内紅葉山に鎮座されてお、徳川家三代将軍家光の御台様が信仰していたと伝えられております。王政復古の際に縁があった当地に奉斎されました。また、この平河稲荷神社には、和光稲荷大明神と豊日稲荷大明神が合祀されています。

 境内末社(左:白滝稲荷神社、右:平河稲荷神社)

参道の石段を何段か降りた元神明宮型鳥居の左脇場に鎮座の末社は、権太夫稲荷神社と槻根稲荷神社で、ご由緒は不明です。

 参道の石段途中にある末社(左:権太夫滝稲荷神社、右:槻根稲荷神社)

参道石段下の左手にある2つの鳥居を構えた末社は、天白稲荷神社であり、内海家の守護神として、当主勝二氏が1923年(大正11年)に伏見稲荷山間之峯より迎えて邸内に祀った天白稲荷大明神と、先代忠勝氏が信仰した弁財天を合祀した御社です。

 天白稲荷神社(左:一の鳥居、右:二の鳥居と末社)

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