フッフッフの話

日常の中に転がっている面白い話、楽しい話!

馬鹿

2024-04-28 19:36:16 | 写真

 亡父が元気な頃、口癖のように言っていた言葉がある。

”世のなかに寝るほど楽はなかりけり 浮世の馬鹿は起きて働く”

江戸時代の「狂歌」とのことである。人によっていろいろの意味に取れる。

我が亡両親は、農業だけで生計を立てていた。当時は、トラクターではなくて、牛の力を利用していた。

自動車もなく、精々で荷車である。ほとんどの作業は、自分の身体でこなしていた。

”朝は朝星 夜は夜星”と、眠る間を惜しんで農作業をしていた。

”世のなかに・・・・・”の歌を口ずさみながら、自分たちの朝から晩まで働かなければいけない状態を、

「馬鹿だな―!」と思っていたのではなかろうか。

 

自分は、近眼である。現在は遠近両用の眼鏡をかけている。今日は太陽の下に居るだけで汗が流れる。

草取りをしていたが、眼鏡が邪魔になったので、外して仕事をした。

家に帰ってもあまり不自由でないので、眼鏡の事を忘れていた。午後仕事にとりかかろうと眼鏡を探した。

「ない!ない!」仕事中に外したことは覚えているが、何処で外しどこに置いたのか、記憶にない。

いつも外す時には、しっかり意識をするようにしていたが、今回は意識しないで外してしまった。

「馬鹿だな―!」と思う。アチコチと探しまわる。草と一緒に捨てたのかと探すがない。

神仏に祈ったが、平生往生!自分の都合で祈っても無理である。

考えながら、探しながら、草取りをする。すると草の中に光る物!「眼鏡だ!有難うございます!」と、

思わず手を合わす。手に持った物を置く時には、意識して置くようにと、いつも考えているのに。

考えてはいるけど実行しない。”馬鹿は死ななきゃ治らない”ということである。

 

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