Hの君と別れて、思い出しながら、独りで考える。
一緒に生活を始めたのは、彼が小学校4年生の時からである。一見弱々しい子に見えた。
苛められていると聞き、地下足袋に鉢巻き姿で、トラックに乗り学校まで迎えに行ったこともある。
夏休みのプールにも、付いて行ったこともある。何かあれば、何処にでも付いて行き、それを楽しんだ。
あれからもうすぐ20年! 身長も知識もどんどん伸びて、こちらは置いてきぼり。
昨夜逢って食事をしたHの君は、どんどん先に進み、霞みの彼方に消えてしまいそうである。
Hの君は前に進み、自分は、前に進むよりも後退している速度のほうが早い。骨壺に近付いている
パソコンの調子も瞬時に直し、スマホは2台も掌に載せて、同時に操っている。
都会の入り組んだ道なのに、スマホで探して間違わずに運転する。帰りには地図なしで、間違うこともない。
凄い能力だと感心する。自分は、数回通った道でも、「ええっっ!」となってしまう。
Hの君は、自分とは別世界から来た人ではないかと思ってしまう。
現在の世界の進歩には追いつけないが、霞みの彼方に未来の世界がある事だけは、認識しよう。
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