1日目
太田川リバーウォーク 35キロ
その11 南区
暁橋から宇品橋まで
「11月24日(土)に行われたピースウォークひろしまツーデーの1日目、太田川リバーウォーク(35キロ)。前回は、南区、御幸橋から暁橋までを紹介したが」
「11回目の今日は、暁橋(あかつきばし)から元宇品を一周して、宇品橋(うじなばし)まで戻ってくる」
「暁橋を渡ると、そこが元宇品(もとうじな)」
「前回紹介したように、もともと島じゃった宇品が、宇品港(現:広島港)を作るときに陸続きになったんじゃ。ここは周囲が約3キロメートル、標高が約52メートルの小さな島なんじゃ」
「本来の宇品ということで、元宇品と呼ぶんじゃね」
「元宇品は、左回り(時計回り)で一周するんじゃ。瀬戸内の海に出たせいか、風が冷(つめ)とう感じるのう」
「おー、グランドプリンスホテルが見えてきたね」
↓グランドプリンスホテルについては、こちら↓
グランドプリンスホテル広島
「歩道にあるのが…」
「あー、これ、見たことがある。港にあるよね。船を港に停めるときに使うやつ。えーと、なんて言うんかいね?」
「ボラードと言うんじゃ」
「これがあると、港町という感じが出るよ」
「元宇品港公園に第2チェックポイントがあった。ここは1994年(平成6年)に整備された公園。チェックポイントでみかんを頂いて、ストレッチをしたんじゃ」
「今の時間は?」
「13時25分すぎじゃの」
「8時に中央公園を出発したけぇ、もう5時間25分も歩いとることになるんか」
「考えてみたら、よう歩いとるよのう。自分でも感心するわい」
「公園の横に立江地蔵菩薩があった。地蔵菩薩いうくらいじゃけぇ、子供の守り神なんじゃろうの」
「グランドプリンスホテルの山側は、ちよっとした高台になっとって、そこから黄金山(おうごんざん)(写真上)や広島呉道路の広島大橋や海田大橋(かいたおおはし)(写真下)が見えるんじゃ」
「グランドプリンスホテルを通り過ぎると、瀬戸内の海を一望できるんよ」
「海釣りを楽しんどる方がおられたのう」
「ここからは、こんな道を歩いて行くんじゃ」
岩脈(がんみゃく)とは、割れ目に沿ってマグマが上昇し、冷やされてできたものです。
元宇品では、いずれも花崗岩の中に、石英斑岩(せきえいはんがん)脈が数か所で認められます。
ここでは、幅約10センチメートルの岩脈が、明瞭に形づくられています。
(案内板より)
断層(だんそう)とは、地下の地層または岩盤に力が加わって割れ、割れた面に沿ってずれて動き、食い違いが生じたものです。
マグマの移動などによって、ずれの力(せん断)が発生し、岩盤の強度を上回ったときにできます。
(案内板より)
節理(せつり)とは、溶岩が冷やされる間、体積の減少によって、規則的な割れ目が入ることです。
一時的に、地表に出た溶岩は、上面は大気、下面は地面と接して冷やされ、冷えた表面から温度の高い内部へ割れ目ができます。
(案内板より)
「振り返って見上げると、宇品灯台が見えるんじゃね」
「この灯台は1950年(昭和25年)1月27日に点灯し、高さが約21メートルあるそうじゃ。ちなみに、海面からの高さは約46メートル」
海食崖(かいしょくがい)とは、波による浸食でできた崖(がけ)です。
6000年ぐらい前の縄文時代の中ごろは、今より数メートル高いところまでが崖で、それから約1000年かけて、ほぼ現在の海面の高さになりました。
海食崖は、海面よりかなり高い位置までできています。
(案内板より)
「ふーん。元宇品には自然がたくさん残っとるんじゃね」
元宇品は、戦後まもなく、瀬戸内海国立公園に編入されました。
樹木の伐採や開発が制限されたことにより、原生林と自然海岸が多く残っており、広島市内でも有数の自然観察の場となっています。
(「南区を歩こう(元宇品)」広島市ホームページ)
「元宇品の国有林は22ヘクタールもあって、原生林にはクスノキ、タブノキ、アベマキなどの木があるそうじゃ」
「これが、例の安芸の小富士がある似島(にのしま)じゃね」
「このあたりから、雲行きが怪しくなってくるんじゃの」
「赤い灯台が見えてきた」
「向こう側には、白い灯台もあるよ」
「この灯台は、広島港防波堤灯台(ひろしまこうぼうはていとうだい)というそうじゃ」
沖合いから広島港に向って東側が赤色、西側が白色としているのは、海上保安庁の規則で定められており、全国統一されたルールとなっています。
広島港東(西)防波堤灯台
「宮島の方を見ると、こんな感じゃったで」
「うわ! こりゃ、雪でも降りよるんかいね」
「元宇品を一周して暁橋に戻ってきたあたりで、小雨が降ってきたのう」
「広島電鉄宇品線の線路を横切り、広島みなと公園手前で右に曲がって、北に向かって歩く」
「ありゃ。線路に敷いてある芝生が赤茶けとるね」
「このあたりも再開発が進んで、道路や街並みが整備されてきたのう」
「ベイシティ宇品やゆめタウン、フレスタ、フタバ図書、コーナン、ニトリなど商業施設もあるよね」
「京橋川(きょうばしがわ)に架かる宇品橋を上らんといけんね」
「この橋は、2000年(平成12年)3月に開通して、その年の土木学会田中賞の作品部門を受賞したそうじゃ」
「うわー。なんか、すごいことになっとるよ」
「宇品橋の上から南西方向を見たんじゃが、あそこだけ、雲間から日が射しとるんじゃろうの」
「宇品橋を渡ると、三度(みたび)、中区に戻るわけじゃ」
「あとは、ゴールの中央公園を目指すだけじゃね」
「うわー、ようやっとゴールかぁ。今回まで、11回もかかっとるもんの」
「長かったねぇ」
「というわけで、次回は中区 宇品橋から平和公園前交差点まで を紹介する予定じゃ」
【メモ】
宇品橋通過時間/14時35分ころ
(スタートから約6時間35分)
【参考文献】
うじな通検定実行委員会『平成21年度版 うじな通になろう うじな通検定テキスト』2009年
「今日は、ピースウォークひろしまツーデーの1日目、太田川リバーウォーク 35キロ、暁橋から宇品橋までについて話をさせてもらいました」
「ほいじゃあ、またの」
太田川リバーウォーク 35キロ
その11 南区
暁橋から宇品橋まで
「11月24日(土)に行われたピースウォークひろしまツーデーの1日目、太田川リバーウォーク(35キロ)。前回は、南区、御幸橋から暁橋までを紹介したが」
「11回目の今日は、暁橋(あかつきばし)から元宇品を一周して、宇品橋(うじなばし)まで戻ってくる」
「暁橋を渡ると、そこが元宇品(もとうじな)」
「前回紹介したように、もともと島じゃった宇品が、宇品港(現:広島港)を作るときに陸続きになったんじゃ。ここは周囲が約3キロメートル、標高が約52メートルの小さな島なんじゃ」
「本来の宇品ということで、元宇品と呼ぶんじゃね」
「元宇品は、左回り(時計回り)で一周するんじゃ。瀬戸内の海に出たせいか、風が冷(つめ)とう感じるのう」
「おー、グランドプリンスホテルが見えてきたね」
↓グランドプリンスホテルについては、こちら↓
グランドプリンスホテル広島
「歩道にあるのが…」
「あー、これ、見たことがある。港にあるよね。船を港に停めるときに使うやつ。えーと、なんて言うんかいね?」
「ボラードと言うんじゃ」
「これがあると、港町という感じが出るよ」
「元宇品港公園に第2チェックポイントがあった。ここは1994年(平成6年)に整備された公園。チェックポイントでみかんを頂いて、ストレッチをしたんじゃ」
「今の時間は?」
「13時25分すぎじゃの」
「8時に中央公園を出発したけぇ、もう5時間25分も歩いとることになるんか」
「考えてみたら、よう歩いとるよのう。自分でも感心するわい」
「公園の横に立江地蔵菩薩があった。地蔵菩薩いうくらいじゃけぇ、子供の守り神なんじゃろうの」
「グランドプリンスホテルの山側は、ちよっとした高台になっとって、そこから黄金山(おうごんざん)(写真上)や広島呉道路の広島大橋や海田大橋(かいたおおはし)(写真下)が見えるんじゃ」
「グランドプリンスホテルを通り過ぎると、瀬戸内の海を一望できるんよ」
「海釣りを楽しんどる方がおられたのう」
「ここからは、こんな道を歩いて行くんじゃ」
岩脈(がんみゃく)とは、割れ目に沿ってマグマが上昇し、冷やされてできたものです。
元宇品では、いずれも花崗岩の中に、石英斑岩(せきえいはんがん)脈が数か所で認められます。
ここでは、幅約10センチメートルの岩脈が、明瞭に形づくられています。
(案内板より)
断層(だんそう)とは、地下の地層または岩盤に力が加わって割れ、割れた面に沿ってずれて動き、食い違いが生じたものです。
マグマの移動などによって、ずれの力(せん断)が発生し、岩盤の強度を上回ったときにできます。
(案内板より)
節理(せつり)とは、溶岩が冷やされる間、体積の減少によって、規則的な割れ目が入ることです。
一時的に、地表に出た溶岩は、上面は大気、下面は地面と接して冷やされ、冷えた表面から温度の高い内部へ割れ目ができます。
(案内板より)
「振り返って見上げると、宇品灯台が見えるんじゃね」
「この灯台は1950年(昭和25年)1月27日に点灯し、高さが約21メートルあるそうじゃ。ちなみに、海面からの高さは約46メートル」
海食崖(かいしょくがい)とは、波による浸食でできた崖(がけ)です。
6000年ぐらい前の縄文時代の中ごろは、今より数メートル高いところまでが崖で、それから約1000年かけて、ほぼ現在の海面の高さになりました。
海食崖は、海面よりかなり高い位置までできています。
(案内板より)
「ふーん。元宇品には自然がたくさん残っとるんじゃね」
元宇品は、戦後まもなく、瀬戸内海国立公園に編入されました。
樹木の伐採や開発が制限されたことにより、原生林と自然海岸が多く残っており、広島市内でも有数の自然観察の場となっています。
(「南区を歩こう(元宇品)」広島市ホームページ)
「元宇品の国有林は22ヘクタールもあって、原生林にはクスノキ、タブノキ、アベマキなどの木があるそうじゃ」
「これが、例の安芸の小富士がある似島(にのしま)じゃね」
「このあたりから、雲行きが怪しくなってくるんじゃの」
「赤い灯台が見えてきた」
「向こう側には、白い灯台もあるよ」
「この灯台は、広島港防波堤灯台(ひろしまこうぼうはていとうだい)というそうじゃ」
沖合いから広島港に向って東側が赤色、西側が白色としているのは、海上保安庁の規則で定められており、全国統一されたルールとなっています。
広島港東(西)防波堤灯台
「宮島の方を見ると、こんな感じゃったで」
「うわ! こりゃ、雪でも降りよるんかいね」
「元宇品を一周して暁橋に戻ってきたあたりで、小雨が降ってきたのう」
「広島電鉄宇品線の線路を横切り、広島みなと公園手前で右に曲がって、北に向かって歩く」
「ありゃ。線路に敷いてある芝生が赤茶けとるね」
「このあたりも再開発が進んで、道路や街並みが整備されてきたのう」
「ベイシティ宇品やゆめタウン、フレスタ、フタバ図書、コーナン、ニトリなど商業施設もあるよね」
「京橋川(きょうばしがわ)に架かる宇品橋を上らんといけんね」
「この橋は、2000年(平成12年)3月に開通して、その年の土木学会田中賞の作品部門を受賞したそうじゃ」
「うわー。なんか、すごいことになっとるよ」
「宇品橋の上から南西方向を見たんじゃが、あそこだけ、雲間から日が射しとるんじゃろうの」
「宇品橋を渡ると、三度(みたび)、中区に戻るわけじゃ」
「あとは、ゴールの中央公園を目指すだけじゃね」
「うわー、ようやっとゴールかぁ。今回まで、11回もかかっとるもんの」
「長かったねぇ」
「というわけで、次回は中区 宇品橋から平和公園前交差点まで を紹介する予定じゃ」
【メモ】
宇品橋通過時間/14時35分ころ
(スタートから約6時間35分)
【参考文献】
うじな通検定実行委員会『平成21年度版 うじな通になろう うじな通検定テキスト』2009年
「今日は、ピースウォークひろしまツーデーの1日目、太田川リバーウォーク 35キロ、暁橋から宇品橋までについて話をさせてもらいました」
「ほいじゃあ、またの」