味園博之のブログ-文武両道「空手道と南洲翁遺訓」他古典から学ぼう

平成の今蘇る、現代版薩摩の郷中教育 
文武両道 「空手道」と『南洲翁遺訓』を紹介するブログ

礼節いろはことば 「へ」

2010-09-05 13:17:08 | ブログ

タイトル---礼節いろはことば 「へ」 第579号 22.09.05(日) 

 「へ」 返事とは 人の心を伝うもの---平生の学ぶ所、忠恕---『宋名臣言行録』

 人間は人との会話なしでは生きて行けません。人との会話において物事が成就したり、ビジネスが成功するということは、全ての人が理解していることです。『宋名臣言行録』は、〈我が平生の学ぶ所、唯だ忠恕の二字を得たり。一生用いて尽きず。〉と訓えています。「平生学んだなかで、ただ忠恕、即ち思いやりという二字だけを得たが、この忠恕の道は一生涯用いても用い尽くせないほどの深い味わいをもっている」と解していいでしょう。

 では、どうしたら自分の気持ちを相手に伝えることができ、意志の伝達が調和よくできるか、ということです。その為には、『宋名臣言行録』が訓える忠恕、いわゆる思いやりの心で相手の意見に真摯に耳を傾け、気持ち良い返事をし、意志の疎通をはかることが大切だと思います。人によっては自分だけベラベラ喋ることがありますが、これほど愚かなことはないでしょう。

 思いやりの心で好感を持って対応し、聞いてもらう工夫というものがなければならないと思います。そこで信頼関係が増し、人が人を呼び、日々の仕事も人間関係も思いのほか上手くいくのだと思います。


礼節いろはことば 「ほ」

2010-09-04 09:22:59 | ブログ

タイトル----礼節いろはことば 「ほ」 第577号 22.09.04(土)

 「ほ」 褒め言葉 人を育てて 活かすなり---法制を明らかにし私恩を去つ。『韓非子』

 人に褒められるのは嫌いだ、という人はいないでしょう。子供であれ大人であれ、男であれ女であれ、皆同じだと思います。特に子供の場合は顕著であります。

『韓非子』、〈公私の分を明らかにし、法制を明らかにして私恩を去(す)つ〉と訓えています。「公と私との区別を明らかにし、法令禁制を明らかにして、私の恩義などを捨て去る。それが上に立つ人の道である」と訓えているのです。多くの子供は勉強よりか遊びが大好きですし、それは子供の仕事だと捉えてもいいでしょう。

 子供は穢れていないし正義感が旺盛です。そういう時期に子供を褒めながら、人の道のあるべき姿を教えるのは大変効果的です。

 公と私を身近な例を引き教えるということは、子供自身の成長にとり迚も意義のあることだと思います。学問も大事だが、人間社会に必要な人の道を教えて行けば、模範的な人間への道を辿るでしょう。

 褒め言葉を与えながら育てて行く、このことが人を活かし、最高の収穫・収益につながると思います。特に、青年期までの間に、「公と私、人の道」を教えることほど大切なことはないといえるでしょう。


礼節いろはことば 「に」

2010-09-02 15:32:46 | ブログ

タイトル----礼節いろはことば 「に」 第576号 220.09.02.(木)

 「に」 日本の 文化を担う 青少年----任重くして道遠し。『論語』

 周囲を広々とした海に囲まれ、そして海辺では泳ぐことが出来るなど、四季折々の変化に富んだ素晴らしい國・日本。そして山々には季節ごとに花々が咲き乱れ、人々の心を癒してくれます。悠久の歴史を持つ日本の文化の中で、建築物も誇れるひとつでしょう。

 特に神社仏閣などの建築物は、繊細な頭脳と手先の器用さが精緻に織り成す独特の文化的結晶であります。中でも特筆すべきは、人間の知的文化であります。仏教文化と共に日本に入ってきた活字文化は、日本人の英明さに加工され世界に冠たるものとして定着をしてきました。

『論語』は、〈任重くして道遠し〉(泰伯)と訓えています。「士たるものは仁道に徹する。その任務は重く、前途に向け使命感に徹しなければならない」ということですが、その比類なき使命感が、今日の数々の文化を生んだとも言えましょう。

 国家の安寧と幸せの連続性を保持する意味からも、先人が築いた文化を大事にしながら、さらに磨きを加え崩壊することのない誇れる文化を構築し定着させていきたいものだと思います。日本の文化を担うのは、前途ある青少年の使命でもあると思います。