タイトル---礼節いろはことば 「へ」 第579号 22.09.05(日)
「へ」 返事とは 人の心を伝うもの---平生の学ぶ所、忠恕---『宋名臣言行録』
人間は人との会話なしでは生きて行けません。人との会話において物事が成就したり、ビジネスが成功するということは、全ての人が理解していることです。『宋名臣言行録』は、〈我が平生の学ぶ所、唯だ忠恕の二字を得たり。一生用いて尽きず。〉と訓えています。「平生学んだなかで、ただ忠恕、即ち思いやりという二字だけを得たが、この忠恕の道は一生涯用いても用い尽くせないほどの深い味わいをもっている」と解していいでしょう。
では、どうしたら自分の気持ちを相手に伝えることができ、意志の伝達が調和よくできるか、ということです。その為には、『宋名臣言行録』が訓える忠恕、いわゆる思いやりの心で相手の意見に真摯に耳を傾け、気持ち良い返事をし、意志の疎通をはかることが大切だと思います。人によっては自分だけベラベラ喋ることがありますが、これほど愚かなことはないでしょう。
思いやりの心で好感を持って対応し、聞いてもらう工夫というものがなければならないと思います。そこで信頼関係が増し、人が人を呼び、日々の仕事も人間関係も思いのほか上手くいくのだと思います。