タイトル----礼節いろは言葉 「わ」 第590号 22.09.16(木)
若きとき 学び鍛えて 範となれ---徳を厚くして以て之れを迓えん『菜根譚』
『菜根譚』は、〈天、我に薄くするに福(さいわ)いを以てせば、吾、吾が徳を厚くして以て之を迓(むか)えん〉と訓えています。「天が、私に与える福を薄くしたならば、私はわが徳を厚くして、天の心に報いよう。不幸だと歎くよりも、これを天恵として感謝し、自分の真摯な努力で運命をきりひらいていこう」と解釈してもいいでしょう。
人間として生まれ、義務教育課程で学ぶものはほんの基本でしかありません。社会人となり、人間関係あるいは仕事を通じて学ぶことこそが、真に役立つと言えるでしょう。
そのためには一日一時間の読書は欠かせない要件のひとつでもあると思います。私自身、青年時代から読書をして参りました。
古希を迎えた現在、過去に繙いた読書の有難さが身に沁みています。出来れば現代の若い人たちも是非読書をして欲しいものです。
特に漢籍にも興味を持って欲しいのです。読書を重ねて行くうちに、少しずつ理解できるようになってきます。古典の良さは、人間の精神に最高の栄養を与えてくれるということです。
若いときから大いに学び鍛えて、人間の精神の骨格を創り、人々のお役に立ちたいものです。