19時台のローカルアニメ放送

 「はなバルーン倶楽部」内の「東海地方アニメデータ集」を、久々に少し更新した。


 今回の更新は、「その6 全国ネットからの枠移動事情」へのデータの追加。
 東海テレビ(フジテレビ系)に「ぼく パタリロ!」「チックン タックン」「ふたり鷹」「DRAGON QUEST」、テレビ愛知(テレビ東京系)に「ホワッツマイケル」の事例を加えた。
 以前に更新した時に、もうこれで終わりかとばかり思っていたのだが、まだ漏れがあった。なぜ、これらの作品を見落としていたかというと、ローカル枠は夕方だけでなく19時台にも存在すると言う当たり前の事を、すっかり失念していたからだ。


 今回取り上げた作品以外でも、東海地区において19時台のローカル枠放送で影響を受けたアニメは結構あった。ここから先はそんなローカル編成の思い出話を書いておく。
 そう言った事例が多いのは、やはり東海テレビだ。「北斗の拳」シリーズは5ヶ月遅れだったし、前番組の「らんぽう」や後番組の「魁!!男塾」に至っては未放送だ。「ゲゲゲの鬼太郎 地獄編」も同時ネットはなく、第3作の本シリーズに続けて、再放送枠で初めて放映された。
 「男塾」は東海テレビでは一度も放映されず、数年遅れで中京テレビ夕方の再放送枠でようやく陽の目をみた。おそらく、東海テレビで「北斗の拳2」が終了する頃にはフジテレビで「男塾」の打ち切りが既に決まっていたのだろう。もし、「男塾」が「北斗の拳」なみにアニメもヒットしていたら、東海テレビも引き続き半年遅れで放送したのではないだろうか。今さら言っても仕方のない事だが。

 このように、東海テレビは19時台のローカル枠にアニメを流したがらない傾向があっただけに、2003年~2004年放映の「ASTRO BOY 鉄腕アトム」を地上波で唯一月曜19時のゴールデンタイムに放送したのには驚いた。
 尺の都合でEDは短縮され、しかも特番の都合でたびたび月曜16時に飛ばされており、これならもっと安定した枠の方がよかったのではないかと思ったが、日曜9時台はローカル番組で埋まっていたし、平日夕方だともっと悲惨な事になっただろうから、あれはあれで一つの試みとして評価すべきなのかも知れない。実際、視聴率はどれくらい取れたのか気になるところだ。


 その反面、テレビ愛知はローカル枠19時台のアニメ放送(火曜19時~20時、土曜19時~19時30分)が結構多かったが、あれはおそらく他に流す枠がなかったせいなのだろう。アニメ再放送枠「まんがのくに」のせいで、平日18時30分からの5作品を別の枠で放送しており、朝に行くか夜に行くかが運命の分かれ道だったのだが、時刻表示が入っても放送が安定している分、朝の枠の方がよかった気がする。
 「東海地方アニメデータ集」では「宇宙の騎士テッカマンブレード」の例を取り上げたが、この作品に限らず19時台の放送はプロ野球中継で潰れる事が多く、火曜や土曜の夜の野球中継だけではなく、「水曜夜に野球中継」→「水曜夜のレギュラー番組を土曜夜に振り替え」→「土曜19時のアニメと「土曜スペシャル」休止」と言ったスライド式による休止もあったくらいだ。
 今のように公式サイトや掲示板で放送情報を確認する事も出来ず、テレビ情報誌と放送中の告知テロップのチェックは欠かせなかった。大部分は見逃さずに追っていたが、「夏休みの朝10時台に連日放送」などの無茶な編成もあり、よく付いて行けたものだ。今だと間違いなく挫折してしまうだろう。


 現在は、東海テレビ・テレビ愛知ともに、19時台のローカル枠でのアニメ放送はない。
 それどころか、両局とも全日帯のアニメは、ほとんどが同時ネットになった。例外は、東海テレビの「ONE PIECE」とテレビ愛知の「しゅごキャラ!」の2本だけだ。ネットで他地域の人と一緒に盛り上がる事が出来る点で同時ネットはありがたいが、昔のような無茶な編成がなくなったのは、少々寂しい。

 その代わり(?)、今やローカル編成&遅れ放送は深夜アニメで嫌と言うほどある。毎日、寝る前に放映時間変更の確認は欠かせない。さすがに、深夜アニメが同時ネット化することはあり得ないだろう(特にU局アニメ)から気を付けるしかないのだが、なるべく奇抜な編成は避けて欲しいものだ。
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