はなバルーンblog

藤子不二雄や、好きな漫画・アニメの話がメイン(ネタバレもあるので要注意)

「とびだせ! マシーン飛竜」#01-02 感想

2008-06-21 23:29:41 | マンガ・アニメ
・とびだせ! マシーン飛竜 第1話「ナンデス高原 大爆走!」
(脚本/吉野次郎、演出/布川ゆうじ・原征太郎、作画監督/なし)
・とびだせ! マシーン飛竜 第2話「黒こげ! 火の海大レース」
(脚本/陶山 智、演出/西久保瑞穂、作画監督/なし)



 今週から、東映チャンネルで「とびだせ!マシーン飛竜」の放映が始まった。

 東映(本社)+タツノコプロという珍しい組み合わせで作られており、「東映テレビアニメ主題歌大全集」で観たOP・EDから、タイムボカンシリーズと「マッハGOGOGO」を合わせたような作品だろうと想像していたのだが、CSですらなかなか再放送されず、今回初めて本編を観る事が出来た。


 で、その感想なのだが、率直に言ってしまうと、あんまり面白くない。
 話の中身は概ね想像していたとおり、レース物でタイムボカンシリーズ的ノリのギャグをやっているのだが、そのギャグのテンポが悪くて笑えない。悪役側レーサー・オッカナビッチがなぜか七五調でしゃべるのは上手く活かせばいい味を出すかも知れないが、2話まで観た限りでは、会話のテンポが悪くなって面白さを消しているように感じる。

 肝心のレース本編も、映像からスピードを感じられない点がレース物としては致命的だ。
 「マッハGOGOGO」とは違ってシリアスなレースではないからスピード感は要らないと言う判断なのかもしれないが、スピード感がない割には追いつく時にはあっと言う間にトップに躍り出るような強引な展開で、「デッドヒート」と言える、熱くなれる場面がないのは寂しい。
 話の展開も、2話までは基本パターンをとりあえずなぞってみただけとしか思えず、もし今後もこのまま続くのなら、かなりつらい。まあ、タイムボカンシリーズも初期話数は似たようなものだが、この作品はレースに話が限定されているだけに、単なるマンネリではない話を続けるのは難しそうだ。

 結構期待していた作品なので、実際に観てこんなにガッカリするとは思わなかった。一応、全話観てみるつもりだが、どこまで付き合えるか不安だ。


 ちなみに、主人公側・悪役側それぞれのチーム編成を見てみると、悪役側のゼニゼニチームが家族で構成されている(夫妻と娘)点が、面白い。
 風貌としては、ドロンボーで言えば夫のオッカナビッチがトンズラー、妻のイカリーヌがドロンジョっぽい顔だが、イカリーヌはメカ設計もこなすので、ポジションとしてはイカリーヌがドロンジョ+ボヤッキー(メカ設計担当部分)、オッカナビッチがトンズラー+ボヤッキー(メカ操縦担当部分)と言ったところか。娘のツンツンは三悪の誰にも該当しない。強いてタイムボカンシリーズと対比させるなら、コマロ王子やミンミンのような第4の悪役キャラポジションか。
 一方、主人公側のキャラ構成は、「マッハGOGOGO」を彷彿とさせられる。弟キャラに加えて猿までいるあたりは、そのまんまだ。

 とは言え、さすがに声優はタイムボカンシリーズとはほとんど被っていない。ボカンレギュラー声優は、ガッポリン会長役のたてかべ和也氏くらいだ。
 一方、メインスタッフはチーフディレクター・原征太郎、キャラクターデザイン・天野嘉孝、メカニックデザイン・大河原邦男と、ほぼタイムボカンシリーズと共通している。特に、原征太郎は本作のために「タイムボカンシリーズ ヤッターマン」から抜けており、そう言った意味でも本作はボカンシリーズの兄弟作品と言える。
 しかし、作画レベルはかなり低くて、天野絵からかけ離れたキャラクターになってしまっており、その点は勿体ない。旧作「ヤッターマン」の作画もあまり褒められた物ではないのだが、本作はそれよりさらに下だ。まあ、作画監督が不在なので、こうなるのは当然かもしれないが。また、OPアニメの半分近くが第1話本編の流用であり、そのためさらにチープに感じてしまう。
 色々な点で残念な作品と言わざるを得ない。これから面白くなるといいのだが。


 最後に、どうでもいい豆知識。
 本作は2クール・全26回の放映だったが、全話数は21話しかない。なぜかと言うと、後半になって新作と再放送を交互に放映するようになったからだ。第15話の翌週からその形式になっている。と言う事は、最後まで1話完結の形式が続くのだろう。
 あと、「東映テレビアニメ主題歌大全集」に収録されていたOP・EDは製作に東映とタツノコプロしか名前が出ていないが、今回の東映チャンネルでは製作に東京12チャンネルもクレジットされた本放送版となっているので、ちょっと貴重だ。