はなバルーンblog

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新作ドラ映画「のび太の新魔界大冒険」について

2006-07-16 23:51:21 | 藤子不二雄
 14日のテレビ放送および公式サイトで、来年の「ドラえもん」新作映画のタイトル及びスタッフが、発表された。
 12日(水曜日)には、既に公式サイトで明らかになっていたので、今更取り上げても時期はずれの感は否めないが、「ドラえもん」ファンサイトの管理人がやっているブログで、この話題をスルーするわけには行かない。
 すでに、藤子・ドラえもん関係のブログの多くで取り上げられているので、どうしても内容の重複は避けられないが、出来るだけ自分なりの視点で書いてみた。


 まず、タイトルは「ドラえもん のび太の新魔界大冒険 7人の魔法使い」。7日放送の映像で予想していたとおり、「のび太の魔界大冒険」のリメイクとなった。
 来年もまたリメイクであろう事は、「もっと!ドラえもん」第5号の記事で既に予想していたが、具体的にどの作品になるかは、なかなか予想が難しかった。個人的には、旧作と同様に「のび太の宇宙開拓史」を持ってくるか、または興行成績がふるわなかった「のび太の海底鬼岩城」でリベンジを期すのではないかと思っていたので「魔界大冒険」とは意外だった。しかし、昨今のファンタジー物の流行を考えると、なるほどと頷ける選択だ。


 次に、監督と脚本家について。
 監督は、映画ドラえもん初登板となる寺本幸代。公式サイトでは「ドラえもん映画史上初の女性監督」と言う点が強調されているが、それよりも30歳という若さに驚いた。いちいち調べなくても、間違いなくドラえもん映画の監督としては最年少のはずだ。
 公式サイトでは代表作として「僕は妹に恋をする」「竹取物語」「万葉集」が挙げられているが、私はいずれも未見。観たことがある寺本演出作品は、昨年からのわさドラくらいだ。
 寺本監督がわさドラで手がけた作品を挙げてみると、「勉強べやの釣り堀」「思い出せ!あの日の感動」「(秘)スパイ大作戦」「ハロー宇宙人」「おかしなおかしなかさ」「まあまあ棒」「ころばし屋」「きこりの泉」「ああ、好き、好き、好き!」「出木杉グッスリ作戦」「タタミのたんぼ」「オーバーオーバー」「無人島の大怪物」など。玉石混合と言った感じだが、放映第1回の「勉強べやの釣り堀」「思い出せ!あの日の感動」を担当している点に注目したい。番組として大切な第1回を任されたのだから、この時点ですでに演出家としての手腕が評価されていたのだろう。
 あくまで、これらは30分枠内のテレビシリーズでの作品なので、1時間半を超える(はずの)劇場版で、テレビとは異なるスケールで繰り広げられる冒険をどう描くのかは未知数だが、私と同年代で「魔界大冒険」はリアルタイム直撃世代であるはずの若手監督に、期待したい。

 そして、脚本は小説家の真保裕一が担当。
 私は、今のところ真保作品を全く読んだことがないので、真保氏がどのような脚本を書くのか、全くわからない。以前は演出家としてシンエイ動画で「笑ゥせぇるすまん」を手がけており、藤子アニメにも縁がある人なので、その点で期待したいと思う。
 まだ、来年の映画までは半年以上あるのだから、これを機会に真保氏の小説を読んでみることにしよう。


 ところで、真保脚本についてはスポーツ報知の記事に詳しいが、これによると「脚本は原作にはなかった現実世界と魔界世界のリンクが描かれるなど“真保テイスト”が満載」との事で、後半の展開以外は原作に忠実だった今年の「のび太の恐竜2006」と比べると、かなり大きなアレンジが行われそうで、はたして「魔界大冒険」が、どう生まれ変わるのか楽しみだ。
 「のび太の恐竜」の場合、旧作映画公開後に原作が加筆されて「決定版」となった事情もあり、旧作の時点で原作・映画の相違点がかなりあったので、「のび太の恐竜2006」は、もう一度原作に立ち返るという意味で、基本的に原作に忠実で正解だったと思う。ただ、途中まで原作通りだっただけに、クライマックスの展開は賛否両論となった事も間違いないだろう。
 それに対して「魔界大冒険」は、1984年のオリジナル版映画が、ストーリーは原作に忠実で、しかも映画として非常に完成度の高い作品なので、仮に再び原作に忠実に作ったとしてもオリジナル版を超える作品は生まれにくいだろう。だから、今あえて「魔界大冒険」を映画化するのであれば、思い切ったアレンジで原作ファン・オリジナル映画のファンを驚かせるような作品にして欲しいと思うし、実際にそうなりそうなので、新たな「魔界大冒険」を観られると思うと、楽しみだ。


 まだ未知数の部分が多いが、とりあえずタイトルについては、正直なところ、ちょっとどうかと思ってしまった。
 今年が「ドラえもん のび太の恐竜2006」と非常にシンプルだっただけに、「新」が付いたりサブタイトルが付いたりしていると、ゴテゴテした印象を受けてしまう。

 ともあれ、ようやくまた映画「ドラえもん」が本格的に動き出したわけで、その点ではワクワクしてしまう。ただ、「のび太の恐竜2006」のような度を超した宣伝は、勘弁して欲しいものだ。と、思っていたらドラミのテレビ登場について、来週から1ヶ月以上かけてテレビで情報を公開していくそうだ。「魔界」にドラミが登場するためだろうが、原作での出番がそんなに多いわけでもないキャラクターの登場を煽る意味があるのか、非常に疑問だ。この件については、来週以降の放送を観て、あらためてここで書くことになるかもしれない。

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
真保裕一 (なつき)
2006-07-23 09:32:54
ごぶさたしています。私もようやく来年の映画ドラ情報を入手しました。

…結論から言って、今回は真保脚本のために観に行こうと思っています。



私は真保裕一氏の小説が好きで、「ホワイトアウト」や「奪取」など有名どころをきっかけにかなりの数読みました。ぶっちゃけた話、氏の小説のファンです(笑)。

また、真保氏のF作品に対する思い入れは時折メディアに露出されるコラムやインタビューなどを目にするに私も賛同することが多く、この点は全く心配(と、言うのはおこがましいですが)していません。



もちろん脚本だけの力で映画の出来が決まるわけではありませんが、私個人としては本当に久しぶりに、「期待できる大長編ドラ映画」になりそうだと思っています。



…ゴテゴテ長いタイトルには首を傾げてしまいますが(苦笑)。
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まだ見ぬ新作に期待 (おおはた)
2006-07-24 23:06:42
>私は真保裕一氏の小説が好きで、「ホワイトアウト」や「奪取」など有名どころをきっかけにかなりの数読みました。ぶっちゃけた話、氏の小説のファンです(笑)。



 そうですか。それでは、私もまずはそのあたりから読んでみようと思います。実は、映画の件を聞いてから、どんな作品があるのか書店で見てみたのですが、かなり作品数が多くて、どれから読んだものか困っていました。





>また、真保氏のF作品に対する思い入れは時折メディアに露出されるコラムやインタビューなどを目にするに私も賛同することが多く、この点は全く心配(と、言うのはおこがましいですが)していません。



 こちらに関しては、最近いくつか読み直してみましたが、同感です。氏の脚本で、どのように原作がアレンジされるかは未知数ですが、少なくとも、しっかり原作を読み込んで、わかっている人だという点では期待しています。



 今年の「恐竜2006」は渡辺氏が監督だったので、ある程度作品のイメージが事前に想像できましたが、今回は真保裕一氏に加えて新監督の寺本氏、そして未発表の作画監督やゲストキャラの声優など未知の要素が多く、どんな映画になるのか、現時点では想像が付きません。それだけに、いっそう楽しみです。
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