『藤子・F・不二雄大全集』第1期全巻予約者特典の「F NOTE」が、11月6日に届いた。
この特典は10月末から順次発送とアナウンスされており、11月4日あたりにはすでに「届いた」との声がちらほらと聞かれていたので、まだかと心待ちにしていた。小学館直販ではなく書店申し込みで、しかも予約したのが7月と比較的遅い時期だったので遅くなるのではと危惧していたが、さほど待たされる事もなく到着して、一安心だ。
この「F NOTE」では「初期ノート」「中期ノート」「後期ノート」および「下書きから原稿への過程」に大別されて、それぞれの時代のF先生のアイディアノートやメモ・設定画やボツ原稿などが紹介されている。一部、すでに雑誌や「藤子・F・不二雄の世界展」図録等で紹介されているものもあるが、初見のものも多い。
「初期ノート」では「すすめロボケット」「ロケットけんちゃん」のスケッチ、「中期ノート」では「のび太の大魔境」メカデザイン、「後期ノート」では後期大長編ドラの各種設定・デザインなどが掲載されており、それらの絵を眺めているだけでも楽しいのだが、細かい字の書き込みも多数あって、それらをじっくり読んでいると、あっと言う間に時間が経ってしまう。もともと人に見せるための物ではないせいか、何と書かれているのかほとんど判読できないような書き込みもいくつかあるが、つい解読したくなってのぞき込んでしまう。
『オバケのQ太郎』最終話「Qちゃんさようなら」や『パーマン』第1話「パーマン誕生」は、丸々1話分のコマ割りが紹介されているが、お馴染みの話のはずなのに、コマの流れが違って「あれっ」と思ってしまった。考えてみれば、後に単行本で描き足されているのだから当然だ。このコマ割りは作品として世に出る以前の物であり、余白に箇条書きされているボツネタが使われていたらどうなっていたのだろう…と考えてみるのも、また楽しい。
それにしても、さらっとコマ割りのノートが載っていたので自然に見てしまったが、このように『オバQ』の案はF先生だと公式の出版物ではっきり示した資料は珍しいのではないか。
「下書きから原稿への過程」では、何と言っても『ドラえもん』のボツ原稿のインパクトが強い。特に、扉絵に描かれている暑さでおかしくなった(?)ドラえもんの表情は一見の価値がある。本編のストーリーは「エスキモー・エキス」を連想させられるが、執筆年代(1976年頃)から考えて、また一味違った話になっていた事だろう。この後どんな展開になっていたのか、それこそコマ割りだけでもいいから現存していたら見せていただきたいものだ。
あと、個人的に一番の注目点だったのは「パーマン誕生」コマ割りノートに書かれていた脳細胞破壊銃の初期名だ。なんと、「クルパーガンで本物のパーにする」と書かれている。やはり、この時期のF先生にとって「クルパー」はお気に入りの造語だったのか。「クルパーガン」の名前が本編で採用されなかったのは、実に残念だ。もし『パーマン』の重要アイテムに「クルパー」が使われていれば、メジャーな言葉になったかも知れないのに。
「F NOTE」は藤子・F・不二雄大全集第1期全巻購入者全員への特典なので、正直なところ、ここまで気合いの入った本になるとは思わなかった。大満足の一冊だ。印刷技術もよくて、原稿やノートのシミまでかなりリアルに再現されている。パッと見て「しまった。気が付かないうちに汚してしまったのかな」と、思ったほどだ。
こうなると、第2期以降の特典も楽しみだ。もしまだネタがあるのなら、「F NOTE」第2巻をぜひお願いしたい。
この特典は10月末から順次発送とアナウンスされており、11月4日あたりにはすでに「届いた」との声がちらほらと聞かれていたので、まだかと心待ちにしていた。小学館直販ではなく書店申し込みで、しかも予約したのが7月と比較的遅い時期だったので遅くなるのではと危惧していたが、さほど待たされる事もなく到着して、一安心だ。
この「F NOTE」では「初期ノート」「中期ノート」「後期ノート」および「下書きから原稿への過程」に大別されて、それぞれの時代のF先生のアイディアノートやメモ・設定画やボツ原稿などが紹介されている。一部、すでに雑誌や「藤子・F・不二雄の世界展」図録等で紹介されているものもあるが、初見のものも多い。
「初期ノート」では「すすめロボケット」「ロケットけんちゃん」のスケッチ、「中期ノート」では「のび太の大魔境」メカデザイン、「後期ノート」では後期大長編ドラの各種設定・デザインなどが掲載されており、それらの絵を眺めているだけでも楽しいのだが、細かい字の書き込みも多数あって、それらをじっくり読んでいると、あっと言う間に時間が経ってしまう。もともと人に見せるための物ではないせいか、何と書かれているのかほとんど判読できないような書き込みもいくつかあるが、つい解読したくなってのぞき込んでしまう。
『オバケのQ太郎』最終話「Qちゃんさようなら」や『パーマン』第1話「パーマン誕生」は、丸々1話分のコマ割りが紹介されているが、お馴染みの話のはずなのに、コマの流れが違って「あれっ」と思ってしまった。考えてみれば、後に単行本で描き足されているのだから当然だ。このコマ割りは作品として世に出る以前の物であり、余白に箇条書きされているボツネタが使われていたらどうなっていたのだろう…と考えてみるのも、また楽しい。
それにしても、さらっとコマ割りのノートが載っていたので自然に見てしまったが、このように『オバQ』の案はF先生だと公式の出版物ではっきり示した資料は珍しいのではないか。
「下書きから原稿への過程」では、何と言っても『ドラえもん』のボツ原稿のインパクトが強い。特に、扉絵に描かれている暑さでおかしくなった(?)ドラえもんの表情は一見の価値がある。本編のストーリーは「エスキモー・エキス」を連想させられるが、執筆年代(1976年頃)から考えて、また一味違った話になっていた事だろう。この後どんな展開になっていたのか、それこそコマ割りだけでもいいから現存していたら見せていただきたいものだ。
あと、個人的に一番の注目点だったのは「パーマン誕生」コマ割りノートに書かれていた脳細胞破壊銃の初期名だ。なんと、「クルパーガンで本物のパーにする」と書かれている。やはり、この時期のF先生にとって「クルパー」はお気に入りの造語だったのか。「クルパーガン」の名前が本編で採用されなかったのは、実に残念だ。もし『パーマン』の重要アイテムに「クルパー」が使われていれば、メジャーな言葉になったかも知れないのに。
「F NOTE」は藤子・F・不二雄大全集第1期全巻購入者全員への特典なので、正直なところ、ここまで気合いの入った本になるとは思わなかった。大満足の一冊だ。印刷技術もよくて、原稿やノートのシミまでかなりリアルに再現されている。パッと見て「しまった。気が付かないうちに汚してしまったのかな」と、思ったほどだ。
こうなると、第2期以降の特典も楽しみだ。もしまだネタがあるのなら、「F NOTE」第2巻をぜひお願いしたい。