本日は、映画「逆境ナイン」の公開日。さっそく、名古屋駅前のシルバー劇場まで観に行ってきた。以下、映画の感想(ネタばれあり)。
全編を通して伝わってきたのは、スタッフが原作をよく分かった上で作っているという印象だ。内容的には、地区大会優勝までで終わりなので、原作の第21話までに相当する。単行本にして、4冊半だ。それを、2時間の映画にするのだから、映画には登場しなくなったキャラもいるし、映画からは外されているエピソードもある。それでも、ちゃんと「逆境ナイン」として成り立っているのだ。
「逆境ナイン」原作は、島本和彦作品の中でも、一番の「名言」の宝庫ともいうべき作品。「それはそれ!!、これはこれ!!」「敵をのんでものまれるなッ!!」「背に腹はかえられんっ!!」「男の魂充電完了!!」などなど、本作を読んだ人なら、すぐにいくつも浮かんでくることだろう。今回の映画では、これらの名言が、原作通りの場面だったり、またそうでなかったりと、色々な形で効果的に使われていた。
そして、名言だけでなく、名シーンの数々も、校長の「廃部だっ!!」は当然、原作通りに最初に来ているのだが、それ以外の場面のいくつかは、原作とは異なる流れになっていた。しかし、映画を鑑賞している最中は、特に違和感なく、一つの作品として完成していたと思う。それだけ、話の流れに勢いがあった。スタッフが、よほど原作を読み込んだ上で、今回の映画のプロットを作り上げたのだと言う事が伺える。
また、原作の小ネタが、いくつかそのまま使われていたのも、原作ファンとしては嬉しかったところだ。はんだゴテでやけどくらいはやるだろうとは思っていたが、不屈が海に遊びに行く妄想をする時の「校長もさそおう!!」まで、そのまんま使うとは予想外だった。
ここまで、話についてばかり書いてきたが、出演者についても触れておこう。主演の玉山鉄二をはじめとして、皆、意外なほどにそれぞれのキャラクターにはまっていた。特に、田中直樹が、あそこまで原作通りのサカキバラを演じられるとは思っていなかったので、驚いた。
あとは、解説者役で出演した「炎尾燃」氏についても触れない訳には行かないだろう。「島本和彦」ではなく、エンドロールでも「炎尾燃」でクレジットされているのが笑える。この映画を観てから「新 吼えろペン」の1~3話を読み返すと、また楽しめるだろう。それにしても、また解説者役か…。
と、基本的に今回の映画はなかなか楽しめたのだが、どうしても気になる場面は、いくつかあった。その最たるものは、桑原さんがいなくなって月田明子に桑原さんの役目まで振ってしまったために、不屈が遊園地に行く場面などが、原作を知っている者としては、不自然に感じられてしまった点だ。もちろん、原作とは違った理由付けはあったが、月田明子が野球部のマネージャーであるせいで、やや強引な展開になってしまったように思う。
あとは、好みの問題になるのだが、男球の声がちょっとイメージと違っていたのと、男球にはウインクはさせて欲しくなかった。男球に続くナインの見せ場となるはずだった「やる気パルス」が削られてしまったのも、残念だ。
ただ、サッカー部関連のアレンジに関しては、良い改変だったと思う。オチにも上手くつながっていた。
とは言え、傑作でありながら長らく単行本が入手困難になっていた「逆境ナイン」を、世に知らしめるには、十分な出来の作品だと思う。原作を知らなかった人にも、これを機会に、ぜひ一度読んでみていただきたい。今度のサンデーGXコミックス版単行本は、絶版にならずに長らく読み続けられて欲しいものだ
全編を通して伝わってきたのは、スタッフが原作をよく分かった上で作っているという印象だ。内容的には、地区大会優勝までで終わりなので、原作の第21話までに相当する。単行本にして、4冊半だ。それを、2時間の映画にするのだから、映画には登場しなくなったキャラもいるし、映画からは外されているエピソードもある。それでも、ちゃんと「逆境ナイン」として成り立っているのだ。
「逆境ナイン」原作は、島本和彦作品の中でも、一番の「名言」の宝庫ともいうべき作品。「それはそれ!!、これはこれ!!」「敵をのんでものまれるなッ!!」「背に腹はかえられんっ!!」「男の魂充電完了!!」などなど、本作を読んだ人なら、すぐにいくつも浮かんでくることだろう。今回の映画では、これらの名言が、原作通りの場面だったり、またそうでなかったりと、色々な形で効果的に使われていた。
そして、名言だけでなく、名シーンの数々も、校長の「廃部だっ!!」は当然、原作通りに最初に来ているのだが、それ以外の場面のいくつかは、原作とは異なる流れになっていた。しかし、映画を鑑賞している最中は、特に違和感なく、一つの作品として完成していたと思う。それだけ、話の流れに勢いがあった。スタッフが、よほど原作を読み込んだ上で、今回の映画のプロットを作り上げたのだと言う事が伺える。
また、原作の小ネタが、いくつかそのまま使われていたのも、原作ファンとしては嬉しかったところだ。はんだゴテでやけどくらいはやるだろうとは思っていたが、不屈が海に遊びに行く妄想をする時の「校長もさそおう!!」まで、そのまんま使うとは予想外だった。
ここまで、話についてばかり書いてきたが、出演者についても触れておこう。主演の玉山鉄二をはじめとして、皆、意外なほどにそれぞれのキャラクターにはまっていた。特に、田中直樹が、あそこまで原作通りのサカキバラを演じられるとは思っていなかったので、驚いた。
あとは、解説者役で出演した「炎尾燃」氏についても触れない訳には行かないだろう。「島本和彦」ではなく、エンドロールでも「炎尾燃」でクレジットされているのが笑える。この映画を観てから「新 吼えろペン」の1~3話を読み返すと、また楽しめるだろう。それにしても、また解説者役か…。
と、基本的に今回の映画はなかなか楽しめたのだが、どうしても気になる場面は、いくつかあった。その最たるものは、桑原さんがいなくなって月田明子に桑原さんの役目まで振ってしまったために、不屈が遊園地に行く場面などが、原作を知っている者としては、不自然に感じられてしまった点だ。もちろん、原作とは違った理由付けはあったが、月田明子が野球部のマネージャーであるせいで、やや強引な展開になってしまったように思う。
あとは、好みの問題になるのだが、男球の声がちょっとイメージと違っていたのと、男球にはウインクはさせて欲しくなかった。男球に続くナインの見せ場となるはずだった「やる気パルス」が削られてしまったのも、残念だ。
ただ、サッカー部関連のアレンジに関しては、良い改変だったと思う。オチにも上手くつながっていた。
とは言え、傑作でありながら長らく単行本が入手困難になっていた「逆境ナイン」を、世に知らしめるには、十分な出来の作品だと思う。原作を知らなかった人にも、これを機会に、ぜひ一度読んでみていただきたい。今度のサンデーGXコミックス版単行本は、絶版にならずに長らく読み続けられて欲しいものだ
小ネタは色々あったので、おそらく1回見ただけでは見つけられないものもあるかと思います。
ともかく、原作もある意味映画以上に熱く無茶な作品ですので、興味を持たれたら、ぜひご覧になって下さい。原作では、甲子園編もあります。
> 島本先生曰く、「1回目はどうしても原作を意識して観てしまうから、
確かに、実際私がそうでした。
7・8月は予定が詰まっているので、もう一度劇場に行けるかどうかは微妙ですが、DVDが出たら買って、すみからすみまで観てみたいです。
男球の声、気になりますね。確かに関さんっぽい声ですが。ちなみに、映画特番の原作漫画紹介場面では、なぜか関さんが不屈の声をあてています。サカキバラは若本さんと、「シノブ伝」コンビ。CDドラマと違うキャスティングなのが、不思議なところです。