藤子不二雄や、好きな漫画・アニメの話がメイン(ネタバレもあるので要注意)
はなバルーンblog
アニメ本放送途中の再放送事情
10月期のテレビアニメも始まってから一ヶ月ほどが経ったが、はやくも放送を「落として」しまい、再放送やら旧作OVAやらで穴埋めする作品が複数出てきており、もうアニメ業界は限界じゃないかという声も聞かれる。
それでは、昔はどうだったのだろうか。
昔はよかった、放送できないから再放送で穴埋めなんてことはなかった、と言いたいところだが、事実はそうではない。実際には、大昔から本放送途中での再放送というのはあったのだ。その理由が「制作が間に合わないから」なのかどうかは、今となっては確かめようがない。しかし、「再放送を挟んでいた」という事実は、はっきり残っている。
実際に、どのアニメでどれだけ再放送を挟んだのか、『TVアニメ25年史』(徳間書店)と『虫プロダクション資料集 1962~1973』(虫プロダクション資料集編集室)のデータを元にして、制作会社別にまとめてみた。
●虫プロ
『鉄腕アトム [第1作]』全210回中、17回が再放送
『W3(ワンダースリー)』全56回中、4回が再放送
『国松さまのお通りだい』全52回中、6回が再放送
●東映動画(現・東映アニメーション)
『狼少年ケン』全91回中、5回が再放送
『ゲゲゲの鬼太郎 [第2作]』全52回中、7回が再放送
『魔女っ子メグちゃん』全78回中、6回が再放送
『ゲッターロボ』全57回中、6回が再放送
『カリメロ』全51回中、2回が再放送
『ゲッターロボG』全45回中、6回が再放送
『鋼鉄ジーグ』全48回中、2回が再放送
『マシンハヤブサ』全22回中、1回が再放送
『マグネロボ ガ・キーン』全42回中、3回が再放送
『超人戦隊バラタック』全37回中、6回が再放送
『ゲゲゲの鬼太郎 [第3作]』全111回中、3回が再放送
●東映(本社テレビ部)
『超電磁ロボ コン・バトラーV』全58回中、4回が再放送
『超電磁マシーン ボルテスV(ファイブ)』全43回中、3回が再放送
『とびだせ!マシーン飛竜』全26回中、5回が再放送
●エイケン(旧・TCJ)
『仙人』全24回中、1回が再放送
『エイトマン』全59回中、3回が再放送
『遊星仮面』全44回中、5回が再放送
●タツノコプロ
『新造人間キャシャーン』全38回中、3回が再放送
『タイムボカン』全65回中、4回が再放送
『タイムボカンシリーズ ヤッターマン』全109回中、1回が再放送
●サンライズ(旧・日本サンライズ)
『無敵超人ザンボット3』全25回中、2回が再放送
以上、資料をザッと確認してまとめてみた。ここで挙げた以外に、『UFO戦士ダイアポロンII』のように、ちょっとややこしいケースで再放送が混じった作品もあったが、今回は省略した。どういう事情かは、ご自分で調べてください。さらに、『ドラえもん』など、帯番組で放送後半に再放送が混じるケースも多いが、多くは詳細不明のため省いた。
また、『レインボー戦隊ロビン』のように、ひととおり最終回まで放送した後に、枠が余って何度か再放送で埋めたというケースもあるが、それも今回は省いた。
こうやって見てみると、『鉄腕アトム [第1作]』『狼少年ケン』『仙人』『無敵超人ザンボット3』と、各制作会社の第一作が軒並み再放送を挟んでいるのは面白い。会社ができたてで、制作体制がしっかりしていなかったと言う事なのだろうか。
中でも、『鉄腕アトム [第1作]』は、最後の半年間は4回に1回が再放送(一ヶ月に一回)となったが、これなどはおそらく『W3』『ジャングル大帝』と3本立て制作体制で大変だったのだろう。
また、東映動画の作品数が多いが、元々手がけている作品数が多いから、当然なのかもしれない。
個人的に気になるのは『ゲゲゲの鬼太郎』だ。どういう事情だったのか、第2作のDVD-BOXブックレットなどを読んでみたが、再放送についての記載は視聴率くらいしか載っていなかった。もしかしたら、東映動画でおきたロックアウト事件(『デビルマン』が大いに影響を受けて、謎の演出家「鈴木実」が大活躍した)の影響があったのかと思ったが、どうやらそれは最終話「死神のノルマ」だけのようなので、全体として7本の再放送を挟んだ理由は、よくわからない。
第3作についても理由はよくわからないのだが、この頃になるとアニメ雑誌も複数出ていたので、それらのバックナンバーを調べれば、あらかじめ予定に組み込まれていた再放送なのかどうかは、わかるかもしれない。今度、機会があったら、実際に調べてみたい。
『ゲゲゲの鬼太郎』以外で気になるのは『ゲッターロボ』で、5回連続で再放送をおこなっており、まる一ヶ月半新作の放送を休んでいたことになる。どんな事情があったのか、ぜひ知りたいものだ。
他の制作会社も含めて、『ゲゲゲの鬼太郎 [第3作]』以外は1970年代までの作品なので、1980年代に入ると、さすがに制作体制が安定して再放送を挟む必要はなくなった、と言うことなのかもしれない。
いずれにせよ事情はわからないので、ここに書いたことは「再放送があった」という事実以外は、すべて私の憶測になる。その点、ご注意いただきたい。
しかし、昔は昔で結構酷かったのだな。特に、昔は子供向けアニメがほとんどだから、楽しみにして観てみたら再放送だったときのがっかり感は、想像するにあまりある。
だからと言って、現在のアニメで放送を落としまくることを肯定する意図は、一切ない。スケジュールはきついんだろうが、仕事でやっているんだから「できませんでした」は、ダメだと思う。まあ、どう考えてもいまのテレビアニメの本数は異常なので、その点では根本的に制作体制に無理があると言えるのかもしれないが。
最後に、放送を「落とした」あの作品やこの作品が、ぶじに最終回まで放送される事を願って、このエントリを終わりにしたい。
それでは、昔はどうだったのだろうか。
昔はよかった、放送できないから再放送で穴埋めなんてことはなかった、と言いたいところだが、事実はそうではない。実際には、大昔から本放送途中での再放送というのはあったのだ。その理由が「制作が間に合わないから」なのかどうかは、今となっては確かめようがない。しかし、「再放送を挟んでいた」という事実は、はっきり残っている。
実際に、どのアニメでどれだけ再放送を挟んだのか、『TVアニメ25年史』(徳間書店)と『虫プロダクション資料集 1962~1973』(虫プロダクション資料集編集室)のデータを元にして、制作会社別にまとめてみた。
●虫プロ
『鉄腕アトム [第1作]』全210回中、17回が再放送
『W3(ワンダースリー)』全56回中、4回が再放送
『国松さまのお通りだい』全52回中、6回が再放送
●東映動画(現・東映アニメーション)
『狼少年ケン』全91回中、5回が再放送
『ゲゲゲの鬼太郎 [第2作]』全52回中、7回が再放送
『魔女っ子メグちゃん』全78回中、6回が再放送
『ゲッターロボ』全57回中、6回が再放送
『カリメロ』全51回中、2回が再放送
『ゲッターロボG』全45回中、6回が再放送
『鋼鉄ジーグ』全48回中、2回が再放送
『マシンハヤブサ』全22回中、1回が再放送
『マグネロボ ガ・キーン』全42回中、3回が再放送
『超人戦隊バラタック』全37回中、6回が再放送
『ゲゲゲの鬼太郎 [第3作]』全111回中、3回が再放送
●東映(本社テレビ部)
『超電磁ロボ コン・バトラーV』全58回中、4回が再放送
『超電磁マシーン ボルテスV(ファイブ)』全43回中、3回が再放送
『とびだせ!マシーン飛竜』全26回中、5回が再放送
●エイケン(旧・TCJ)
『仙人』全24回中、1回が再放送
『エイトマン』全59回中、3回が再放送
『遊星仮面』全44回中、5回が再放送
●タツノコプロ
『新造人間キャシャーン』全38回中、3回が再放送
『タイムボカン』全65回中、4回が再放送
『タイムボカンシリーズ ヤッターマン』全109回中、1回が再放送
●サンライズ(旧・日本サンライズ)
『無敵超人ザンボット3』全25回中、2回が再放送
以上、資料をザッと確認してまとめてみた。ここで挙げた以外に、『UFO戦士ダイアポロンII』のように、ちょっとややこしいケースで再放送が混じった作品もあったが、今回は省略した。どういう事情かは、ご自分で調べてください。さらに、『ドラえもん』など、帯番組で放送後半に再放送が混じるケースも多いが、多くは詳細不明のため省いた。
また、『レインボー戦隊ロビン』のように、ひととおり最終回まで放送した後に、枠が余って何度か再放送で埋めたというケースもあるが、それも今回は省いた。
こうやって見てみると、『鉄腕アトム [第1作]』『狼少年ケン』『仙人』『無敵超人ザンボット3』と、各制作会社の第一作が軒並み再放送を挟んでいるのは面白い。会社ができたてで、制作体制がしっかりしていなかったと言う事なのだろうか。
中でも、『鉄腕アトム [第1作]』は、最後の半年間は4回に1回が再放送(一ヶ月に一回)となったが、これなどはおそらく『W3』『ジャングル大帝』と3本立て制作体制で大変だったのだろう。
また、東映動画の作品数が多いが、元々手がけている作品数が多いから、当然なのかもしれない。
個人的に気になるのは『ゲゲゲの鬼太郎』だ。どういう事情だったのか、第2作のDVD-BOXブックレットなどを読んでみたが、再放送についての記載は視聴率くらいしか載っていなかった。もしかしたら、東映動画でおきたロックアウト事件(『デビルマン』が大いに影響を受けて、謎の演出家「鈴木実」が大活躍した)の影響があったのかと思ったが、どうやらそれは最終話「死神のノルマ」だけのようなので、全体として7本の再放送を挟んだ理由は、よくわからない。
第3作についても理由はよくわからないのだが、この頃になるとアニメ雑誌も複数出ていたので、それらのバックナンバーを調べれば、あらかじめ予定に組み込まれていた再放送なのかどうかは、わかるかもしれない。今度、機会があったら、実際に調べてみたい。
『ゲゲゲの鬼太郎』以外で気になるのは『ゲッターロボ』で、5回連続で再放送をおこなっており、まる一ヶ月半新作の放送を休んでいたことになる。どんな事情があったのか、ぜひ知りたいものだ。
他の制作会社も含めて、『ゲゲゲの鬼太郎 [第3作]』以外は1970年代までの作品なので、1980年代に入ると、さすがに制作体制が安定して再放送を挟む必要はなくなった、と言うことなのかもしれない。
いずれにせよ事情はわからないので、ここに書いたことは「再放送があった」という事実以外は、すべて私の憶測になる。その点、ご注意いただきたい。
しかし、昔は昔で結構酷かったのだな。特に、昔は子供向けアニメがほとんどだから、楽しみにして観てみたら再放送だったときのがっかり感は、想像するにあまりある。
だからと言って、現在のアニメで放送を落としまくることを肯定する意図は、一切ない。スケジュールはきついんだろうが、仕事でやっているんだから「できませんでした」は、ダメだと思う。まあ、どう考えてもいまのテレビアニメの本数は異常なので、その点では根本的に制作体制に無理があると言えるのかもしれないが。
最後に、放送を「落とした」あの作品やこの作品が、ぶじに最終回まで放送される事を願って、このエントリを終わりにしたい。
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